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女優・知英が憧れた女性像「自分の正義のために必死で戦う女性の強さ」 [FRaU]

2018年11月07日(水) 16時40分配信

Photo:Aya Kishimoto

日本、韓国、アメリカ、フィリピン、タイ、ミャンマー、デンマーク……。出演した俳優の国籍だけでも7ヵ国と、『殺(や)る女』は、非常に国際色豊かな映画である。2014年に日本を拠点に女優としての活動を本格的にスタートさせた知英さんは、この作品で、運命に翻弄される殺し屋・愛子を演じた。
人の心の痛みを想像してみる―― そうすると常に新しい発見があります

Photo:Aya Kishimoto

人の心の痛みを想像してみる―― そうすると常に新しい発見があります

――本格的なアクション映画は、これが初挑戦だそうですね。アクション映画とは言っても、取っ組み合いとか殴り合いのような動きがあるわけではなく、愛子の武器は銃です。映画を拝見して、知英さんの “目のアクション” が一番の見所だなと思いました。台詞も少ないのですが、その静かな表情の変化に引き込まれました。もちろん銃を持っている姿も様になっていました。

知英:ありがとうございます。そうなんです。アクション映画とはいえ、私はスナイパーの役なので、事前に身体を鍛えるとか、武闘の技を身につけるとか、そういう準備は必要なかったんです。

でも、ただのスナイパーではなく、“失敗しない” スナイパーであることがポイントで、目の演技も大事でしたし、100%ミスはしないその自信とか凄みみたいなものを、銃を構えたときとか、表情で伝えたりすることが難しかったです。

――事前に銃の扱いについて、指導は受けたんですか?

知英:はい。でも、ダンスや殺陣と違って毎日お稽古するようなことではないので、指導の方に現場に来ていただいて、リハーサルのときにアドバイスしていただくことが多かったです。よく注意されたのが、「肩が上がってるよ!」ってこと。本物の銃ってすごく重いので、姿勢が悪いと様にならない。

撮影で使った銃は、本物の銃と同じ重さだったので、撮影が終わるたびに腕の筋肉痛がひどくて。思いもかけないところで肉体が悲鳴をあげていました(笑)。それが、すごく勉強になりました。

――愛子は、目の前で両親を殺され、その現場にいた腕にサソリがある男を捜して復讐するために “殺し屋” になりました。ダークな役ですが、演じていていかがでしたか?

知英:ずっとアクション映画がやってみたくて、レッスンにも通っていましたし、事務所の人にも、「アクションがやりたい!」って言い続けてきたので、このお話を頂けたときは嬉しかったです。「やった!」って、心の中でガッツポーズしていました(笑)。

本格的なアクションは初挑戦ですが、実は、“殺し屋” の役は、映画の「暗殺教室」で経験済みなんです。ただ、「暗殺教室」の役はコメディの要素が強かったですし、シリアスで腕がある殺し屋はやったことがなかったので、新しい役に出会えたなと思いました。

 

Photo:Aya Kishimoto

――台本を読んだ時点では、“復讐するために殺し屋に” という愛子の心情は理解できましたか?

知英:理解できたかどうかはわかりませんが、愛子の気持ちについては、たくさんたくさん想像しました。自分が、目の前で両親が殺されたらどう思うだろうとか。そもそも、現実にはありえない話じゃないですか、“職業・殺し屋” って。

でも、そのありえない状況も、想像してみる。人の心の痛みを想像することで、自分に対しても、人間の孤独や哀しみに関しても発見があった気がします。

――自分に対しての一番の発見は?

知英:自分の正義のために戦っている女性を、私は本当に好きなんだってことを再確認しました。今回の撮影でも、自分の中の弱さも含め、さまざまなものと戦っているときの愛子の佇まいやシルエット、フォルムに、すごく惹かれました。

――それは何だか意外です。

知英:スナイパーとはいえ、敵を暗殺するときにはそれぞれ葛藤があったと思うんです。ただ銃を持ってカッコいいだけじゃなく、人間としての深い哀しみが漂っているように見える。肉体的には強く見えないのに、精神的にはものすごく強い。その意外性に惹かれているのかもしれません。

――たしかに。こういう現実にはありえない設定の場合、観る側もイマジネーションを刺激されますからね。私も映画を観ながら、同性同士、愛子に共感できるところを探していた自分がいました。ところで、英語の台詞もありましたが、この4年間で、日本語も、めきめき上手になって。

知英:ありがとうございます。いろんな国で活躍していきたいので、今は中国語も勉強しています。私は韓国出身だけれど、日本語をマスターしたら日本人の役もいただけるようになったので、これからはできれば、アジア人女優として、もっといろんな国に出て行ってお仕事ができたらいいなと思います。

――この4年間で一番変化したところは?

知英:やっぱり日本語ですね。日本語は、自分の中ではかなり上達したと思います。ただ、日常会話に困らなくても、まだ読めない漢字もたくさんありますし、知っている言葉でも、台詞として言うとなると、すごくハードルが上がります。台詞ではなく、ちゃんとその言葉に実感を込めなければいけないからです。

――では、台詞が少ない愛子の役は演じやすかった?

知英:それがそうでもなかったです(笑)。愛子の部屋のシーンは一人芝居だったんですが、そこで愛子の心情を表情や動きで表現しなきゃならなくて……。

復讐に燃えているけれど、両親が殺される前は、両親からはたっぷり愛情を受けて育っているわけだし、愛情を与えることも出来る人なんだってことを、一人芝居の中で表現しなきゃならないので必死でした。

愛子が愛情深い人であることを象徴していたのが、鳥を飼っていることで。一人のときは話しかけてるんだろうなとか、そんなことを想像しながら演じていたんです。できるだけ、観る人が愛子の心情を想像しやすいように。

 

PROFILE

知英 Jiyoung
1994年生まれ。韓国出身。KARAの元メンバー。2014年より、日本を中心にアジア各国で女優活動をスタートさせる。同年、ドラマ「地獄先生ぬ〜べ〜」でヒロインゆきめ役に抜擢され、「民王」(2015年)「ヒガンバナ〜警視庁捜査七課〜」(2016年)など話題作に多数出演。2016年には、アーティスト「JY」としてデビュー。ドラマ「オーファン・ブラック〜七つの遺伝子〜」(2017年)では連続ドラマ初主演を務め、一人7役を演じ切る。劇場長編映画初主演作『レオン』、主演映画『私の人生なのに』に続き、本作が最新主演作となる。
INFORMATION

Photo:Aya Kishimoto

INFORMATION

幼い頃、目の前で家族の命を奪われた愛子(知英)は、両親を殺害した腕にサソリのタトゥーがある男を探すために殺し屋になった。孤児院育ちの看護婦・加賀由乃(武田梨奈)と、その兄で元暴力団の加賀俊介(駿河太郎)は、ある日仲間にはめられ、とんでもない事件へと堕ちてゆく。その事件をきっかけに、愛子は幼き日の自分によく似た加賀の娘・カナと出会い、運命を狂わせてゆく。

監督・脚本は、アメリカ・ロサンゼルスにて開催されている「Japan Film Festival LA 2015」で『夢二 愛のとばしり』が最優秀作品賞を受賞し、世界的評価を得ている宮野ケイジ。富山国際ファンタスティック映画祭2018正式出品作品。

監督・脚本:宮野ケイジ
出演:知英、武田梨奈、駿河太郎、篠原篤
配給:プレシディオ
C2018「殺る女」制作委員会

2018年 10月27日(土)、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー。

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