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【ワーママの仕事術・後編】職場で肩身の狭いワーママにこそオススメの○○とは?

2017年05月25日(木) 16時02分配信

できれば仕事は続けたいけれど……

“もしかして私、会社にとって迷惑?”

保育園からの“発熱”コールによる早退、時短勤務、PTA行事参加のための休み……。思う存分に働けない状況に、職場で申し訳なさ、肩身の狭さを感じてしまいがちなワーママは、いったいどうすればいい?

40代半ばで、自らも保育園&小学生の二児の母である編集Tが、社会保険労務士の齋藤智明さんにインタビュー。ワーママがもっと働きやすくなるためのアイディアを“へいわよし”というキーワードでお届けしています。“へいわ”を紹介した前編に続いて今回は、制度や規則を理解するための2つのアクション“よし”と会社だけに縛られない新しい働き方を提案していきます。

第4のアクション 「よ」=読む 

就業規則を読んでみる

編集T(以下T)「妊娠している女性からは、『小さな会社で、時短が取れるのか、保育園に入れるまで育休が取れるかどうかわからない』という声も、よく耳にします」

齋藤さん(以下S)「まずは、就業規則を読むことですね」

T「就業規則は、どこの会社にもあるんですか?」

S「社員が10人以上いれば、必ずあります。労働基準法で、社員数10人以上の会社には、就業規則の作成を義務付けられていますから。ただし古い会社だと、金庫の奥にしまわれていたり、内容も古くて規則が穴だらけだったりすることも多いです」

T「金庫の奥……。その場合、どうやったら就業規則を見ることができるんでしょうか?」

S「素直に、『いちど見てみたいんですが』とお願いしするのがいちばんです。しっかりと読んでみて、不足があれば就業規則を整えるよう、会社に働きかけましょう」

T「会社の就業規則を整えてもらう……。それはパワーがいりますよね。『そんなもの必要ない!』と一喝されてしまいそう」

S「でも、同じ職場でこの先も働き続けたいのであれば、自分のためにも、後に続く後輩のためにも、パイオニアとしてがんばっていただきたいです。最近は就業規則が未整備だったり、古かったりして、従業員などから訴えられるリスクが生じています。また、そういったことなどがSNSで拡散され、ネガティブなイメージを持たれてしまう可能性などを恐れて、就業規則をきちんと整備しようという会社も増えているんです。このような社会状況も伝えつつ、進めていくのはいかがでしょうか?」

T「会社員ではなく、パートの場合はどうですか?育休とか、時短とかは取れるのでしょうか?」

S「基本的には、同じ会社で過去1年以上継続して働いていれば、パートでも産前・産後休暇はもちろん、時短勤務や、育児休職を取ることができますよ」

T「そういうことをきちんと理解していないと、うやむやのまま仕事を辞めさせられたり、自ら辞めてしまったりしてしまいそうですね」

S「そうなんです。きちんと知ることはとても大事です。いまはインターネットでも簡単に情報が手に入ります。ただし、ネットの場合、情報が古かったり、誤っていることも多いので、必ず一次情報、大元にある情報を探しましょう。たとえば、出産・育児にまつわる情報を知りたいなら、厚生労働省雇用機会均等・児童家庭局が作成している“働きながらお母さんになるあなたへ”(http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/23.html)という小冊子がわかりやすくていいでしょう。出産、育児に関する法律や相談先がわかりやすくまとめられています。こういったものを利用することです。厚生労働省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/index.shtml)からダウンロードできますよ」

T「これからママになる人は必読ですね」

S「はい。また、この冊子の中にも書かれている『母性健康管理指導事項連絡カード』もおすすめです。妊娠中、ぱっと見は普通だけれど、実はつわりや貧血、むくみなど、これまで通り働くのは難しいような状態になることがありますよね。これらの症状により、通勤緩和や勤務時間短縮などの必要があると医師が判断したら、内容を『母性健康管理指導事項連絡カード』に記入してもらって、会社に提出しましょう。すると会社には、カードの記載内容に応じて適切な措置を講じる義務が生じるんですよ」
第5のポイント 「し」=知る

適切な相談相手を見つけよう!

