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カフェもショップもお洒落♡いま注目すべき街「黒磯」とは? [FRaU]

2017年09月04日(月) 17時00分配信

かつては、天皇陛下が御用邸へと向かう駅として賑わった黒磯駅。素晴らしい自然と文化が隣り合う街で、人とモノと触れ合おう。

黒磯の旅は、「タミゼ クロイソ」から始まります。東京で古道具屋「アンティークス タミゼ」を営む店主の吉田昌太郎さんと、フードスタイリストの高橋みどりさん夫婦が営むタミゼの黒磯店。今回の旅のナビゲート役は、この街をこよなく愛する高橋みどりさん。彼女の優しい眼差しと共に、おすすめのルートを巡り、ふらり黒磯を訪ねてみませんか?

黒磯

栃木県那須塩原市
東京から東北新幹線でJR那須塩原駅まで約1時間15分。那須塩原駅からJR宇都宮線に乗り換えて黒磯駅まで約5分。JR上野駅からJR宇都宮線で乗り換えなしでJR黒磯駅まで約2時間50分。自動車の場合、東京方面から東北自動車道・浦和ICより黒磯板室ICまで約140㎞(約2時間)。黒磯板室ICから黒磯駅周辺まで約15分。
ふらっと思い立つ気軽さでまずは週末の黒磯へ

昭和初期に建てられ、タクシー会社の車庫と整備工場だった建物。 Photo:Yayoi Arimoto

ふらっと思い立つ気軽さでまずは週末の黒磯へ

黒磯駅に降り立つと、華やかさはないけれど、なんだかゆるい空気に和みます。駅を背にして右へ歩いていくと、白い木造平屋の倉庫があります。大きなコナラの木が目印の「タミゼ クロイソ」。

Photo:Yayoi Arimoto

ここは夫の故郷で、彼がこよなく愛す地であります。もとはタクシー倉庫だったという建物は、昭和6年のものだそう。なんとも魅力的なこの建物に一目惚れし、東京との二重生活も10年が経とうとしています。大切に住まわせていただき、気持ちのいい時間をすごす至福のときは、何事にもかえがたいと感じています。この気持ちのいい空間と時を、みなさんと共有できたらという思いから始めました。
東京の「アンティークス タミゼ」が本体ですが、ここではヨーロッパのアンティークをはじめ、現代物の器、新旧の料理本や小説、アートブックや写真集、オリジナルのトートバッグや籠、オリーブオイルやお茶、急須にポットなどなど。普段の生活がちょっと楽しくなる、そんな物を用意しています。黒磯の店は私がご案内していますので、どうしても食に力が入ってしまいますが、全国から来ていただく方々と食を通してのお話もとても楽しいものです。東京では巡り会えなかった方々との会話や、そこから始まることに感動することも多々。ゆったりとした時間に触れていただけたらと思います。

tamiser kuroiso(タミゼ クロイソ)
栃木県那須塩原市本町3-13

食事パンからハード系まで日本人の嗜好に合ったパンがずらり。 Photo:Yayoi Arimoto

タミゼに向かう前に、まずは駅前を少し散策してみてください。「KANEL BREAD」は、朝8時から焼きたてのパンが揃います。水分を沢山含んだもちもちのパンも、ハード系のパンもとてもおいしいので、お土産に買っておくのも一案です。

Photo:Yayoi Arimoto

KANEL BREAD(カネル ブレッド)
栃木県那須塩原市本町5-2

リッチな味わいのアーモンドクロワッサンと日替わりの豆が選べるドリップコーヒー。 Photo:Yayoi Arimoto

「KANEL BREAD」が経営するお隣の「Iris」に立ち寄り、さわやかなコーヒーで喉を潤すか、小腹を満たしましょう。パンのメニューはどれも魅力的。私は普段は東京暮らしですが、黒磯での二重生活では、朝から焼きたてのパンを歩いて買いにいける幸せを味わっています。

