• > 東出昌大×新田真剣佑「実の兄弟以上に兄弟な二人」 [FRaU]

東出昌大×新田真剣佑「実の兄弟以上に兄弟な二人」 [FRaU]

2018年06月11日(月) 19時30分配信

Photo:Aya Kishimoto 

公道を前回走行で駆け抜ける “ラリー” の世界を舞台に、若者たちの熱い愛と絆を描いた映画『OVER DRIVE』。東出昌大さん演じる主人公の檜山篤洋は、才能あるメカニック、新田真剣佑さんがその弟の天才ドライバー檜山直純を演じている。ドライバーとメカニック、表舞台に立つ人間と裏方という二つの側面から、勝負の世界を描いた本作は、日本映画の常識を覆すようなダイナミックな映像が満載だ。

車に興味のない女性が観ても、登場人物それぞれが持つ美しさ、カッコよさ、情熱に痺れること請け合いである。本作で初共演を果たした東出さんと新田さんだが、その掛け合いは、兄弟以上に息ピッタリで。普段から新田さんは、東出さんのことを「兄貴」と呼んでいた。
どの世界でも、 逆境に立ち向かったことの ない人はいない(東出)

(C)2018「OVER DRIVE」

どの世界でも、 逆境に立ち向かったことの ない人はいない(東出)

初めて会ったときのお互いの印象について教えてください。

新田:初めて会ったときに、兄貴に抱きつきました(笑)!
東出:そうだった! 抱きつくというか、ロケ先で、僕が頭を洗っていたところにいきなり……だったよね(笑)。覚えてる?
新田:アハハ、後ろからね(笑)。
東出:その日、ロケ場所には彼が先に入っていたんです。僕は、前の仕事を終えて、整髪料を落としたかったから、小さなバスルームみたいなところで、四つん這いになって、メイクさんに頭を洗ってもらっていた。そうしたら、後ろから「兄貴! よろしくね!」って叫びながら、背中に誰かが乗ってきたんです。それがマッケンでした(笑)。
新田:そこからすぐに、握手してハグして。
東出:「こんな初対面ある?」って、衝撃でした(笑)。僕は人見知りだから、初対面の人とは、どうしても壁を作ってしまいがちなんです。でも、マッケンの場合、「こいつとならすぐ仲良くなれるな」って思えましたね。
新田:僕の兄貴に対する第一印象は、シンプルに「でかいな」でした(笑)。今回の映画では、兄貴の身長が持つ迫力に対して、自分なりにバランスを取ろうと、かなり身体を大きくしたんですけどね。高さには敵わなかった(苦笑)。
東出:十分迫力あったと思うけどね。撮影中、僕がマッケンに対して一番驚いたのが、彼の腕を掴むシーンのとき、思いの外、腕が固くて重くて太かったこと。ドライバーの役作りで、監督から身体を大きくするように言われていたのは知っていたけど、あらためて、ストイックな身体作りをしていたんだな、と。

Photo:Aya Kishimoto 

「ラリー」という、非常に過酷な自動車競技の世界が描かれていますが、お二人はどのように役作りに取り組まれたんでしょう?

東出:(監督の)羽住(英一郎)組って、ものすごく熱いんですよ。共演者が仲良くなって、皆で一緒にバカをやるのが好きで(笑)。それによって、スタッフ、キャストとも強いチームワークが生まれたと思います。マッケンとは合宿生活も経験しました。そのときは、一緒に筋トレに行ったり、夜はお酒を飲むこともあれば、ドリンク片手に話し合ったり。ずっと二人で過ごしてましたね。さっきも言いましたが、今回は、合宿生活をして、みんなでバカをやることも、監督の演出の一つだったので。マッケンのオープンな性格が、現場の雰囲気作りにプラスに働いたと思います。あと、僕はメカニックの役なので、監督が実際のラリーカーを借りてきて、それをバラしたり、組み立てたりするような練習期間もありました。ただ、監督にはクレイジーなところがあって、最初に本物のラリーカーを目の前にして、「これバラせ!」って言われたときはさすがに面食らいましたけど(笑)。
新田:え、そうなの? 僕は、「これ運転しろ!」と言われなかったけど(笑)。僕らドライバーは、まず、プロのドライバーが運転している車に乗せてもらうことから始まりました。運転の仕方は、見ているだけでもすごく難しくて……。それと同時に、モータースポーツならではのスリルもスピードもG(重力)も感じて……。病み付きになるドライバーさんの気持ちもよーくわかりました。でも羽住組は、監督が一番の少年なんです。その少年の情熱に、誰もが引っ張られる。僕も、その情熱についていくのに必死だったし、お陰で、すごくパワフルでキラキラした場所に連れて行っていただきました。
東出さん演じる篤洋はメカニックとして、新田さん演じる直純はドライバーとして、それぞれ子ども時代からの夢を叶えています。お二人の子どもの頃の夢は何でしたか?

