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【ワーママの仕事術・前編】肩身の狭いワーママも “へいわよし”で働きやすくなる!

2017年05月25日(木) 16時01分配信

育児との両立がしんどい…… このまま仕事を続けるべき?

「出産後、復帰はしたけれど、育児と仕事の両立がしんどい」「やりがいのある仕事をまかせてもらえない……」“もしかして私、会社にとって迷惑?”と感じてしまうことはないだろうか?

この記事を書いている編集Tは、そう思うことがしばしば。37歳で出産するまでは、思う存分仕事ができたけれど、二児の母となった今は早く帰らざるをえず、周囲に迷惑をかけることも多い。

「会社は“迷惑”と思っているのではなく、どうすればいいのかと戸惑っているんですよ」と語るのは、社会保険労務士の齋藤智明さん。労務管理のエキスパートとして、大小問わず多くの企業の総務・人事の現場を見てきた齋藤さんからの、ワーママが働きやすくなるためのアドバイスを“へいわよし”というキーワードでお伝えしていきます。前編となる今回は、日々の仕事や気持ちが楽になる、今すぐにできる3つのアクション“へいわ”をご紹介。

第1のアクション 「へ」=減らす 

まずは仕事の総量を減らすこと!

編集T(以下T)「『やってもやっても仕事が終わらない』『残業があたりまえの部署なので、定時に帰るために時短勤務にしている』という話、ワーママからよく聞きます」

齋藤さん(以下S)「残業が常態化している職場の場合、まずは仕事の棚卸しをし、業務そのものを減らすことです。資料の作成や誰も見ていない報告書など、慣習的に“やらなければいけない”とされているけれど、実はさほど重要ではない仕事って、意外と多くありませんか?」

T「わかる気がします(苦笑)」

S「業務をすべて洗い出し、to doリストをきちんと作成します。そのうえでひとつずつ、いる、いらないを精査していきつつ、効率化も考える。“書類は1年見ないなら廃棄”“パワポで作成していた資料はワードにして簡素化する”など……。こうして精査していった結果、いつも残業していたのに、毎日定時に帰れるようになったという方もいますよ」

T「理想的なお話ですが、それをひとりで進めるのは、なかなか難しいですよね……」

S「そんなときは、上司に選んでもらえばいいんです。『この書類、パワポで作ると1時間かかりますが、ワードなら10分で終わります。どちらがよろしいでしょうか?』と。普通なら、上司としては仕事には高パフォーマンスを求めるはずなので、10分を選ぶはずですよね」

T「なるほど!いいアイデアですね。では、そうやって効率化しても、仕事が終わらない場合は?」

S「なぜ終わらないのかを分析すること。そして、明らかに人数が足りないのであれば、会社に掛け合って、なんとか人員を増やしてもらいましょう」
第二のアクション 「い」=言う、伝える

仕事を全部書き出して、ほんとうに必要かどうか確認しよう

第二のアクション 「い」=言う、伝える

子育てしつつ働いていることを、ニュートラルに伝える

T「“子供がいても私はこれまで通り働ける”“子供を言い訳にしたくないし、されたくない”などの思いから、会社ではあまり、子供の話をしない、という女性も結構いますよね」

S「それで上手く回っているのならいいのですが……」

T「うーん、かなり無理しているのではないでしょうか。子供は急に病気になりますし。仕事を持ち帰ったとしても、子供を寝かしつけた後じゃないと、とても仕事なんてできませんよね」

S「そうですよね……。ちょっと話はずれますが、ハラスメントは、どうして起こると思いますか?」

T「ハラスメント? 難しいですね……」

S「要因を突き詰めると、実は2つ。まず、相手のことを知らないから。そしてコントロールしたいから、なんです。子供がいない人は、“子供がいる”とはどういうことなのか、なかなかわかりませんよね」

T「だから、ハラスメントが起こるんですか?」

S「起こりうるんです。であれば、子供がいるとはどういうことなのか、子育てしつつ働くとはどういう状況なのか、伝わるように努力するしかありません。日頃から口にして、周囲の人に伝えていくんです」

T「たとえば、よく熱を出す子だとか、予防接種が多いとか、保育園が遠いとか、などでしょうか?」

S「そうです。その際にいちばん大切なのは、“ニュートラルに伝えていく”ということ。被害者意識を持ったり、“権利”を振りかざすのはNGです」

T「たとえば、時短制度や、看護休暇などは法律で定められているので、権利として主張するのも間違いではないと思うのですが……」

S「確かに間違いではありません。でも、“権利”を声高に叫ぶと、会社側としてはやっかいに感じます。周囲の人からも煙たがられ、ますます自分が居づらくなってしまう可能性が高くなるんです。場合によっては逆方向のハラスメントと受け取られることも……。まずはニュートラルに、事実を知ってもらうことが大事なんですよ」
 第3のアクション 「わ」=わかちあう

日頃から上司や同僚と、こまめにコミュニケーションを!

第3のアクション 「わ」=わかちあう

仕事をわかち合う、共有する

S「もうひとつ。とくにワーママが仕事を続けるうえで、大事なことがあるんです。なんだと思いますか?」

T「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)でしょうか?」

S「それも大事ですが、もっと重要なのは、仕事を共有することです。子供は、いつ熱を出すかわからないし、呼び出しコールがあってから引き継ぎをするのは大変ですよね」

T「あわてて会社を飛び出し、家に仕事を持ち帰っている人が多いのでは……」

S「家では対応できない業務は困りますよね。かといって仕事に穴をあけるわけにもいかない。そんな緊急事態に備え、日頃から自分が携わっている仕事の内容や、その進捗状況を、上司や同僚と共有しておくことです。そうすれば何かあったときに、スムーズにサポートしてもらえるはずですよ。もちろん感謝の言葉は忘れずに。そして、別の人が困っている場合は、自ら進んでサポート側に回る。そうすれば職場での人間関係も良くなるし、仕事もよりはかどると思いますよ」

-----ワーママの仕事術・後編に続きます

齋藤智明さん

お話をうかがった方

齋藤智明さん

社会保険労務士事務所キュービックパワー(http://www.cubic-power.com/)代表。経営者専門のトラブル解決コンシェルジュ、特定社会保険労務士として、人事労務相談、IPO支援、就業規則の策定・改定や企業研修に携わる。

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