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ツイッターで若者とつながる81歳、ミゾイキクコさんの魂の若さの秘訣 [おとなスタイル]

2016年07月01日(金) 09時00分配信

趣味だけじゃだめ。得するからやるんです

「自分は自分、他人は他人。自分の頭で考えて、自分の言葉でものを言う」(溝井さん)  撮影/伊原美代子

趣味だけじゃだめ。得するからやるんです

主婦業の傍ら、趣味をたくさん持ってきたという。茶道、料理、和裁、盆栽、三味線、カメラ……。

「50代は特に習い事をいっぱいやっていたんです。あの頃が一番充実していた感じがする。子育てが終わって、自分の時間ができたし、体力もまだまだありましたし」

地域のカルチャー教室に通って、そこで出会った仲間とクラブを作り、長く続けるのが溝井さん流。茶道や太極拳など、いくつかのクラブには今も参加している。

個人で楽しむ趣味も持つ。そのひとつが株取引。

64歳でパソコンを始めたのも、株のデータ管理のために、表計算ソフトのエクセルを使いだしたのがきっかけだ。パソコンの扱いに慣れると、2001年には自身のホームページを開設。続いて’06年にブログを、’10年にツイッターを始めた。

「すべて独学です。雑誌も参考にしますが、何しろ、いじっちゃわないとダメなのね、こういうのは。パソコンでもタブレットでも、文字の打ち方や機能を一からちゃんと覚えて……とやっていると嫌になる。触れているうちに、だんだん覚えていくんです」

ただし、パソコンを使う“目的”がなければ、やってもつまらないと溝井さんは考える。

「ツイッターにしても、書きたいことがあるから書くんですよね。それに私には料理や写真の趣味があったから、毎日の食事の画像をツイッターにアップして、それを見た若い人から、作り方を教えてほしいと言われたりするわけです」

自分に何もなければ、ウェブの世界も狭いところにとどまる。興味の向かう先がたくさんあったから、ウェブやツイッターで、彼女の世界はいっそう広がっていったのだ。

「やっぱりね、歳をとっても、単なる“趣味”だけじゃもたないのよね。発言ができたり、興味のある分野の情報が集まったり、株の取引でお金になったり、ネットで安いものを買って節約できたりね。得するところがあるから、やっていて面白いんですよ」
ひとりで家にいてもまったく退屈しない

パソコン雑誌の力も大いに借りる 撮影/伊原美代子

ひとりで家にいてもまったく退屈しない

夜は8時くらいに眠るが、深夜の1時、2時に目が覚めてしまう。そうすると溝井さんは、布団のすぐそばにあるタブレットを手に取り、ツイッターを覗く。誰かしらがコメントを寄せているので、それを読んで返信する。

「お返事がひととおり済んでから、自分が言いたいことを書くんです」

返信も含めて、一日のツイートは50回ほど。食事どき以外は、タブレットやパソコンを覗いている。

「去年亡くなった夫の在宅介護をしていたし、私自身も体が丈夫なほうではないので、外にあまり出ないんですよ。でも、ネットがあれば全然平気。ちっとも退屈しませんね。家にいながらにして世界中の情報が入ってきます。本でも音楽でも欲しいものが簡単に買えて、ツイッターで幅広い年齢層の人たちと会話もできる。『好きなことがあってよかったね』と夫も喜んでくれていました」

専業主婦でも、外に出ていかなくても、いくつになっても、社会や世間とつながりを持ち、“もの申す”姿勢の81歳。その魂の若さの秘訣はなんだろう?

「ブレない自分でいることです。自分は自分、他人は他人。自分の頭で考えて、自分の言葉でものを言う。ツイッターはそれをするのにちょうどいいの。140字の制限の中で人を傷つけずに言いたいことを書くには頭も心も使います。脳が退屈する暇がないんですよ」

 

おとなスタイルVol.3 2016 春号より
<溝井喜久子さん プロフィール>

かつては家族の食堂だった部屋が、今は電脳部屋に様変わり 撮影/伊原美代子

<溝井喜久子さん プロフィール>

1934年、埼玉県生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業後、教職に就き、26歳から専業主婦に。ツイッターでの発言をまとめた『何がいいかなんて終わってみないとわかりません。』(KADOKAWA)を上梓。

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