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『作家、本当のJ.T.リロイ』自分を愛せない女子が落ちる切ない地獄 [with]
2017年04月20日(木) 20時00分配信
もし私が痩せていたら、美人だったら、グラマラスだったら、男だったら。きっと人々は、私のことをもっと価値のある人間だと思ってくれるはず。そんな風に思うことは誰にだってあることです。2000年代の前半に、アメリカで巻き起こったある事件の主役、ローラ・アルバートもそんな女性の一人です。
幼い頃の心の傷が原因で体形がちょっと太めなローラは、パッとしない30代の女性です。学生時代は「パンク」に夢中になりましたが、そのファッションは到底自分に似合いそうになく、ほっそりした妹を着せ替え人形にして楽しむことしかできませんでした。子供のころからの趣味は「こども相談窓口」に電話をして、自分とは別の人間――特に「少年」になりきって話すこと。自分のことを相談しないのは、「悪いのはお前」と言われてしまいそうだから。
そんな中で出会ったある精神科医に勧められ、ローラは文章を書き始めます。完成した最初の長編小説『サラ、神に背いた少年』は、あれよあれよという間に大ベストセラーに。「作家はどんな人?」という世界的な関心が集まり、ローラの中で大きな問題が持ち上がります。
そんな中で出会ったある精神科医に勧められ、ローラは文章を書き始めます。完成した最初の長編小説『サラ、神に背いた少年』は、あれよあれよという間に大ベストセラーに。「作家はどんな人?」という世界的な関心が集まり、ローラの中で大きな問題が持ち上がります。
というのも、作品は「娼婦である母親から虐待を受けて育った少年“J.T.リロイ”が、実体験をもとに書いた物語」だったからです。一計を案じたローラは、義妹に金髪のカツラとサングラスをつけさせ、「J.T.リロイ」を演じさせることに。だって「30代のパッとしないオバサン」を、世間は決して求めてはくれないからです。
『作家、本当のJ.T.リロイ』 大ヒット公開中!
文/渥美志保
『作家、本当のJ.T.リロイ』 大ヒット公開中!
文/渥美志保