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世界が大絶賛した柳楽優弥 『ディストラクション・ベイビーズ』の目力 [with]

2016年06月03日(金) 17時30分配信

世界が大絶賛した柳楽優弥 『ディストラクション・ベイビーズ』の目力

別記事で書いた『海よりもまだ深く』の監督は、今や日本映画界を代表する是枝裕和監督で、作品はもちろんいつも素晴らしいのですが、私がこの監督を「すごいなあ」と思うのは、新人発掘の能力です。

まあキャスティングにはいろんな事情があるのだろうとは思いますが、自らが探し出したほぼ無名の新人俳優を主演に据えて、その映画が俳優とともに評判になる、みたいな監督って、日本にはあんまりいない気がしますが、初期の是枝作品は、まさにそういう作品でした。

例えばデビューから2作目の映画デビュー作の『ワンダフルライフ』。これは当時はファッションモデルのARATAとして知られていた井浦新のデビュー作。これがなければ『ピンポン』とか『蛇にピアス』とかなかったわけですね。そしてそれに続く監督第3作『DISTANCE』では、ARATAとともに伊勢谷友介を俳優として初めてキャスティングしています。伊勢谷友介と言えば白洲次郎(NHKスペシャルドラマ「白洲次郎」)で、吉田松陰(NHK大河ドラマ「花燃ゆ」)ですよ!

そして私的白眉は、なんといっても柳楽優弥です。是枝監督の第4作目『誰も知らない』は、作られた当時よりも今の時代にこそ絶対に見てほしい大傑作なのですが、これに主演し、カンヌ映画祭で当時の最年少で男優賞を獲得したのが、14歳の柳楽優弥です。柳楽君の存在感は「これが本当に素人の子供か!」(事務所に入って最初のオーディションで合格したとか)と思うすごさで、この映画を見た世界中の人が驚いたに違いありません。

そこから紆余曲折がありながらも、今や映画に連続ドラマに引っ張りだこなのは皆さんご存知のところ。主演最新作は今週末公開『ディストラクション・ベイビーズ』。人間の暴力衝動を具現化した正体不明の主人公を演じていますが、こんな狂気の役がハマる20代男子は他には思いつきません。是枝さんが絶賛した「目力」は今もって健在。是非この作品でご覧いただきたいなーと思います。(文:渥美 志保)

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