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腰痛の約8割は原因が特定できる!腰痛の3大危険兆候 [おとなスタイル]

2018年02月25日(日) 10時00分配信

イラスト/岡本典子

40代~60代では、4割以上の人が感じているという腰痛。国民病と言われるほど身近な症状だけに、「年齢のせいかも」と、半ばあきらめている人も多いのでは?
ところが、現在は腰痛の8割くらいは原因が解明できるのだそう。そこで、原因が解明できる腰痛と病的な腰痛、どんな腰痛の場合に緊急を要するのかなど、整形外科医師の山下敏彦さんに教えていただきました。


〈教えてくれる人〉

山下敏彦さん
札幌医科大学医学部整形外科学講座 教授、同大学附属病院・病院長
専門は脊椎・脊髄外科、スポーツ医学、運動器疼痛。長年、腰痛などの運動器疼痛のメカニズム解明と治療法の確立に取り組み、運動器疼痛に関する著書も多数。

腰痛の約8割は原因が特定できる。 運動継続で和らぐ腰痛も多い

「確かに以前は、『腰痛は治らない』『腰痛の多くは原因がわからない』と言われていました。けれど実際は、腰痛の8割くらいは原因が解明でき、治療またはセルフケアで対処できるものなのです」と話すのは、整形外科医師の山下敏彦さん。

原因が解明できる腰痛のうち、病的でない腰痛は、筋・筋膜性腰痛、椎間関節性腰痛、間板性腰痛、仙腸関節性腰痛と呼ばれるもの。これら4つのタイプの腰痛に対して、医学的に有効とされている改善&予防法は、“運動療法”です。
「痛いからと運動しないでいると、筋力が落ちて、さらに運動が億劫になり、ますます痛みが強くなる悪循環に陥ります。また、体重増加も腰痛を悪化させる大きな原因。痛みの悪循環を断ち切るためには、じっとしているよりも動いたほうが腰痛の負の連鎖を断ち切れるのです」

一方、病的な腰痛とされるのは、椎体圧迫骨折、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など(左下のグラフ参照)。

腰痛の3大危険兆候(1安静にしていても痛みがある、2最近、体重が減少している、3発熱がある)や神経症状(しびれ・痛み・麻痺)があれば、軽く考えず、早めに整形外科を受診することが大切です。
腰痛の原因とは?

主な腰痛の原因

腰痛の原因とは?

深刻な原因のない腰痛 約79%
 椎間関節性腰痛 21.3%
筋・筋膜性腰痛 17.5%
椎間板性腰痛 12.5%
仙腸関節性腰痛 5.6%
心因性腰痛 0.3%
非特異的腰痛(原因が特定できない)約22%

病的な腰痛 21.2%
 脊柱管狭窄症 10.9%
椎間板ヘルニア 6.9%
椎体圧迫骨折 3.1%
感染症 0.3%

これまで腰痛の多くは、原因が特定できない『非特異的腰痛』であり、その多くは心理的要因によるものと言われてきました。しかし近年の研究により、非特異的な痛みの多くは整形外科医が丁寧に診断すれば原因を特定できるようになり、全体の約79%は、“深刻な原因のない腰痛”であることがわかってきました。

特定できる腰痛の原因は“椎間関節性”、“筋・筋膜性”、“椎間板性”の順に多く、心因性腰痛はわずか0.3%。「腰痛はどうにもならない」は、もう古いのです。
危険な腰痛とは?

腰痛のトリアージ(治療の優先順位)を示したチャート。

危険な腰痛とは?

どんな腰痛の場合に緊急を要するのかを、ざっと把握しておきましょう。


□安静にしていても痛みがある
□体重減少が顕著である
□発熱がある



□足のしびれ・痛み・麻痺(神経症状)がある


●危険な腰痛の場合
 できるだけ早く病院へ!

手術や専門診療科での処置

●神経にさわる腰痛の場合
 病院でMRIなどの検査

まずは保存療法を行う

症状が改善しない場合は手術も

●深刻な原因のない腰痛の場合
 まず自分で治すことに努める(6週間)

長引く場合は病院で検査

運動療法を中心に保存療法を行う

危険な腰痛は、がん、大動脈瘤、脊椎炎などで全体の約1%。神経にさわる腰痛は、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、椎体圧迫骨折(骨粗鬆症)などで全体の約20%。残りの約80%は、深刻な原因のない腰痛で、この場合、運動などのセルフケアで治していくのが基本です。

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