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【筋肉より筋膜】筋膜ケアこそ肩こり解消の救世主! [VOCE]

2018年07月31日(火) 20時30分配信

筋膜ケアで肩こりが解消!?

これまで肩こりは肩の筋肉の問題だと言われてきました。しかしこの数年で、実は肩こりや疲労など全身の不調を左右するのは、筋肉よりも筋膜だという説が主流に。さまざまなマッサージサロンやスポーツジムで、筋膜をリリースするメニューが続々と増えています。「筋膜と筋肉の違いがわからない!」という人のために、「ソリデンテ南青山」院長の小野晴康さんに、肩こりなど、体の不調と筋膜の関係について伺いました。

筋膜とは?どうして筋膜ケアが必要なのか?

筋膜とは“筋”の“膜”と書きますが、筋肉だけを覆っているものではありません。人間の体は誰でも、1枚のボディスーツのような膜で覆われています。その膜が筋膜(ファシアとも呼ばれています)。鶏肉の皮をはがすときに皮と身の間に半透明の膜がありますが、あれが筋膜の正体です。
また、筋膜は全身を覆いながら、血管や筋線維(筋肉の線維のこと)、細胞のひとつひとつまでそれぞれ細かく覆っています。つまり人間の体は細部に至るまで、筋膜によって包まれ、守られていると言えるのです。
この筋膜は、肌の弾力を左右するコラーゲンと同じ線維でできていて、硬くなりやすい性質を持っています。ですから、すぐによれたり、ほころんで、それが原因で不調が起こるのです。
例えば、肩こりの場合。猫背など体にとって不自然な姿勢が続くと、肩周辺の血行が悪くなり、筋肉とともに筋膜が硬くなります。筋肉の動きに合わせてコラーゲン線維である筋膜が滑りよく動くのがいい状態です。筋膜が硬くなると滑りが悪くなり、膜がくっついて“よれ”が生じます。そうなると筋膜の下にある筋肉の動きも悪化。ますます血流が悪くなり、こりがひどくなります。
さらに肩の筋膜の“よれ”によって、一枚でつながっている全身の筋膜が肩の方へ引っ張られ、ひきつれを起こします。ちょうど、セーターの一部の糸がほどけた時、無理にそこを縫ってひきつれてしまうと、セーター全体が縫い目に引っ張られて、不格好な形になるのと同じようなイメージです。
そんな筋膜の“よれ”が体中のあちこちにでき、全身の血行不良状態が「疲労」です。筋肉の“よれ”は、姿勢による血行不良で起きるだけではありません。
同じ動作をくり返す運動で、同じ筋肉ばかりを激しく刺激すると、筋肉の上を覆う筋膜も同じように損傷し“ほころび”が生じます。このような状態になると一流のアスリートでは、パフォーマンスが落ちてしまうので、練習や試合前後には筋膜マッサージは欠かせません。
このように、柔軟な筋膜であれば、その下にある筋肉の動きは自由自在です。筋膜が伸縮性の高い全身タイツのように、どんな動きにも柔軟で伸びたり、縮んだりすれば、肩こりに悩むことはありません。そこで、筋膜と筋肉を同時にケアするマッサージが、肩こりなどの体の不調にはとても有効なのです。

肩こり解消の筋膜マッサージのやり方

肩こりをとるための筋膜ほぐしの方法はとても簡単です。筋肉まわりの筋肉の始点、終点が集まる鎖骨とわきの下・わきの前を押すこと。体には筋肉の始点、終点が集まるくぼみがあります。そこは筋肉が集まる場所だけに、筋膜のよれが生じやすい場所です。ここを強めの力で押して離す時に、硬い筋膜が弾力を取り戻し、ほぐれやすくなります。
また、このくぼみには大きな血管や、リンパの浄化ポイントであるリンパ節、さらに筋肉に指令を送る神経も通っています。ですから、一押しするだけで、筋膜のよれがほぐれるだけでなく、血流がよくなり、老廃物の排出力も高まるという一石二鳥以上の効果がある方法です。
ではそのやり方です。

鎖骨の押し方

やり方は簡単。鎖骨の場合、右手の指先で左の鎖骨くぼみをギュッと押します。これを3回くり返したら、反対側も同様に。

わきの下・わきの前の押し方

右手の親指を左のわきの前にあて、残りの4指をわきの中央にあてて、わきの前側をギュッと3回つかんで押す。次にわきの中央に親指をあて残りの4指をわきの後ろにあて、わきの後ろ側をギュッと3回つかんで押す。反対側も同様に。

鎖骨やわきを押した時に、そこが硬い、痛いと感じたら、筋肉が硬くなり、筋膜がよれているサイン。触ってやわらかくなるまで、何度かくり返し押しましょう。オフィスで肩こりがつらくなった時、鎖骨やわきを押して、筋膜をほぐす習慣を!

また、血流を促すためには深い呼吸も大事。鎖骨やわきを押す時に、みぞおちを押すと呼吸が深くなります。両手の指先をろっ骨の一番下の骨に沿ってあてたら、上体を少し前に倒しながらみぞおちを押して、離す時に上体をもとの位置に戻します。例えば、トイレに行くたびにみぞおち押しを習慣にすれば、呼吸が深くなることで全身の血流がアップ。血流がよくなれば、がんこな肩こりも軽くなってきます。
体を動かしながら筋膜をリリースするストレッチも効きますが、立ち上がったり、動いたりできない小スペースでは鎖骨やわきを押して筋膜ケア! 毎日行えば、筋膜と筋肉の質が同時によくなり、不調の少ない体に変わります。

教えてくれたのは…… ソリデンテ南青山院長 小野晴康さん

理学療法士、柔道整復師。理学療法の理論をベースにした、筋肉をデトックスするマッサージ法「ミオドレナージ」を考案。その効果が評判を呼び、多くのタレント、モデルなど著名人に支持され、ボディメンテナンスを担当してメディアで話題となる。東京、大阪など、全国に「ミオドレサロン」をオープンし、2017年6月には筋トレを組み入れた初の男性向けサロン「ミオドレフィジオスタジオ」をオープン。著書に『ミオドレ式 寝るだけダイエット枕』(講談社)ほか多数。

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