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「捨てる!」技術 著者・辰巳渚 “シンプル”に生きるこれからの捨て方 [おとなスタイル]

2017年02月12日(日) 09時00分配信

130万部を超えるベストセラーとなった『「捨てる!」技術』著者、辰巳渚さん。仕事をしながらの子育て。40代での離婚、再婚。15年間暮らしてきた湘南、茅ヶ崎の家を処分するという決断…。東京で新たな一歩を踏み出した辰巳さんの背中を押したのは、ただただ、自分の未来への思いだったそう。
50代を迎え、これからの“捨て方”を考える中で大切にしていることを伺いました。
困難は、チャンスの兆し。柔軟に進化していこう

新しい暮らしに最近加わったのが、シェルターから引き取った仔猫。「むぎ」と名付けた。

困難は、チャンスの兆し。柔軟に進化していこう

50代を迎えた実感を問うと「今は組み換えの時期だと思います」との答えが返ってきた。

「幼少期は、与えられた環境の中で人間になり、親元を離れたら自力で仕事や家族や住む家というつながりを作っていくわけですが、50代はそれらを組み換えて、再構築する時期なんじゃないかと。仕事も、ただバリバリ頑張っていればいいというステージではなくなるでしょうし、体も、いわゆる更年期を迎えて、辛い思いもします。でもこれは、単なる衰えではなく、次の自分を生きていくために、体が自ら進化しようとしている証拠。困難なときは、同時にチャンスでもあると考え、そのときどきで捨てるべきと思うものは捨て、残したいものを残していけばいい」

そこで大切にしたいのは、ものや自分に対する考えの柔軟さだと、辰巳さん。30代、きっぱりと捨て方を説いたときの心の芯はそのままに、より寛容に、今を捉えている。

「ものは人間の友だちだし、道具は人間の体の一部になるよう作り出されたわけですよね。それが、どれだけパワーを与えてくれる存在であるかを、あらためて考えの根底に持っていたいなと思うようになりました。それに、生きていくことにしても、この年齢になれば、『私らしさとは』について、あまり思いつめなくていいのではないかと。昨日の自分と今日の自分は違うんだから、『昨日は肉が食べたかったけど、今日は魚にしよう』『面倒だから、洗濯は明日すればいい』というふうに、環境や状況で変化してもいいんじゃない? って。不条理な自分を受け止めて、たまには甘やかしたり、怠けたいときには怠けてもいいんだと思います」

思い通りにならない日も、夜になれば日は沈む。そして、次の朝が来る。そうして刻々と、新しい自分が生まれているのだと、信じること。

「生きる力を身に付けるのは、やはり日々の生活から。自分の体や、感情や頭を使って生きていれば、ぼんやりとした息苦しさからは抜け出せるでしょうし、自分らしさも見えてくるんじゃないでしょうか」

 
不条理な自分を

「それでいい」と認める。

そこからやっと、

自分らしさというものが

見えてくる気がする。

 
■Profile
辰巳 渚
たつみなぎさ
文筆家・生活哲学者
1965年生まれ。お茶の水女子大学卒業後、出版社勤務を経て、マーケティングプランナー、文筆家に。近年の著書に『美しく軽やかに 暮らしを整える44の秘訣』『人生十二相 おおらかに生きるための、「捨てる!」哲学』がある。主宰する「家事塾」での家事セラピスト育成、コンサルティングなどの事業を、現在、バージョンアップに向けて再構築中。

 
『おとなスタイル』Vol.5 2016秋号より
撮影/相馬ミナ

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