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今、話題の『朝座禅』人気の秘密に迫る! [おとなスタイル]

2017年06月05日(月) 10時00分配信

朝座禅とは?

多忙な毎日を過ごすビジネスパーソンの間で今、坐禅が人気を集めている。
究極のコーピングと言われる坐禅。
果たして本当にストレスを解放してくれるのか?
その真偽を探るために、話題の朝坐禅を初体験してみることに―。
「坐禅は心を落ち着かせる」は本当か?

“考えること”を休憩して見えたもの、わかったこと

「坐禅は心を落ち着かせる」は本当か?

このところ、世界的に話題を集めている坐禅。IT企業でも、研修プログラムとして取り入れているという。さらに、出社前に立ち寄る“朝活禅”も予約があっという間に埋まるほど人気だ。なぜ今、人は坐禅を求めるのか?
日々邪念ばかりの心にも変化が起こるのか? 全くの坐禅ビギナーが初めての朝坐禅に挑戦してみることにした。

訪れたのは、都心のホテル内にある坐禅道場。開始時間は朝7時。6時半の開場時間には、早朝にもかかわらず、次々と人が訪れる。OL風の人もいれば、IT企業風の若いビジネスマン、通い慣れた感じの初老の男性など、参加者の年齢や職業はさまざまだ。

「会社の研修で、坐禅を初めて体験しました。そのとき頭がすっきりした感じが忘れられず、最近になってまた始めてみたんです。坐禅は環境も大事だと思うので、会社も近いし、ここに通うようになりました」(50代・会社員)

参加者の多くは、坐禅を組むことで、頭がクリアになる、ストレスから解放される感覚がある、と口々に話す。足を組み、坐っているだけでなぜ、そういう感覚になるのだろうか。

「坐禅は、姿勢を正して呼吸を調えることだけに意識を向けます。その結果、心が調い、余計なことが気にならなくなるのです」

と話すのは、僧侶の関水博道さん。

これがよく聞く“邪念を払う”“無になる”ということなのだろうか。坐禅中、お腹が鳴ったらどうしたらいい? じっと座るだけ、は退屈ではないのだろうか。不安がよぎるものの、まずは実践。作法に倣(なら)って、足を組んでみた。

呼吸だけにひたすら意識を 向けると、次々浮かぶ雑念が 不思議と消えていった!

坐禅の姿勢は予想に反してつらくなく、背筋が伸びて気持ちいい。関水さんの説明に従って呼吸を調え、さあいよいよ坐禅に集中しよう! そう思った途端、いろいろな考えが一気に頭の中を巡りだした。午後のスケジュール、明日の会議、隣の人はどうなんだろう? そんなことまで気になる始末。
集中集中、そう思い直したものの、今度は「何分経ったのだろう」と時間が気になってしまった。が、これは初めての人にはよくあることで、回数を重ねるうちに不思議と考えなくなるのだという。確かに集中しているうちに、途中から時間の観念がなくなって、いつしか20分。
静かに終了の鐘が鳴っていた。
立ち上がると、あれ? 体が軽い。いつも張り詰めていた首筋から肩にかけての筋肉がほぐれている。不思議な爽快感に包まれ、頭からスッと何かが落ちたような心地よさ、なんとも形容しがたい初めての感覚だ。これが「坐禅の気持ちよさ」なのだろう。

知っておきたい 朝坐禅マメ知識

●そもそも坐禅とは?
坐禅とは「調身・調息・調心」といって、坐って姿勢を正しく調えて(調身)、深く呼吸し(調息)、心を調える(調心)仏教の修行のひとつ。心で心をコントロールするのではなく、身体(姿勢・呼吸)を調えることで「考えない」を実践、心を落ち着かせるというもの。

●なぜ朝にやるの?
朝の時間を無駄にせず、日が昇る前に身体と心を調え、気持ち良く一日を過ごすためといわれる。就寝前の心をクールダウンする、「夜坐」という坐禅もある。

●お腹が鳴ったり、顔がかゆくなったら?
「お腹が空いた」で考えを止めてみる。「終わったら何を食べよう」などと考えを広げないことで、思考のスパイラルから脱出できるように。かゆみは掻いてもOKだが、そこで完結。思い続けないことが大事。

体験したのは
朝活禅/曹洞宗(禅宗)の若手僧侶によって2010年11月から開始された坐禅会。

お話を伺ったのは
関水博道さん/横浜市東泉寺副住職。大本山永平寺で修行の後、駒澤大学大学院修士課程修了。曹洞宗総合研究センターで仏教・禅を伝える研究開発に携わる。

『おとなスタイル』Vol.7 2017春号より
撮影/蝦名まゆこ

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