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【人生相談Q&A】がんの発覚で生活も人生観も一変。今後の心の持ち方に迷う [mi-mollet]

2017年06月13日(火) 14時00分配信

ねおんさんからの質問
Q. がんになったことで生活も人生観も一変。がん後の心の持ち方についてご指南ください。

健診で偶然に早期のがんが見つかりました。幸い転移や再発の危険の少ない場所で、手術も決まり、比較的落ち着いて暮らしてはいます。しかしその日を境に、自分の人生がこれまでのものとは全く違ってしまったような、自分の人生ではもうないような違和感があり、それが拭えません。がんになった場合、手術前や手術後はどのような気持ちで過ごしていけばいいのでしょうか? 子供もいますし、少しセーブする予定ですが仕事もあります。夫もどう接していいか困っており、今から「何もするな」「動くな」と言わんばかりです。がんになったときの心の持ち方、日常生活等で気をつけることはありますか? 普通に生活していきたいと望んでいますが、それはもう叶わないのでしょうか。(43歳)

特別ゲスト 金子稚子さんの回答
A. 普通に生活していくためには「何もするな」ではなくむしろ生きることにますます集中してほしいと思います。

お辛いことですよね。ご主人も混乱されていることと思います。心からお見舞い申し上げます。

そのうえでお話させていただきますね。私は終活ジャーナリストという仕事柄、がんを患われた方に多くお会いしていますが、がんになった前後でまったく人生が変わっていません、という方にはまだ会ったことがありません。

ただ、気持ちは大きく変われど、同じ生活はできると思うのです。私の夫は「次の瞬間死ぬかもしれない」という状態の中、変わらず仕事を続けていました。夫はがんの中でも肺カルチノイドという特殊ながんで、当時、標準的な治療法は早期発見&手術しかありませんでした。しかし、病気が発覚したときはすでに末期。複数の病院から「治療法はない」と門前払いされました。つまり、死ぬのを待つだけ、という状態だったのです。そのとき夫がまず何をしたかというと、「これまでと同じようにできる限り仕事を続ける」と、“根っこ”を決めたことだったのです。これは大きかったですね。「安静にして何もしない」ではなく、むしろこれまで以上に真剣に生きたからこそ、夫は本当に死ぬ寸前まで自分が納得できる“普通の生活”を続けられたと思っています。

今振り返ってみますと、闘病経験というのは、人生観を一変させるものがあると思います。流通ジャーナリストだった夫は、「がんになって良かった。本当の流通というものが分かった」と言っていたほどです。亡くなった夫を例に出して申し訳ありませんでしたが、ねおんさんは現在比較的落ち着いて暮らしていらっしゃるとのこと。病気が見つかってからの世界は、「健康なら分からなかった世界」と捉え直してみることはできませんでしょうか? そんな世界、知りたくなどなかったかもしれません。でも病気を得たからこそ、今この瞬間の「生きる深さ」を味わえているのも事実だと思うのです。そしてそれは、健康であれば決して味わえないものでもあるはずです。
いかがですか?
金子稚子さんの回答、ぜひご参考になさってください。

PROFILE

金子稚子(かねこわかこ)
1967年生まれ。終活ジャーナリスト。終活ナビゲーター。一般社団法人日本医療コーディネーター協会顧問。雑誌、書籍の編集者、広告制作ディレクターの経験を生かし、死の前後に関わるあらゆる情報提供やサポートをおこなう「ライフ・ターミナル・ネットワーク」という活動を創設、代表を務めている。また、医療関係や宗教関係、葬儀関係、生命保険などの各種団体・企業や一般向けにも研修や講演活動もおこなっている。2012年に他界した流通ジャーナリストの金子哲雄氏の妻であり、著書に『金子哲雄の妻の生き方~夫を看取った500日』(小学館文庫)、『死後のプロデュース』(PHP新書)、『アクティブ・エンディング 大人の「終活」新作法』(河出書房新社)など。編集・執筆協力に『大人のおしゃれ手帖特別編集 親の看取り』(宝島社)がある。

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