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耽美で妖艶、エロティックな『お嬢さん』を、女子に見てもらいたい理由  [with] 

2017年03月19日(日) 14時00分配信

韓国映画は振り切った感情と振り切った表現が満載で、それゆえに韓国映画が好きな私ですが、時にそんな私ですら「うわあああ!」と思うような作品に出合うことがあり、その恐れを知らぬクリエイティビティに驚かされます。

(C)2015 UNIVERSAL STUDIOS.ALL RIGHTS RESERVED.

公開中の映画『お嬢さん』もそんな映画のひとつ。20世紀初頭、日本統治下の朝鮮を舞台に、閉ざされた大邸宅に暮らす華族の令嬢(日本人)と、彼女を支配する伯父(日本人)、さらにその財産を狙う詐欺師と、彼が送り込んだ侍女が展開する、スリリングなサスペンスを描いた物語です。何が振り切っているかと言えば、ありていに言えば「エロ描写」です。

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お嬢さんの伯父は大金持ちの好事家で、その財力に任せて閉ざされた大邸宅に膨大な春画とエロ小説をコレクションしており、夜な夜な金持ちの日本人を集めてはそれを使って楽しむ「ある淫靡な会」を密かに催しています。不幸にもこんな家に生まれ、身寄りはこのド変態の伯父だけというお嬢さんは、この館からほとんど出たことがない、いわゆる純粋培養でありながら、アブノーマルな世界しか知りません。伯父は自分のエロ世界を実現するために、このお嬢さんの無垢さを利用して、幼い頃から調教して育ててきたわけです。

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ここまで読んで「なんと陰惨な…!」と感じた方も多いかと思いますが、大金持ちのお嬢さんらしい優雅さと無防備さ、そしてとてつもないエロを仕込まれたお嬢さんは、ビジュアルの美しさも手伝って、図らずも超ド級の魔性の女として完成してしまいます。そんなわけで玉の輿狙いの詐欺師も、それを手伝う侍女もうっかりよろめいてしまい――事態はややこしくねじれ、誰が誰をだましているのかわからないまま二転三転するサスペンスが展開してゆきます。

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監督のパク・チャヌクは日本のマンガ原作の映画『オールドボーイ』で世界に大衝撃を与えた人。『お嬢さん』で描かれる日本を「間違いだらけ!」と言う人もいるでしょうが、そんな人が日本を知らないはずはなく、これは監督の狙いでしょう。むしろこうしたアブノーマルな世界を「完全な別世界」として成立させるために、正確な描写よりも耽美で妖艶で過剰な世界を作ったんじゃないかなーと思います。そして見終わってみれば、これは完全な女性映画。意外とスカッとする、と評判です。
『お嬢さん』絶賛公開中!

文/渥美志保

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