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アンミカさんの「悩んだときの羅針盤」とは? [mi-mollet]

2016年12月11日(日) 18時00分配信

撮影/目黒智子

自分に何かが足りないという気持ちになることはありません

存在自体がパワースポットともいえるような、朗らかなエネルギーに満ちあふれているアンミカさん。モデル、タレントとして活躍し、『幸せの選択力』などのエッセイでは多くの迷える女性たちの背中を押してくれるメッセージを発信しています。「自分で言うのも何ですが、毎日こんなにハッピーでいいのかな? というくらい幸せです」と笑顔を弾けさせるアンミカさんの原点は、生まれ育った家庭環境。韓国出身の両親のもと極貧生活を送っていたエピソードを、バラエティ番組などで耳にしたことがある人も多いかもしれません。

「両親と兄弟姉妹の7人が四畳半のアパートにひしめきあっていました。でも恥ずかしさや辛い記憶がまったくないから、テレビでもあの頃の話をしゃべれるんですよね(笑)。両親が教会に通っていたので家のなかにはいつも歌と音楽があふれていて、狭いからみんなの体が密に触れあっていた。近所の方たちや親戚の愛情にも恵まれて、心は貧しくなかったんです。今はSNSが発達して、みんなのいい景色しか目に入ってこないでしょう? でも私にはそういうベースがあるので、自分に何かが足りないという気持ちになることはありません」

撮影/目黒智子

自分に“ないもの”ではなく、“あるもの”を数える

自分に“ないもの”ではなく、“あるもの”を数え、すべてのことに感謝する生き方は、「いつも私のなかにあるPRAY(祈り)に支えられている」と語ります。
「それは宗教ではなく、“畏れ”の感覚に近いものだと思います。晴れていたら空気が気持ちいいことに感謝するし、天気がよくない日には恵みの雨なんだな、と思う。幼少期から色々なものがないなかで生きてきて、両親も早くに亡くしました。だから、今あるものがとてもありがたく感じるんです。“ありがたい”って“有ることが難しい”と書きますよね。本当にその字の通りだと思います」

15歳のときに他界した母に薦められたモデルの道に進んだものの、数えきれないほどのオーディションに落選し、キャリアのスタートは順風満帆とはいえないものでした。「一流になるまで家に戻るな」という父からの言葉を胸に地道な努力と挑戦を重ね、20代でパリコレに参加。拠点を日本に戻してからは、オファーを受けてタレントとしての活動もはじめます。
「大阪ではタレントとして、東京ではモデルとしてコレクションやたくさんのCMに出演していました。とてもいいバランスでお仕事をさせていただいていた時期だと思います。売れない時代が長く、やっと軌道に乗ったのが29歳の頃なんです」

撮影/目黒智子

“やらなかった後悔”は妬みや言い訳につながる

人生ではじめて手に入れた、安定した暮らし。けれどもアンミカさんのなかでは、少しずつ「ステップアップを目指さずに、このまま安定した毎日に執着していていいの?」という迷いが芽生えてきたといいます。その頃、両親のお墓を作るために訪れたのが、韓国の済州島でした。
「幼い頃に住んでいたとはいえ、韓国語はすっかり忘れていて、親戚ともうまくコミュニケーションがとれませんでした。ちゃんと言葉を学んで、自分のルーツをもっと詳しく知りたい。それがこれからの人生に必要なことだと思った私は、韓国への留学を考えはじめたんです。けれども時代は、2002年のワールドカップや韓流ブームが訪れる前のこと。周りの人たちにはなぜ今、韓国に留学するの? と理解してもらえず悔しい思いもしましたし、今の生活を手放す勇気もなかなか持てずにいました」

迷いながらも留学を決意したきっかけは、ある芸能界の先輩からの言葉でした。
「挑戦せずに後悔すると、同じ挑戦をして成功した人に出会ったときに、心から喜べなくなるよ、という言葉をくださったんです。“やった後悔”で得た痛みは、同じような苦労をした人を認められる素直さにつながる。でも“やらなかった後悔”は妬みや言い訳につながるよ、って。そのアドバイスが私に勇気をくれました」

韓国への留学では語学の習得はもちろん、人生の選択を見直すヒントをくれた友人たちとの出会いも大きな財産になったと語ります。
「韓国には兵役がありますよね。だから自分の命をどう使って社会に活かしていけるのか、意識的に考えている人が多いのだと思います。留学から帰って日本で何をするのかと聞かれ、またモデルに戻ると伝えたら、“ここで得たものを活かしていかないと意味がないと思う”といわれたことも。その言葉で意識がまた変わりましたし、自分の選択に責任を持って進んでいこうという気持ちをあらためて強くしたんです」
本気で頑張ろうと思ったら、条件は意外と何とかなるもの

仕事、結婚、出産、すべての局面において多くの選択肢がある時代だからこそ、惑ってしまう。悩んだときの羅針盤は「ワクワクする気持ち!」。
「日本は真面目な方が多いですし、我慢してこそ幸せが訪れるという考えも根深いですよね。でもしなくていい苦労や我慢は、しなくていい(笑)。その人がワクワクすることを選んでいけば、きっと幸せになれると思うんです。安定はしているけれどワクワクがなくて、感じているのは執着や保身だけ。未知の世界に行くには切り捨てなきゃいけないこともあるけれど、胸のなかにはワクワクがある。それならばやっぱり、ワクワクする方を選びたいなと私は思うんです。本気で頑張ろうと思ったときって意外と条件は何とかなるものだし、手を差し伸べてくれる人も現れる。自分の可能性に気づいていない人も多いから、気力も体力もある30代、40代のときに、枠を決めつけずに広げていくことが大切だと思います」

 

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