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超ミニマリスト、ドミニック・ローホー流「手放すBAGと残すBAG」 [おとなスタイル]

2017年09月20日(水) 10時00分配信

イラスト/かくたりかこ

たくさんのバッグを持っているのに、まだ買い続けるのはなぜ?
便利で実用的なバッグだけでは、満足できないのはなぜ?
「いつかはやっぱり!」と高級ブランドのバッグに憧れ続けるのはなぜ?
「バッグについて考えることは、人生を考えること」と、ミニマリストのドミニック・ローホーさん。体型+雰囲気+ライフスタイルに合った究極の「MY BAG(自分のバッグ)」を見つけることで自分が本当はどう生きたいのかがわかると言います。そんな“自分を知る”ための、バッグをめぐる思考レッスン、さぁ始めましょう。

買っては手放してきた約100個のバッグ

「女性だからかもしれないけれど、私は小さい頃からバッグが大好きでした」と話すドミニックさん。
フランスで生まれ育った彼女は、6歳でバスケットを、7歳でハンドルのついた革製の「マダムが持つような」高価なバッグを買ってもらった。以来、「たぶん、これまでに100個ぐらい持ってきたと思う」。
少ない所持品でシンプルに暮らすミニマリストだけれど、それだけにもの選びには妥協しない。「ミニマリストは高くつきます」がドミニックさんの常套句だ。
「以前は、バッグを買っては手放すことの繰り返しでした。私はいつでも理想のバッグを探してきたんです。今でも、さらに良いものを求めている。なぜならバッグは自分の一部であり、自分がどう生きたいかのあらわれだから」

生きているかわからない中途半端なバッグを持っている人

“高かったから”とか、“1~2回しか使っていないから”という理由で、ドミニックさんはバッグを手元に置いておくことはしない。どんなに高価だったとしても、自分が使わないとわかったら、すぐに手放す。妹や親しい人にあげることもよくある。
「使わないバッグをたくさん持っているのはストレスです。自分にとって何が大事なのか、どう生きたいのか、人生がぼやけてしまう」
実はあまり使わないブランド品のバッグ、昔は好きだったが最近は手にとらなくなっているバッグ、セールでつい買ってしまった出番のないバッグ……。そんな、“生きているのかいないのかわからない”中途半端なバッグが、クローゼットに押し込まれているとしたら、考えどき。

〈旬をすぎたバッグは、何ももたらしてくれません。生きているバッグとは、今使っているバッグ。経年により素材が劣化したものや、あなたの心に響かないものは、早く気持ちを切り替えて処分しましょう。そんなことで人生と収納を複雑にしてももったいないだけ〉(ドミニック・ローホー著『マイバッグ 3つのバッグで軽く美しく生きる』〈講談社〉より。以下同じ)

「たくさんあると迷うでしょう? 迷っている時間は、50代にはもったいない。“自分らしいバッグ”が少しだけあるほうが、毎日をすっきりと気持ちよく過ごせます」

ブランドのバッグをつい買ってしまう人

靴とバッグは一生付き合える“良いもの”を持つのがエレガント――。
こんなイメージが、私たちには強くある。そして“良いもの”=高級ブランド品という刷り込みも。
「一番損だと思うのは、高級ブランドのバッグを持つことで、ステータスを見せたいというタイプの人」
ブランドの商業戦略にのせられているからだ。

〈「あなたは、こんな特別なお店で買い物ができるかぎられた人です」とばかりに優越感をくすぐります。各ブランドは競ってテーマやアイデアで付加価値を高め、消費者にものではなく「夢」を売ります〉

ブランドものの中でも、シーズンごとに新商品が打ち出される“トレンドバッグ”と、昔からセレブ御用達だったヨーロッパの老舗ブランドの“レジェンドバッグ”とは、分けて考える必要がある。超高級な“レジェンドバッグ”は縫製も素晴らしく、革が良質なので使い込むほどに美しくなるが、「そうしたバッグには、重くて、電車やバスでの移動に向かないものもあります」とドミニックさん。
「良い革だから軽いとされるバッグでも、実際に持つと私には重かったりするのです。自分のライフスタイルに合わないバッグは、たとえ100万円だったとしても使わなくなります
クローゼットのこやしとなって、眺めて自分で満足するだけなのだ。
「私もブランドのバッグはいろいろ使ってみましたが、今はもう、あまり持ちたくない。有名でなくても、熟練の職人さんがつくった軽くてしなやかなバッグのほうが、自分らしくて落ち着くとわかったから。それに、ブランド名がついたものを持って、宣伝したくないのです」

 

バッグをいくつ持っていますか?
それらはあなたをエレガントに見せてくれますか?
■Profile
ドミニック・ローホー
著述家。フランスに生まれ、ソルボンヌ大学で修士号を取得。イギリス、アメリカ、日本の大学で教鞭をとる。禅の修行などを通して日本の精神文化への理解を深め、シンプルな暮らしを提案。『シンプルに生きる』(講談社+α文庫)、『小さいものと豊かに暮らす』(メディアファクトリー)など。近著に『マイバッグ3つのバッグで軽く美しく生きる』(講談社)

 

 

『おとなスタイル』Vol.8 2017夏号より

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