東出:これ、偶然共通してるんだよね?
新田:うん。
東出:僕は、小さい頃から剣道をずっと習っていたので、将来は警察官になりたいと思っていました。
新田:僕も、将来なりたい職業は、ポリスでした。弁護士かポリス。
正義感が強いんですか?

新田:そういうわけじゃないです。ただ、アメリカではとても犯罪が多かったこともあって、子ども心に弁護士かポリスなら、物事の主導権を握れるんじゃないかと思ったのかもしれないですね。でも、15歳になった頃にはもう役者がいいと思っていたので。ドリームを生きてます(笑)。
若者の車離れが叫ばれて久しいですが、この映画を観た人は、誰もが車に興味を持つのではないでしょうか。

新田:そうですね。僕も試写を観てすぐ、久しぶりに車を運転したくなりました。アメリカでは、移動手段がほぼ車しかなかったので、15歳で免許を取って、ずっと自分で運転していたんです。でも、そんなに車に対する思い入れはなかった。それが、この映画を観て、真っすぐに伸びたハイウェイを、猛スピードで飛ばしてみたら気持ちいいだろうなと妄想したり(笑)。あとは、兄弟がほしくなりましたね。実際に兄弟はいるんだけど、弟なので、兄貴が欲しくなった。
東出:「若者の車離れ」ということでいえば、僕自身がまさにそうで、もともとは車にまったく興味がなかったし、ラリーという言葉に馴染みもなかった。でも、この映画によって、車の魅力を発見できた。
役柄のせいもあって、メカニックの、機械面での面白さに惹かれた部分も大きいですが、とにかく車が、男の子の心をワクワクさせるものだってことがよくわかりました。そういう意味では、僕のように、車にまったく興味のない人に観てほしい映画です。
新田:でも、もちろん女性にも観てほしい。ラリーの世界を通して、兄弟愛とか、仲間の絆、夢を追いかけることの厳しさと素晴らしさなど、男女に関係なく感動できる映画になっています。僕自身、この映画を観て明日への希望が湧いた。背中を押されたし、ドリームを生きる上での勇気や元気をもらいました。
東出:僕らはこの撮影期間、誰もがいい意味で “バカ” でした。ラリーバカで、芝居バカ(笑)。バカって純粋で、噓がないので。その真っすぐさが、映像に表れていると思います。200%、「面白いよ」と勧められる映画です。
学生なら学校、仕事をしている人は職場と、人が行きている世界は常に限定されています。ラリーなんて、まったく縁のない世界のことを描いているように思われるかもしれませんが、どの世界にいても、逆境に立ち向かったことのない人はいない。『OVER DRIVE』は、逆境に立ち向かった人の話です。車のことはわからなくても、観ていただければ、必ず感動をお伝えできるんじゃないかと思います。

PROFILE

東出昌大 Masahiro Higashide
1988年生まれ。埼玉県出身。2012年、『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビューし、日本アカデミー賞新人俳優賞、毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞などを受賞。『クローズEXPLODE』(14年)で映画初主演、近年の作品に、『デスノートLight up the NEW world』『聖の青春』(ともに16年)、『関ヶ原』『散歩する侵略者』(ともに17年)など。現在、テレビドラマ『コンフィデンスマンJP』に出演中。公開待機作に『パンク侍、斬られて候』『菊とギロチン』『寝ても覚めても』『ビブリア古書店の事件手帖』がある。

新田真剣佑 Mackenyu Arata
1996年生まれ。アメリカ・ロサンゼルス出身。2014年より日本を拠点に活動をスタート。『ちはやふる―上の句―/―下の句―』(16年)で、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。主な作品に『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』『ピーチガール』『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(すべて17年)、『不能犯』『ちはやふる―結び―』『パシフィック・リム:アップライジング』(すべて18年)など。公開待機作に、『劇場版 コード・ブルー―ドクターヘリ緊急救命―』がある。

【関連記事】

NEWS&TOPICS一覧に戻る

ミモレ
FRaU DWbDG
  • FRaU DWbDG
  • 成熟に向かう大人の女性へ
  • ワーママ
  • Aiプレミアムクラブ会員募集中!

このページのTOPへ戻る