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ワインジャーナリストが伝授!自分好みのワインを見つける方法 [おとなスタイル]

2017年11月25日(土) 10時00分配信

意外と知らないワイン、シャンパーニュの世界

飲むのは好きだけれど、レストランのワインリストを見ても選べないし、産地やブドウの品種、テロワールなどのキーワードはなかなか覚えられない。
ありがちなお悩みを一挙解決する知恵の数々を、これまで500軒以上のワイナリーを訪問したワイン・ジャーナリストの浮田泰幸さんが伝授します。
浮田さん曰く「難しく考えなくて大丈夫! ワインには“ おいしいワイン”と“ おいしくないワイン”の2種類しかありません!」とのこと。
自分の味覚、好みを大切にして、アドバイスを参考にすれば楽しく選んで、おいしく飲めるワイン・ライフが待っています。
Q.自分好みのワインを見つけるには?

イラスト/カワナカユカリ

Q.自分好みのワインを見つけるには?

A.伝統の旧世界産、革新の新世界産を飲み比べてみて


ワイン造りが始まったのは黒海周辺のジョージア(グルジア)あたりだと言われています。それがエジプト、ギリシャを経て、現在のヨーロッパ諸国に伝えられました。フランス、イタリア、スペイン、ドイツあたりはワインにおける「旧世界」。それに対して、アメリカ、チリ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ共和国など、比較的ワイン造りの歴史が浅い国々は「ニューワールド(新世界)」と呼ばれています。一般的に旧世界のワインは土地の特徴を映して神秘的。ニューワールドのワインは果実味に富み、開放的で親しみやすい。実験的な造りにトライする造り手が多いのもニューワールドの特徴です。ただし、ここ10~20年の間に新旧の垣根はなくなりつつあって、ドイツの若手醸造家の多くがオーストラリアに研修に行ったり、スペインでも従来の造りとは異なる(あるいはあえて大昔の醸造方法に回帰するような)アプローチで高品質のワインを生み出す造り手が登場しています。まずは、赤でも白でもいいので、同じ品種、同じ価格帯で旧世界産とニューワールド産を1本ずつ買って飲み比べてみると、国による味の特徴がつかみやすくなるでしょう。新旧いずれかの担当を決めてそれぞれがワインを持ち寄り、ゲーム感覚で飲み比べれば、親しい人とのワイン会も楽しくなりますよ。

Q.日本ワインはおいしいですか?

A.国際的な賞を取る逸品も増え、実力をつけています


ここ数年、日本ワインの評価が世界的に高まっています。まず「国産ワイン」と「日本ワイン」の違いに注意を。
「国産ワイン」は外国産のブドウ果汁やワインを使っても、日本で瓶詰めすれば使うことができる名称。それに対して、国内で栽培されたブドウを100%使い、国内で醸造したものだけが「日本ワイン」と呼べます。
現在国内のワイナリーは200軒以上。ワイン特区の制度の導入などの影響で、その数はますます増加しています。主な産地は北海道、山梨、長野、山形。最近注目を集めているのは新潟、富山など。品種では、メルロー、ピノノワールやシャルドネといった国際品種に加え、甲州(白)、マスカット・ベーリーA(赤)といった日本独自の品種から高品質なワインが生まれています。日本は一年を通して雨が多く、昼夜の温度差も小さいことから、穏やかな味わいのワインができます。しょうゆをつかった料理など、日本の食事に合うのもポイントです。難点は、小規模生産者が多く、人気銘柄の多くが入手困難であること。日本ワインを売りにしているワインバーなどで試して、気に入ったものはネットで買うのがいいでしょう。
Q.スパークリングをプレゼントするなら?

スパークリングの種類はPOPで確認を。  イラスト/カワナカユカリ

Q.スパークリングをプレゼントするなら?

A.「RM」か「ノン・ドザージュ」のシャンパーニュがおすすめ

泡=高級というイメージがあるかもしれませんが、安心価格でデイリーに楽しめるものもあります。シャンパーニュについてはまず、「NM(ネゴシアン・マニピュラン)」と「RM(レコルタン・マニピュラン)」という2タイプを表す言葉を覚えてください。
NMは主に大手メーカー(メゾン)が、多数の栽培農家からブドウを買い付けて生産するもの。メゾンごとのスタイルがあり、品質は常に安定しています。一方、RMはブドウ農家が自社畑で栽培したブドウのみを使って自ら醸造、瓶詰めまで行うもの。RMは小規模生産者である場合が多く、個性派揃い。人気が出ると高額になるものもありますが、5000円前後からよいものが手に入ります。また世界的な泡の傾向として、糖分添加を行わない自然な甘みが特徴のスタイルが流行中。
「ノン・ドザージュ」「ドザージュ・ゼロ」「パドゼ」「ブリュット・ナチュール」という言葉を覚えておくといいでしょう(いずれも意味は同じで、糖分無添加)。ワインに詳しい人への贈り物は「RM」か「ノン・ドザージュ」のシャンパーニュにすると、喜ばれます。そして、おいしいスパークリングはシャンパーニュ以外にも。フランスではブルゴーニュやアルザスの「クレマン」、イタリアの「フランチャコルタ」や「プロセッコ」、スペインの「カバ」を覚えましょう。
それから泡の場合、いったん栓を抜くとその場で飲みきってしまわなければならないと思っている人も多いようですが、そんなことはありません。スパークリング用のキャップで閉じて冷蔵庫に入れておけば、3~4日間はシュワシュワ感もそのままにおいしく楽しめます。ものによっては開けたてよりも翌日のほうがおいしくなることもあるので、無理に飲みきるのはかえって損かも?
■Profile
浮田泰幸さん(ワイン・ジャーナリスト)
うきたやすゆき/広く世界のワイン産地をめぐり、ライフスタイル誌、ワイン専門誌、ウェブサイト等に寄稿。「日々の暮らしにもっとワインを!」がモットー。

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