朝のコーヒーブレイクは黒磯滞在中のみどりさんの日課。 Photo:Yayoi Arimoto

オーナーの岡崎哲也さん、優子さん夫婦はとても働き者。ステキなアイディアもいっぱいあって、いつでも前向きに楽しい企画と、黒磯の明日を考えています。

Iris BREAD & COFFEE(イリス ブレッド&コーヒー)
栃木県那須塩原市本町5-2
さて、コーヒーを飲みながら今日の予定をたてましょう。思いつきで来たのだから、日頃の疲れを癒やしに、さくっと温泉にはいるのはいかがでしょう。駅前からバスに乗り、緑の気持ちのいい道を通り抜け、終点は硫黄の香り、那須湯本温泉。そこに共同浴場「鹿の湯」があります。この温泉郷で最古といわれている木造の風情のある湯。ここはぜひ、明るいうちにはいる贅沢気分を味わってほしい。

湯上がりにバスに乗り、黒磯方面にまたもどるのですが、黒磯の町は小さいので、再び振り出しの駅前から歩いても十分に楽しめます。まずは「タミゼ クロイソ」からのスタートはいかがでしょう。ゆったりとした空間を歩き、一息ついてくださいね。そして駅前商店街の「明治屋」、温泉饅頭の湯気をくぐり抜けて「町のSHOZO」方面へ。ここ数年、このあたりには新しい店舗が増えていて、楽しいお店がいっぱいです。気になるお店にお立ち寄りください。

ディスプレイされた軽トラの荷台に地元の朝採れ野菜が並ぶ野菜直売コーナー。 Photo:Yayoi Arimoto

ここまで来て何を買うかって、やっぱり那須のおいしい食材を買っていってほしい。「Chus」では、朝採れたての地元野菜や地粉、乳製品、お菓子などを販売しています。今晩のワインのお供のチーズか、明日の朝のサラダの材料を求めたら、そろそろ帰りの電車の時間でしょうか。気楽に遊びに来たのだから、あまり疲れが残らないように。次回は山へ登るもよし、きれいな川での川遊びや釣りも楽しいですよ。そんな時のために、「Chus」ではゲストハウスも用意されています。(高橋さん談)

那須の生産者さんたちが作る美味しい野菜や肉を使った料理を楽しめる。 Photo:Yayoi Arimoto

Chus(チャウス)
栃木県那須塩原市高砂町6-3
黒磯の街を盛り上げる若い店主たちの思い

Photo:Yayoi Arimoto

黒磯の街を盛り上げる若い店主たちの思い

’90年代カフェ好きの聖地と謳われた「SHOZO CAFE」にはじまり、街に根付く独自の文化を育んできた黒磯の街。さらにここ10年ほど、次世代店主たちによる新たな試みで、黒磯の街は再び活気づいているよう。店主たちの熱い思いは、個々の商店だけに留まらず、街全体を巻き込んで、黒磯の新たな魅力を紡ぎはじめています。
高橋みどりさんに案内してもらった黒磯で、魅力的な店主たちに出会いました。駅前に店を構え、駅周辺を活性化させながら「食を通して文化を育み、街全体を豊かにしたい」と、黒磯の街のことをいつも考えている「KANEL BREAD」の岡崎哲也さん。「“大きな食卓を囲む”というコンセプトのもとに、直売所、ダイニング、宿の3つのコンテンツを揃え」、人々が集まる場を作っている「Chus」の宮本吾一さん。彼らが中心となり、地元の食材や個性的な飲食店が集うマルシェイベントなどを開催してきたそう。

彼らが考えているのは、自分たちの世代からさらに次の世代にも続く魅力的な街づくり。そして地元に限らず、積極的に日本各地の生産者やモノづくりに携わる人々を訪ね、個人と個人の交流を大切にしているそう。

「小麦ひとつにしても、“美味しい”だけじゃなく、この人の麦を使ってみたい。と思えるような出会いを大切にしたいし、出会った人の思いを伝えられるものづくりがしたい」と、岡崎さん。

朝市の輪を広げ、もっとたくさんの方々に那須の「食」を楽しんでもらいたいという思いで「Chus」をスタートさせた宮本さんも、「黒磯発信で地方の良いものが揃うのは、地元の人にとっても楽しい」と言います。

黒磯の街と、日本中が点と点を結ばれる。そんな面白い文化が、この街に根付きはじめているようです。

 

●情報は、FRaU2017年9月号発売時点のものです。

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