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【医療Q&A】自身が末期がんなのに母の心配ばかりする父親。どう支えるべき? [mi-mollet]

2017年10月23日(月) 14時00分配信

姉さんさんからの質問
Q. 末期癌なのに母の心配ばかりする父に、どんな言葉をかけたらいいか分かりません。

父の肺癌がみつかり、二ヶ月が経ちました。既にステージ4。持病もあり、積極的な治療はできません。そんな父の心配事は、脚の不自由な母のこと。娘としては、そんな心配をせずに自分の残りの人生を楽しんでもらいたいのですが、言葉かけが難しく、見舞いにいっては落ち込んで帰ってきます。胸の痛みと戦っている父にどんな言葉かけをしたらいいのでしょうか?(53歳)

特別ゲスト 樋野興夫先生の回答
A. お父様が、お母様の心配をすると決めているなら 全力でそれを支えてあげましょう。

お父様が奥さんに関心を持っているーー、これは素敵なことではないでしょうか。私は、家族における優先順位の1位は夫婦だと思っています。子は、それを見守るのみ。ですから、お父様がお母様のことばかり心配しているからといって、落ち込む必要はないと思いますよ。もしかしたら、お父様にとってはそれこそが生きがいかもしれませんし。

お父様が、最後までお母様の心配をすると決められたのなら、家族は全力でそれを支えてあげてください。たとえば部屋の掃除をしてあげるとか、料理をしてあげるとか、できることはそういったことくらいしかないかもしれませんが。

あとは、悲しい顔をされないことだと思います。人は相手の風貌を見て、心まで読むものですから。それよりもお父様の“必要”に共感して寄り添ってあげてください。そうすれば、やがてお父様も姉さん自身の気持ちに気付き、変わっていくかもしれませんから。
いかがですか?
樋野先生の回答、ぜひご参考になさってください。

PROFILE

樋野 興夫(ひの おきお)
1954年、島根県生まれ。医学博士。順天堂大学医学部病理・腫瘍学講座教授。一般社団法人がん哲学外来理事長。医療現場と患者の間にある「隙間」を埋めるべく、全国各地で講演をおこなうなど精力的に活動している。著書は『がんばりすぎない、悲しみすぎない。「がん患者の家族」のための言葉の処方箋』(講談社)、『がん哲学外来へようこそ』(新潮新書)など多数。

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