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【がん治療Q&A】妹がステージ4の胃がんと診断。セカンドオピニオンを受けさせるべきか…… [mi-mollet]

2018年10月21日(日) 14時10分配信

まさこちゃんさんからの質問



Q. ステージ4の胃がんの妹。
セカンドオピニオンを受けさせるべきか悩んでいます。 



妹がステージ4の胃がんと診断されました。外科的な手術はできず、抗がん剤投与で治療となりました。明日2度目の投与です。ところが、かかりつけの歯科医にセカンドオピニオンの必要性を聞き、これでいいのが不安になりました。歯科医ご夫妻はお二人とも脳腫瘍を経験されていて、そのときにセカンドオピニオンの必要性を感じたそうです。このまま主治医の指示通りに治療したのでいいのか、他の意見も聞くべきなのか。妹は「また検査を受けると思うとそれも辛い」と言います。どうしたらいいのでしょう。(63歳)

特別ゲスト 樋野興夫先生の回答



A. 大事なのは、患者さん自身が納得のいくように行動することです。



セカンドオピニオンを受ける人は、昨今は増えてきています。昔はセカンドオピニオンを受けるためには、ファーストオピニオンの医師の紹介状が必要でした。そのため、「紹介状を書いてほしいと伝えると、信頼してないと思われるんじゃないか。見放されるんじゃないか」と、医師との関係性を気にしてしまい頼むことができない、そういう患者さんが多かったものです。本当は、紹介状がいるいらないに関わらず、「どうぞセカンドオピニオンを受けられてください」という社会にならないといけないのですが……。一番困っているのは患者さんです。そして一番困っている人を優先するというのは、当たり前のことなのですから。

今は紹介状がなくてもセカンドオピニオンを受けられるようになった、とお伝えしましたが、そうなると、訪れた病院でまた一から検査を受けなければなりません。しかしファーストオピニオンの医師が紹介状と検査データを患者に渡してくれれば、再度検査を受ける必要はありません。まさこちゃんさんの妹さんは、再度検査を受けるのが嫌でセカンドオピニオンをためらっているとのことですから、ぜひ今の担当医師にデータをもらわれてください。もしもそれで嫌がるような医師でしたら、新たな医師に変えてしまっても良いと思いますよ。

セカンドオピニオンを受けた結果、それが自分のためになったかどうかは分かりません。がんには標準治療というものがあって、どのような治療法をとるかはどこの病院でも大抵同じです。ですから大切なのは、患者さん自身が納得がいくことなのです。後悔をしないためにも、セカンドオピニオンを受けられるのは大事だと思います。

セカンドオピニオンを受けた結果、もとの医師のもとに帰る人もいれば、帰りたくないという人もいますし、はたまた「帰ってくるな」という態度をとる医師もいます。これが大きな問題なのですが……。医師はまだまだ馬の上から花を見ているのですよ。大変残念なことに、「医療維新はまだ来らず」です。

いずれにしても、先にお伝えしましたように、標準治療というのはどこもほぼ同じですから、紹介状を書くのを渋ったり、セカンドオピニオンを受けたからといって機嫌が悪くなったりするような医師のもとに無理にい続ける必要はありません。セカンドオピニオンに限らず、納得がいかなければサードオピニオンも受けて、後悔のない選択をされてほしいと思います。

PROFILE

樋野 興夫(ひの おきお)1954年、島根県生まれ。医学博士。順天堂大学医学部病理・腫瘍学講座教授。一般社団法人がん哲学外来理事長。医療現場と患者の間にある「隙間」を埋めるべく、全国各地で講演をおこなうなど精力的に活動している。著書は『がんばりすぎない、悲しみすぎない。「がん患者の家族」のための言葉の処方箋』(講談社)、『がん哲学外来へようこそ』(新潮新書)など多数。

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