南果歩/病気と仕事「生きる」意味を考える [おとなスタイル]
2017年02月24日(金) 09時00分配信
2013年11月、俳優の渡辺謙さんと南果歩さんが、気仙沼の人たちと内湾地区に作ったカフェ「K-port」。さまざまな縁によりカフェをオープンすることになった経緯や南さんが大好きな気仙沼の人々を取材した最終日。
病気のおかげで、「生きる」という意味を考えたという南さん。その思いを伺いました。
病気を日常と捉え、リアルタイムに発信する
「気仙沼の魅力って、街ももちろん素晴らしいけれど、やっぱり“人”かなあ。震災後すごくたくさん傷ついて、つらい場面がいくつもあったはずなのに、それでもみんなのため、街のために再び立ち上がろうとしている姿に、一番惹き付けられます。逞しいなあ、美しいなあ、って」
気仙沼から一関へと向かう大船渡線車内で、満ち足りた表情の南さん。
旅を終え、家族のように温かな気仙沼の友人たちの顔を思い浮かべる。
実は、南さんが気仙沼を訪れるのは、今年はこれが初めてだった。舞台の再演などで多忙だったことに加え、春先に初期の乳がんが見つかり、手術と治療に注力していたからだ。
現在も再発予防のための治療を行い、Twitterでその内容を報告する。
「治療をしながら仕事も続けている姿を伝えることで、病気を特殊なものではなく、“日常”と捉え、発信していこうと考えたんです。話をすることで楽になるって気仙沼の方たちもおっしゃっていましたけど、病気も同じ。オープンにすることで気持ちが楽になる部分があります」
ご主人の支えも心強いのでは?
「感謝することは多々ありますが、『もう!』って思うことのほうが断然多いです(笑)。まあ、夫婦ですので。やっぱり自分の体のなかで起きていることだから、自身でなんとかするしかない。とくに入院中は、自分ともっと深く関わる大切さを感じました。シンプルに、『生きる』という意味を考えるようになりましたね。これまで以上に、食べたいものから食べ、見たいものから見る。怖がらず、『いいな』『好きだな』と思う気持ちに、率直でいたいと思います」
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