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名医が解説!50代の骨活の始め方とは? [おとなスタイル]

2016年04月16日(土) 09時00分配信

骨量減少に備えよう。50歳からが頑張りどき

50代以降の女性の弱点といえば、なんといっても「骨」。女性の骨量がピークを迎えるのは、20~30歳ごろ。その後、40代半ばごろから急激な骨量減少が始まるからです。その主な要因となるのが、女性ホルモンの減少。
「骨は、骨を溶かす破骨細胞と新しい骨を作る骨芽細胞の働きによって、日々リモデリング(新陳代謝)を繰り返しています。また、女性ホルモンのエストロゲンには、骨の細胞に働きかけて骨破壊を抑制し、骨形成を促す働きがある。ビタミンDを、腎臓でカルシウム吸収に欠かせない活性型ビタミンD3に変換させることに関わるのもエストロゲン。閉経後は、こうした骨の“お守り”が欠乏すると思ってください」と細井孝之さん。
さらに、若いころの栄養状況や運動不足、体重も、骨密度と密接に関連します。
「年齢とともに誰でも骨量は減っていきます。ただ、小柄な女性ややせ型の女性は、カルシウムの蓄積量が少なく、閉経後の骨の減り方も速いと考えられます。また、家族歴も骨粗鬆症のリスク要因。母親が骨粗鬆症や骨折経験がある、という方も注意が必要です」

検診でチェック。まず、骨量を知ることから

骨量減少には個人差があります。見ていくべきは、今の自分の骨量とその後の減少スピード。
「まず40歳で一度骨量を測っておくのが理想。その後は定期的に骨粗鬆症検診を受けておくと安心ですね」と細井さん。自治体検診では、40~70歳(5歳刻み)の女性を対象に骨粗鬆症検診が行われています。診断は、「YAM値」(20~44歳女性の平均値と比べた%で表した数値)が基準になります。
「50歳から年間2%ずつ骨量が減るとすると、10年後は20%減。YAM値71~80%は骨粗鬆症予備軍ですから、50代はうかうかしていられない年代です」
ほかに、インターネットで公開されている「FRAX」「FOSTA」といった自己評価ツールもあり。FOSTAでは、(体重[kg] −年齢)×0.2の値がマイナス4未満で骨粗鬆症の可能性が高くなります。

食事と運動で骨量キープ。困ったら治療もできます

骨粗鬆症の予防には、食事と運動が欠かせません。
「食事面では、カルシウムと吸収率を高めるビタミンDをしっかりとること。カルシウムは、骨だけでなく血管にも影響を与えるので、高血圧や動脈硬化の予防にもなります。また、骨の構造で鉄骨の役割をしているのがコラーゲンです。骨を丈夫にするには、良質なタンパク質、ビタミンK、葉酸の摂取も大切です」(細井さん)
運動面では、骨に刺激を与え、負荷をかけるのがポイント。骨折予防には、筋力強化も有効です。 骨量の減少が大きい場合には、薬物療法が行われます。ちなみに、更年期障害の治療法であるホルモン補充療法(HRT)には、骨量を維持・改善する効果が。
「更年期にHRTを始めると、更年期症状の緩和と同時に、骨粗鬆症の早めの予防にもなります」

<細井孝之さん プロフィール>
予防医療専門のクリニックである「健康院クリニック」副院長。同予防医療研究所 所長。専門は、骨粗鬆症などの骨代謝疾患、老年医学、抗加齢医学。
おとなスタイルVol.2 2015冬号より

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