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『ジャッキー/ファーストレディ最後の使命』大統領の妻は「無邪気なお嬢様」では務まらない [with]

2017年04月15日(土) 12時00分配信

(c) 2016 Jackie Productions Limited

ジャクリーン・ケネディといっても、今の20代で知っている人はほとんどいないかもしれません。彼女はアメリカの60年代に、47歳で大統領になったジョン・F・ケネディの奥さんだった人です。ケネディは当時、初の20世紀生まれの若々しい大統領で、名家の生まれでハーバード大卒のイケメンで、混乱する時代に対立する米ソ間の戦争勃発の危機を何度も回避し、人種差別撤廃のために強く働きかけ、女優マリリン・モンローと浮名を流し――という、アメリカの新しい時代を象徴する伝説的な人でもありました。

映画『ジャッキー/ファーストレディ最後の使命』は、このケネディ大統領が暗殺され、そこから妻でありファースト・レディであるジャクリーン(ジャッキー)が何をしたかを描いた作品です。

(c) 2016 Jackie Productions Limited

テキサスでオープンカーのパレードをしている最中に、近隣のビルからライフルで頭を撃ちぬかれるというケネディ大統領の暗殺は、おそらく40代以上の日本人ならほとんどが、その瞬間の映像を見たことがあると思います。その中で多くの人がショックを受けたであろうことは、隣に座っていたジャッキーが粉々になった夫の頭を慌てて拾い集めていたこと。もうとっさに何が起こったのか分からない、そのジャッキーの生々しい混乱ぶりがわかるのですが、映画が描くのはその後です。

(c) 2016 Jackie Productions Limited

現場から去るクルマの中で、ジャッキーは運転手にこう聞きます。「暗殺された大統領を覚えている?」。実はそれまでに3人が暗殺されているのですが、運転手はリンカーンしか覚えていません。それを聞いたジャッキーは、リンカーンのパターンを踏襲して死後の処理を行っていきます。夫の名前をなんとか歴史に残そうと、奔走するわけです。
映画には、彼女の「今後の生活がどうなるのかわからない」という不安も描かれていて、この後、ギリシャの大富豪と結婚することを知っている私は、心配無用! と思いながら見ていたのですが、それもまた自分と家族の安全を確保するためだったとか。 大統領官邸の模様替えの様子や、その後の編集者としての人生などを併せて考えると、この人は完全なプロデューサー気質。やっぱり一国のファーストレディたる人物は、ただのキレイで無邪気なお嬢さんでは困りもので、これくらいの戦略家でないと務まらないのかもしれません。

『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』 大ヒット公開中!

(c) 2016 Jackie Productions Limited
文/渥美志保

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