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若冲、光琳だけじゃない! 大ブームの江戸絵画、名絵師たちからお気に入りを探す [おとなスタイル]

2017年10月06日(金) 10時00分配信

あの名画に会える美術館ガイド 江戸絵画「花鳥画」

金子信久著『作家別 あの名画に会える美術館ガイド 江戸絵画篇』より抜粋

あの名画に会える美術館ガイド 江戸絵画「花鳥画」

ここ数年、日本全国で江戸絵画の展覧会が開かれ、たくさんの観客が集まることで話題になっています。若冲、北斎、光琳などのビッグネームだけではなく、最近は日本各地で活躍した江戸の絵師たちの作品が掘り起こされ、紹介される機会も増えました。ストレートに「そっくり、超絶技巧、美しい」作品から、ひとひねり加えた「面白い、かわいい、ヘタウマ?」作品まで、お殿さまも、庶民も、豊富な種類の絵画を楽しんでいたのですね。
そんなたくさんの作品の中から、「自分だけの名画」を全国各地の美術館、博物館で探す旅はいかがでしょう!
江戸時代の桜専門画家は織田信長の末裔だった!

金子信久著『作家別 あの名画に会える美術館ガイド 江戸絵画篇』より抜粋

江戸時代の桜専門画家は織田信長の末裔だった!

美しい、不思議な迫力あふれる桜を描いたのは、江戸中後期の画家、織田瑟々(おだしつしつ)。織田信長の九男を先祖とする家に生まれ、桜専門の画家となった。緻密な花、ダイナミックな幹の描写で異彩を放つ。
透き通った空気感まで掬い取る、リアリティの絵師

右は柳下白鶏図 広島県立美術館 金子信久著『作家別 あの名画に会える美術館ガイド 江戸絵画篇』より抜粋

透き通った空気感まで掬い取る、リアリティの絵師

凛とたたずむ鶏、細かい描写で馥郁とした匂いさえ漂ってきそうな牡丹。
この作品を描いた宋紫石(そうしせき)は江戸中期に生まれ、長崎で清から来日した画家に学び、江戸で花鳥画の画家として活躍、あとに続く画家たちに影響を与えたという。かわいい、きれい、だけではなく、本物そっくりなうえに、清々しい!
ムキムキで眼光鋭い猫の意味するところは?

金子信久著『作家別 あの名画に会える美術館ガイド 江戸絵画篇』より抜粋

ムキムキで眼光鋭い猫の意味するところは?

花鳥画はその名の通り、四季の草木、小鳥をはじめ、昆虫、魚、小動物を組み合わせた絵画のこと。竹、蝶、猫を組み合わせたこの絵も立派な花鳥画だ。それもとてもおめでたくて、竹は「徳の高い人」、蝶は「長」、猫は「命」を表す語呂合わせ。それにしても、この猫のギロッと鋭い目つきについつい魅かれてしまう。
作家は江戸後期の文人画家、椿椿山(つばきちんざん)。同心の家に生まれたが、絵の道に入った人物。

江戸の絵画はバラエティに富んでいます。
各地で開かれる展覧会や書籍でその魅力をお楽しみください。
著者プロフィール
金子信久(かねこ・のぶひさ)
1962年、東京都生まれ。85年、慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒業。福島県立博物館学芸員などを経て府中市美術館学芸員。専門は江戸時代絵画史。著書に『旅する江戸絵画 琳派から銅版画まで』(ピエ・ブックス、2010)『ねこと国芳』(パイ インターナショナル、2012)『日本美術全集14 若冲・応挙、みやこの奇想』(共著、小学館、2013)『別冊太陽 円山応挙 日本絵画の破壊と創造』(監修・共著、平凡社、2013)府中市美術館編『かわいい江戸絵画』(求龍堂、2013)『もっと知りたい長澤蘆雪』(東京美術、2014)『たのしい日本美術 江戸かわいい動物』(講談社、2015)『めでる国芳ブック ねこ』『めでる国芳ブック おどろかす』(ともに大福書林、2015)『日本おとぼけ絵画史 たのしい日本美術』(講談社、2016)『めでる国芳ブック どうぶつ』(大福書林、2017)府中市美術館編『歌川国芳 21世紀の絵画力』(講談社、2017)ほか。

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