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女医が実体験で語る、更年期トラブルからの脱却法 [おとなスタイル]

2017年05月15日(月) 09時00分配信

更年期を経験した医師に聞きました。更年期症状4つの解決キーワード

皮膚科医30年以上の臨床医としての豊富な経験を持つまのえいこ先生に経験したからこそ、伝えたい4つの解決キーワードを伺いました。

まのえいこ先生のやっていることリスト

□治療のメインはHRT
□若い頃にやりたかったことをやる
□「ゆとり時間」を確保する
□年に3回の海外旅行
□検診・エステ(肌の手入れ)

01 「できない自分を責めない」、ここが更年期地獄からの脱却ポイント

以前できていたことがなぜできないの? 休日にゴロゴロしているなんて情けない……。更年期の症状に悩む女性の中には、自分を責めてしまう人も多いよう。「加齢と女性ホルモン欠乏の影響で、からだは確実に変化するので、以前と同じようにはできなくて当たり前。それに自分の弱さを知ると、他人にも優しくなれるものです。逆に更年期のつらさを知らない人は、他人にも厳しく接してしまいがちです。そう考えると更年期も悪くないでしょう。できない自分を責めないで。できるだけ今を楽に過ごしましょう」(まのさん)
体調を崩してしまうと、心の元気もなくなります。上手に休養をとりながら、体調を崩さないように暮らすことも大事なことです。

02 効果を実感できないサプリや治療を見直す時期

月10万円の成長ホルモン投与に抗うつ剤、漢方薬……。結局、まのさんをつらい更年期障害から救い出したのは、シンプルに女性ホルモンを補うというHRTでした。
この経験から、まのさんが学んだのは、確かなものは実感があるということ。
「サプリでも薬でも長く飲んでも効果を実感できないなら、効いていないか、そもそも不調がないのかも。更年期はケアや治療を見直すいい機会。効果がないものを漫然と使い続けるよりも、合うものを探して」(まのさん)

話題のナチュラルホルモン治療について

更年期障害の治療の最初の選択肢は、ホルモン補充療法(HRT)であり、保険適用の治療です。一方、性ホルモンをベースにメラトニンや成長ホルモンなどを組み合わせて補充する『ナチュラルホルモン治療』を提供するクリニックも。こちらは、保険適用外で自費となり高額。イメージだけで飛びつかないで。

03 更年期は乾燥との戦い。肌乾燥はスキンケアで9割解消できる

皮膚の水分量や皮脂量がガクンと減るおとな世代。さらに、女性ホルモンは皮膚の潤いやハリの保持にも関係しているので、更年期に肌質が変わり、カサつきやかゆみを感じる人も増加。「でも大丈夫。肌の悩みの多くは普段のケアで解消できます。やさしく洗って汚れを落とした後に、十分な保湿をすることが肌ケアの基本。ゴシゴシ洗ったり、熱いお風呂に長時間入ったりしていると、ボディの乾燥も進みます。洗い方や入浴法を見直しましょう」(まのさん)

おとな世代の肌ケアのコツ

洗うときには“なで洗い”&“ なですすぎ”
肌の潤い成分である皮脂やセラミドを保持するためには、洗い方&すすぎ方をひと工夫。
洗顔料はよく泡立てて、なでるように洗います。すすぐときにもお湯を一気にかけるのではなく、ゆっくりかけ手でやさしくすすぎを。カサついてかゆみもある人は特に徹底して。

肌がかゆくなるほどの長湯はしない
熱い湯は、肌に刺激になる上、必要な皮脂やセラミドまで流れ出てしまい、カサつきやかゆみの原因になります。長湯はせず、体が温まったらあがるようにしましょう。

入浴後は乾燥しやすい部分に保湿剤を
入浴後は、潤いが逃げてしまう前に早めに保湿剤を塗りましょう。手足、脇腹などの乾燥しやすい部分だけでもOK。更年期まっただ中で「何をするにもおっくう」という人は、シンプルケアでいいので、続けることが大事です。

04 ワクワクする時間、ときめく時間が最大のサプリになる

「更年期を経て変化したのは、時間の使い方。重要でないつき合いはやめ、ひとりの時間や少し贅沢する時間を増やしました」(まのさん)。
年に3回は海外旅行へ。50代にしてシュノーケリングにも初挑戦。そうかと思えば、ヨーロッパの古城に泊まり、仏教の書物に没頭した時期も。「若い頃にできなかったことを、今始めています。ワクワクすることや日常とは違う没頭できるもの、自分にとっての心の特効薬を見つけておくといいですね」(まのさん)

これから意識すべきはタンパク質。
栄養の摂り方を間違えないで更年期以降は、エネルギー代謝量が減って太りやすくなります。そのため、野菜中心の食生活に切り替える人も多いようですが、肉や魚、乳製品などの動物性タンパク質を控えすぎるのはよくありません。タンパク質は、筋肉や血管、臓器など、体を作る材料になるだけでなく、睡眠に関わるメラトニンや心の安定に関わるセロトニンなどの神経伝達物質を作るもとになるもの。「ぼんやり」「イライラ」「うつうつ」予防のためにも、バランスよく適量を食べましょう。
■Profile
まのえいこさん
Dr.マノメディカルクリニック院長
皮膚科医30年以上の臨床医としての豊富な経験を持つ、皮膚と美容のエキスパート。皮膚科&美容皮膚科に「女性科」も併設し、更年期の心と体の悩みなどにも対応。

 

 

『おとなスタイル』Vol.6 2017冬号より
イラスト/村田善子

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