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【母とヨーロッパ親子旅】決める時間も一興。高齢母との旅の目的地はこう選ぶ [mi-mollet]

2018年10月20日(土) 20時10分配信

【母とヨーロッパへ行く】最終回 さて、どこへ旅しよう? ―――旅の目的地問題

この秋の旅では、「トラべロコ」という現地の日本人が案内などをしてくれるサービスをストラスブール(フランス)からのミニトリップでお願いしてみました。日本人というだけで母が俄然おしゃべりに(笑)。そして写真を気軽に撮ってもらえるのはありがたい。

【母とヨーロッパへ行く】最終回 さて、どこへ旅しよう? ―――旅の目的地問題

ミモレ読者のみなさん、こんにちは!
ドイツ旅で久々に硬水にやられ、髪ぱさぱさ、目のまわりシワシワの太田でございます〜(ヨーロッパに旅する場合にはシートマスクと保湿クリームをお忘れなくですね!)。

さて、旅の一番楽しい瞬間っていつでしょう? 実際に旅をしている時はもちろんですが、目的地をどこにするか考えを巡らせている時もそれに匹敵するくらい楽しい時間ですよね。
私たちの母娘旅ではこの目的地を決める時間をとっても長くとります。だって楽しいんですもの! 航空券は約8か月くらい前に予約します(秋に旅することが多いので、2月くらいに)。つまりは、その前の年の旅から戻ってからだいたい3ヶ月間ほど「あーでもない、こーでもない」と次の行先決めをウキウキと楽しみます。

ドラマなどで、漂ってくるうなぎの匂いだけでご飯を食べられる、なんていうシーンがあるじゃないですか。あれです、あれ(笑)。その楽しみ方、感覚としては非常に似ています(←わかりづらい?)。つまりは想像力。この想像力を生かして何度も旅に出かけるのが計画段階です。ウェブや旅本を眺めながら、ここまでバスで行って、そこから車を借りて、なんて考えているうちにそこにいる自分が想像できて、まさに“脳内ヨーロッパ一周”です。

そもそも旅本は大好きでつい買ってしまうのですが、これらとBSテレビの旅番組を見ながら次の旅の行先を考えることが多いです。『旅に出たくなる地図』はサイズも文字も大きく、ひと目で全体像が把握できるのが便利。PC画面より断然わかりやすい(と思うのは年のせい?)

いよいよ決める段階となって、お互いに行きたい場所を持ちあったとき、私たちは『旅に出たくなる地図』(JTB出版)という、地図以外にもいろんな旅情報が載っている地図帳を広げます。これは、ふたりともそれぞれ持っていて、いつでも眺められるようにしているまさに座右の書。シチリア島、バスク地方、トリエステ、アルザスの村々、ハイデルベルク……と行きたい場所を片っ端からあげていって、地図上で確かめます。そこで大体の場所が出揃ったら、次は私の仕事となります。ネットや本で、その場所が高齢者と一緒の個人旅行にふさわしい場所かどうか調べていきます。

そのチェックをする際には大きく3つ、大切なことがあります。
一番最初にチェックするのはそこまでの所要時間。乗り替えを含めて15時間以内でいけるかどうか。そのくらいが母にとっては疲れることなく行ける限界ではないかと思っています。あまりにも時間がかかる場所は、どんなに素敵でもすっぱり諦めます。ここで候補はだいぶ減りますね。

 

クルーズ

ふたつ目は、どの街に滞在するか、母の脚で疲れずに回れる街かどうかです。都会でなければ、メインストリートが1.5~2キロくらい、端から端まで普通に歩いて20~30分の街や村が母世代にはちょうどいい気がしています。例えば、今年の目的地としたドイツのハイデルベルク。旧市街地のはずれに3泊したのですがこの町もとてもよかった。ホテルでタクシーを呼んでもらって、目的の場所までまずはタクシーで行ってしまう(旧市街地は小さいので大した料金にもなりません)。そして、その場所を楽しんだ後、お店をひやかしたりお茶をしたり、休みを挟みながらゆっくり2時間くらいかけてホテルに戻ってきました。最終日はライン川の支流であるネッカー川を、ソーセージをつまみながら3時間クルーズ。母の体力的にもちょうどよく、優雅で楽しい旅となりました。

クルーズにて

今年はドイツをメインに旅しました。その中でクルーズを2回も体験。クルーズって体力も使わず(船に乗っているだけですからね。笑)、しかも景色を優雅に楽しめるとあって満足度も高く、母世代にはとてもいい旅のオプションだなあと思いました。ちなみに上記写真のネッカー川クルーズは3時間で17ユーロ。悪くないですよね。

今回の旅ではバスをフル活用。フランクフルト空港→ストラスブール→ハイデルベルグ→空港。行きたい場所との相性にもよりますが、トランクを抱えて鉄道の駅構内を移動するより、バスのターミナルのほうが移動距離が短く、楽かもしれません。

そして3つめに大切なことは、その場所の治安です。ネットでよく調べることも重要ですが、コツは評判のよいホテルを選ぶこと。どの街にも治安が不安な場所はありますが、いいホテルがあるところはその地区、または街自体の治安がよい可能性が非常に高いです。

そもそも行ってみたい! と思っている場所ですから、さらにこの3つをチェックできたら、高齢者にとって基本的に心地いい旅になると思います。このあと、いよいよ日程を確定して、飛行機の予約をします。ここまできたら一安心。あとはゆっくりと現地での計画を具体的に考え始めます。ボン・ヴォヤージュ〜

今回の旅ではバスをフル活用。フランクフルト空港→ストラスブール→ハイデルベルグ→空港。行きたい場所との相性にもよりますが、トランクを抱えて鉄道の駅構内を移動するより、バスのターミナルのほうが移動距離が短く、楽かもしれません。
みなさんから温かいメッセージを頂いたり楽しみにして頂いたりして、いっぱい励まされてなんとか16回までたどり着きました。今のご自分の環境やお母さまとの関係なども教えてくださって、お会いしたことはなくても、皆さんがお母さまと旅をしている様子を思い浮かべながら楽しく書くことができました。ありがとうございました!

今回で、ミモレでのこの連載「母とヨーロッパに行く」は終わりますが、11月22日に私の旅のメソッドをまとめた本が出版されることになりました。ぜひお手にとっていただけましたら幸いです。
では、皆さん、またお会いしましょう!

太田 篤子

著者PROFILE 太田 篤子Atsuko Ota
大学卒業後、大手百貨店で美術オークションの仕事に就く。24歳でレーサーの太田哲也氏と結婚して退職。夫がレース中の事故で重傷を負い、3年間看病にあたる。その後、夫の立ち上げたモーターブランドの会社でともに働くことに。2人の子どもが手を離れ、母を連れて旅行に行くうち、年配の親を連れての海外旅のノウハウを得る。特にヨーロッパのクルマ旅が得意。

『母とヨーロッパへ行く 母+娘=100歳~の旅』

『母とヨーロッパへ行く 母+娘=100歳~の旅』
著者  太田 篤子 11月22日発売 講談社刊 1400円 ISBN978-4-06513-079-7

高齢の母とストレスなく、コスパよく、母も自分も楽しい旅にするには? 飛行機やホテル予約のポイント、ちょうどいいファッション、体調管理のための持ちもの、予定の立て方―――また行きたくなる旅プランと安心に旅するコツもご紹介します。

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