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社会学者 古市憲寿の人生相談「SNSの悩み 結婚した地元の友人を心から祝福できない!」 [with]

2016年12月29日(木) 10時00分配信

歯に衣を着せぬ物言いで話題の古市さんは、社会学者&ニュース番組にも出演する気鋭の論客。大好評につき、今回も迷えるwith読者と直接、対面! ズバッとアドバイスしてもらいます!
SNSの悩み 「結婚した地元の友人を心から祝福できない! 私って器が小さい?」

イラスト/死後くん

SNSの悩み 「結婚した地元の友人を心から祝福できない! 私って器が小さい?」

インスタを見ていると、ここ最近は地元の友人の結婚式の様子ばかり。結婚をすでにしている友人は子供の写真ばかりをアップ。正直、心から祝福できません。器が小さいからこんな気持ちに? (秘書・Jさん・27歳)

回答 そこまでの関係ってこと!

古市(以下・古) Jさん、地元はどこなの?

Jさん(以下・J)愛知の西の外れ、岐阜との県境です。

まあまあ田舎ですね。この悩みを考える上でまず念頭に置きたいのは、日本全体の平均初婚年齢がどんどん上がっているということ。つまり、まず未婚であることに関して悩む必要はないはず。生活の基盤を東京に移してるんだし、まだ27歳でしょ。心から祝福できないんだとしたら、所詮、その程度の人間関係だったってこと。本当に仲がいい子だったら、何歳で結婚しようが祝福できるはずだし。

J   でも、昔からの友達で、思い出はいっぱいあるし......。

確かに小学校や中学校の同級生って、若くて未熟な頃の時間を共有してるよね。だけど、逆に言えば“それだけ“。その後の人生の歩み方で価値観はもちろん、ルールやマナーが違ってくるのは当然。田舎であればあるほど、結婚と子育てが人生の一大イベントになるから、話題や関心ごとがこの手の話に集中するのはしょうがないんです。個人的には、同窓会に参加して昔話をすることほど無駄なことはないと思ってるし(笑)。 僕も地元に帰ると、同級生から「結婚はいつするの?」って聞かれるけど、基本は聞き流してる。生活スタイルが違えば結婚の重要度や時期も変わってくるしね。

J     古市さんもそうだったんですね。なんか安心しました!

「東京」と「田舎」は、そもそも違う国だと思ったほうがいいよ。生活スタイルも違えば、関心ごともぜんぜん違う。例えばギリシャだと、タクシーを捕まえる時、手を広げてしまうと相手への侮辱になるから、 親指だけでタクシーを止めたりする。日本の「田舎」も、ギリシャまでは いかなくても、違う常識が支配する場所と考えたほうがいいかもね。

J    そう考えると、普段抱えてる悩みを聞いてもらって、共有するなんて、なおさらムリですね。

  もしどうしても「自分の器が小さい」って思ってしまうなら、そもそも地元の友人のインスタをフォローするの、止めればいいんじゃない? 交流も多いわけじゃないし勇気を振りしぼって。差し障りがあるというのなら、結婚式の多い週末だけインスタやFacebooKを見ないってルールを作っちゃうのも手だよ。

J   それならできるかも!

今の代は4人に1人が結婚しなくなると言われている。だから大事なのは、自分にとって何が「幸せ」かの価値基準をしっかりと持つこと。その上で、選ばなかった人生はどうせ想像しかできないんだから、ないものねだりをしないこと。結婚するかしないかは、東京で生きる以上、大した問題じゃないよ。

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