第5のポイント 「し」=知る

本当に困ったときに相談する場所を「知る」こと

T「育休や時短など、会社にきちんと規則はあるけれど、現場ではそれを使えるような雰囲気ではなかったり、特別な事情がある場合は、どうしたらいいんでしょうか?」

S「正社員の方なら、まず人事部へ相談することです。対応が難しい案件であれば、人事部から我々社会保険労務士(社労士)に相談が回ってきます」

T「ではもし、会社に就業規則がなかったり、人事部に相談しても話を聞いてくれないようなときは?」

S「労働局に相談に行ってみましょう。労働局は、各都道府県に1カ所ずつ設置されており、仕事に関するあらゆる相談にのってくれて、必要な法律を教えてくれるところなんです。本当に悩んでいる場合には、ぜひ活用してください」

T「たとえば、すごくブラックな状況だった場合。労働局から会社に指導したり、改善を促したりしてくれるのでしょうか?」

S「残念ながら指導はありません。基本的に必要な法律を教えてくれるだけです。でも、具体的に相談でき、法律も理解できれば、自ずと解決策が見えてくることも多いことと思います」

T「派遣、契約、フリーランスなどとして働いている場合は、どうですか?」

S「派遣の場合は派遣元に相談を。契約やフリーランスの場合は、社労士を探すといいと思います。社労士は企業における労務関係をサポートするのが仕事なので、あらゆる仕事の悩みに詳しいですよ」

T「社労士……。なかなか知り合いにはいませんよね(苦笑)。どうやって探したらいいんでしょう?」

S「ネットで探してもいいですし、ハローワークや、労働基準監督署などに置いてある、社労士のリストから探してもいいかもしれません。また、区役所などで労務相談会などが開催されることもあります。その場には弁護士や社労士が来ていることが多いので、そういった機会をうまく利用するといいと思います。」

T「弁護士ではないんですね」

S「弁護士でも間違いではありませんが、いきなり弁護士が出てくると、雇い主が身構えてしまうことでしょう。そんなつもりはなかったのに、気づいたら敵対関係になってしまった、ということも起こりかねません。まずはニュートラルな立場で間に入ってくれる社労士への相談がいいと思います」
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マルチタスクなワーママこそ実は複業に向いている

高パフォーマンスのワーママこそ “複業”のすすめ

S「最後に声を大にして言いたいこと。それは、“ワーママこそ、フクギョウすべき”ということなんです」

T「副業ですか?」

S「複業、ダブルワークです。副業はサブの仕事ですが、ダブルワークでは、自分の最も得意なことを仕事にするんです」

T「その違いは?」

S「副業(サブワーク)は時給が下がるけれど、複業(ダブルワーク)はむしろ時給があがります。特殊技能でなくても、会社員としてこれまで培ってきた技能でいいんです。たとえば会社員として経理財務の仕事をしていた女性。30歳目前で出産しましたが、子供がよく熱を出すためフルタイム勤務が難しくなり、会社でコピー取りや帳簿の整理ばかりしていたそうです。当然、面白くない。彼女はもともと伝票処理が得意で早かったので、朝の数時間を使い、確定申告の手伝いをする複業を始めたところ、そちらが波に乗り……。今度独立するんですよ」

T「すごいですね」

S「ワーママは時間が限られていますから、労働生産性がものすごく高いんです。短時間で高パフォーマンスをあげられる。だからこそ、複業するべき。会社員という立場を保ちつつ、自分の実務経験を活かした複業をしていけばいいと思います」

T「とはいえ、副業禁止の会社も多いですよね」

S「これから認める会社が増えるはずです。残業時間の上限が叫ばれていますし、残業代を払うのも厳しいですから。とくにベンチャー企業ほど、複業には積極的ですよ。経営者的な視点を持てるし、そちらで得た人脈を本業に引っ張ってくることもできますからね」

T「複業をしたい、というワーママは、まず何をしたらいいですか?」

S「いちばん得意なことを見極めることです。呼吸するようにできること。どんなことが好きか、どんなときが幸せか。好きなことを100個書いてみるのもいいですね。次に、タイムテーブルを作成し、スキマ時間を探す。そうやって、できることと時間を見つけたら、お試しで、知り合いを相手に小さく初めてみる。本業があるから失敗してもいいし、小さく始められる、まさにノーリスク、ハイリターンなんですよ。ぜひ検討してみてください」

【まとめ】

“へいわよし”とは……

へ=仕事をへらす

い=子供のことをいう

わ=業務をわかち合う

よ=就業規則をよむ

し=相談先をしる

齋藤智明さん

お話をうかがった方

齋藤智明さん

社会保険労務士事務所キュービックパワー(http://www.cubic-power.com/)代表。経営者専門のトラブル解決コンシェルジュ、特定社会保険労務士として、人事労務相談、IPO支援、就業規則の策定・改定や企業研修に携わる。

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