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【終活Q&A】夫は嫌いでないけれど、できれば実家の両親と同じお墓に入りたい [mi-mollet]

2017年05月15日(月) 11時00分配信

ムーン41さんからの質問
Q. 子供もいないので、できれば自分の両親のお墓に入りたいのですが……

40代半ば、子供はおらず、主人と二人で暮らしています。この先主人とは、生涯一緒に暮らしていくと思います。子供がいれば、自分達のお墓をきちんと作るのでしょうが、私たちの跡に続く人がいないので、普通に考えれば、主人の実家のお墓に入るのだと思います。私は遅くに結婚したので、実家暮らしが長かったせいか両親への思いも強く、自分だけ実家のお墓に入ることができたらいいなと思っているのですが、どう思われますでしょうか? ちなみに主人のことが嫌いとか、そういうことはありません。もしかしたら、この先長く暮らしていくうちに、両親を超えて主人への思いが強くなり、一緒のお墓に入りたいと思うようになるのかもしれません。が、今は自分の実家のお墓に入りたい気持ちの方が、強いです。なかなか、恥ずかしくて他人には相談できないでいました。よろしくお願いします。(45歳)

特別ゲスト 金子稚子さんの回答
A.「ここに入りたい」だけでなく、自分たちの死後どうするか、まで考えて欲しいのです。

自分のご両親のお墓に入りたいのでしたら、そうなさればいいのでは? というのが私の考えです。夫と一緒のお墓に入らないなんて……と気になさる方もいると思いますが、そういう方も普通にいらっしゃいますよ。今は死別後に姻戚関係を法的に解消する「死後離婚」という言葉も出てきたくらい。それに「分骨」というものもありますから、決しておかしなことではありません。お釈迦様だって各地に分骨されていますし、「こうしなければ」という決まりはないもの。ご自身で決められたら良いと思いますよ。

ご実家のお墓はどこに建てられたものなのでしょうか? 例えばご実家がお寺の檀家であれば、お墓の管理はもちろん、自分たちではできない日常的な供養もしてくれます。ちなみにお布施とは、その管理や日常的な供養に対してのお礼のことなんですよ。そういう面を考えると、分骨はお墓が複数になるので管理もお墓参りも大変になりますよね。でも、それは物理的なこと。墓守をしてくれる人たちとの人間関係がきちんとできていれば、大丈夫だと思います。

「親のお墓に入りたい」ということに関してはそれで良いと思うのですが、私はむしろ一番の問題は、ご質問にも書かれているように「私たちの跡に続く人がいない」ということじゃないかと思うのです。つまり、ムーン41さんが亡くなられた後、ご実家の墓守は誰がなさるのでしょうか!? ということです。甥御さんや姪御さんがしてくれるのか、それとももっと縁遠い人にお願いしなければならないのか……。お墓って、自分が「ここに入りたいです!」というだけではなくて、もっと何十年も先のことまで考えなければならないことなのです。とくに40代なら、尚さら自分の死後のことまで気遣えなければなりません……。

ですから是非一度、ご両親ときちんとお話してみてはいかがでしょう? 誰かに墓守を頼めるのか、あるいは墓じまいをするのか。またこれから新しいお墓を買われるのなら、いろいろなプランがありますから、そういったものも調べてみるといいかと思います。たとえば、最後の墓守りが亡くなった何年か後にお骨を然るべきところに埋葬し直しお墓を返せるというプランや、管理者が他の家族親族とまとめて供養する合同供養塔のようなものもあります。ちなみに私は三人きょうだいなのですが、姪が一人いるだけなので、母は「墓じまいしていいわよ」と言っています。それに長男が難色を示していて、今、話し合っているところなのです。

また、お墓を守っていきたいと考えているなら、同時にお寺にも配慮が必要です。今はお寺も跡継ぎがいなかったり、檀家が減ってしまったりと経営難で、檀家制度を維持できなくなっているところが増えています。地方ではご縁が切れて放置されてしまっているお墓が社会問題化しつつあります。ですから親に「お寺にお墓を買いたいわ」と言われても慎重にならなければいけませんし、ご実家が檀家なら、お寺を経営面でも支えていく必要が出てくるかもしれません。

お墓とは誰のためにあるものなのでしょうか? 「自分が入るところ」というだけではありません。お墓とは、自分たちの死後もずっと残るものです。そう考えると、お墓とはご供養したい人の気持ちが集まる場所、とも言えるのではないでしょうか。そういったことも含めて、お墓をどうしたいかということを一度しっかり考えてください。自分たちの死後のことに対してもフワッとした気持ちではいられなくなる。それが、40代でもあると思いますから。
いかがですか?
金子稚子さんの回答、ぜひご参考になさってください。

PROFILE

金子稚子(かねこわかこ)
1967年生まれ。終活ジャーナリスト。終活ナビゲーター。一般社団法人日本医療コーディネーター協会顧問。雑誌、書籍の編集者、広告制作ディレクターの経験を生かし、死の前後に関わるあらゆる情報提供やサポートをおこなう「ライフ・ターミナル・ネットワーク」という活動を創設、代表を務めている。また、医療関係や宗教関係、葬儀関係、生命保険などの各種団体・企業や一般向けにも研修や講演活動もおこなっている。2012年に他界した流通ジャーナリストの金子哲雄氏の妻であり、著書に『金子哲雄の妻の生き方~夫を看取った500日』(小学館文庫)、『死後のプロデュース』(PHP新書)、『アクティブ・エンディング 大人の「終活」新作法』(河出書房新社)など。編集・執筆協力に『大人のおしゃれ手帖特別編集 親の看取り』(宝島社)がある。

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