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症状が出たら自力改善不可!まぶたがたるむ「眼瞼下垂」の予防と治療法 [おとなスタイル]

2017年02月28日(火) 09時00分配信

症状が出る前にぜひ確認&予防を!

まぶたがたるんで見た目が変わった、モノが見にくくなった、などの症状がある場合は「眼瞼下垂(がんけんかすい)」かもしれません。眼瞼下垂とは、まぶたを持ち上げている“すじ”が弱くなり、まぶたが下がる症状です。見た目の老化だけでなく、視野が狭くなって生活に支障が出る場合も。眼瞼下垂は、保険で治療も可能です!まだ症状がない方も、症状が出てからでは自力での改善が不可能なのでしっかり予防法を確認してみてください。

Q.まだ眼瞼下垂ではありませんが、ならないための予防法はありますか?

A.まぶたや目に強い刺激を与えないことが大切です

有効な予防法のない先天性の眼瞼下垂と違って、加齢性の眼瞼下垂なら症状の進行を防ぐ方法がいくつかあります。

「後天的な眼瞼下垂のほとんどは腱膜に原因があるので、日常生活の中で強い刺激を与えないことが大切です」と大慈弥さん。

下におもな予防法を挙げましたが、それ以外では花粉症やアレルギーで目が痒いときにまぶたをこすらないことも重要。睡眠中などに無意識にこすらないよう、かゆみがある場合は眼科や皮膚科を受診して眼瞼下垂の予防につなげましょう。

眼瞼下垂にならないための生活習慣

アイメイクを落とすときは優しく

まぶたを決して強くこすらないこと。アイメイクリムーバーをコットンに含ませて目元にのせ、3秒置いてからスッとなでるように落としましょう。

 

PCやスマホの画面など集中してものを見る時間を減らす

視神経、目のまわりの筋肉が緊張し続けるのもよくありません。眼科による研究が行われている段階ですが、注意を促す眼科医もいます。

 

つけまつ毛やまつ毛カーラーを使うときはまぶたを引っ張らない

つけまつ毛を取るときにまぶたの際が引っ張られていませんか? 腱膜とくっついている瞼板が外れる可能性があります。引っ張らず手を添えて。

 

ハードコンタクトレンズを見直す

材質が硬いため、レンズの出し入れの際や装着中にまぶたを傷つける可能性があります。ごくわずかでも毎日のこと。ソフトレンズがベターです。

 

まぶたを強くこすらない

まぶたの下には薄い腱膜がありますから、強くこするのは刺激になります。傷つく可能性があります。マッサージも力を入れず優しく行うこと。

Q.眼瞼下垂の症状がはっきり出ています。自力では治せませんか?

A.残念ながら明らかな症状が出ている場合、自力での改善は不可能です

腱膜に原因のある眼瞼下垂の場合、腱膜の組織が自然に回復したり、外れた瞼板とくっつくことはありません」と大慈弥さん。さらに、起きている間中ものを見てまばたきをしているので現状維持も難しく、症状は緩やかに進行=悪化します。
「まぶたに負担をかけない日常生活を続けて進行を遅らせることは大切ですが、我慢し続けて頭痛や肩こりをひどくしないようにしましょう。治療法があるのですから、日常生活に不便を感じたら病院へ相談を」

Q.治療にお金がかかりそうですが……

A.眼瞼下垂と診断されれば保険治療が可能です

まぶたが開きにくく、ものが見えにくいという症状なら“目の機能障害”にあたるので、健康保険の適用になります」と大慈弥さん。
治療法は眼瞼下垂の程度によって多少変わるため、費用は一概には言えません。また、保険治療を行っていない美容クリニックなどでは全額自己負担になります。
いずれにしろ、眼瞼下垂かどうか、進行状態はどの程度か、どんな治療法がふさわしいかなど、的確な診断が必要です。眼瞼下垂の治療実績の多い形成外科か眼科の受診を。納得して治療を始めるため2~3軒を受診してみてもいいでしょう。

Q.眼瞼下垂を疑ったら何科を受診すればいい?

A.眼科でも治療できますが顔の印象にも関わるので形成外科がいいでしょう

日本眼科学会と日本形成外科学会のHPで眼瞼下垂について検索してみると、この症状の捉え方に違いがあることがわかります。両科とも「まぶたを開けやすくする手術」を行いますが、形成外科は「まぶたが開きにくいことによって起こる症状」まで把握し対応します。
眼瞼下垂という症状は、まぶたが下がり、ものの見えにくさのために眉が上がり、目元の印象や顔つきまで変えてしまいます。この、変わってしまった顔つきまで治療できるのが経験豊富な形成外科医です。形成外科は眼科に比べて数が少ないのが現状ですが、機能を回復し、見た目にも満足できる治療を行うなら、形成外科がよいでしょう。

Q.どんな治療法があるんですか?

A.症状や希望の仕上がりに合わせた治療法があります

まぶたを持ち上げるすじが伸びたり外れたりが原因で、まぶたがたるむので、治療は手術となります。現在、形成外科では腱膜を元の位置につないで固定する方法とたるんだ皮膚を切り取る方法が主流です。
「症状に合わせて、伸ばされてたるんだまぶたや、眉下の皮膚も切開して取り除き、左右差がないのはもちろん、年齢に合った、自然ですっきりした目元に仕上げます」と大慈弥さん。
福岡大学形成外科では術後1週間で抜糸、1、3、6、12ヵ月ごとの診察で経過観察をするとのこと。頭痛や肩こりは8~9割の方が改善しているそうです。
自分にどの方法が合うかは、医師としっかり相談を。

症状が軽い人などは……

「眼瞼下垂」の治療法ではありませんがメスを使わない改善方法もあります
「まぶたがたるんできて重く感じるけれど手術するほどではない」という場合“ボトックス注射”で眉山を上げる方法があります。上げるのは不自然でない程度ですが、額への注射で横ジワも防げます。また、まぶたのたるみを折りたたむようにして二重を作って糸で留める“埋没法”はプチ整形の二重まぶたを作る治療法の応用。
ともに原因解決ではない対症療法ですが「見えやすさ」には多少の効果が。どちらの治療も保険適用外です。

 

 

■Profile
福岡大学医学部 形成外科学主任教授
大慈弥(おおじみ)裕之さん
医学博士。日本形成外科学会評議員、日本抗加齢医学会理事。「写真による眼瞼下垂の下垂度評価」や「顔面老化のメカニズムに関する研究」など眼瞼下垂と見た目の老化の研究での学会発表は多数。乳がん手術後の乳房再建、創傷治癒などの研究も。

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