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節電女王・稲垣えみ子さんの「ない」暮らし [おとなスタイル]

2017年01月11日(水) 18時20分配信

家電製品のない生活とは

「報道ステーション」「情熱大陸」などに出演して、その節電生活が話題となったフリーランサー、稲垣えみ子さん。2011年に起きた東日本大震災による福島原発事故がきっかけとなり、神戸での生活を一変、次々と家電製品を捨て、エアコン、冷蔵庫、洗濯機もない暮らしを始めました。そこで、「ない」ことが怖くなくなったときに得たものを教えていただきました。

「ある」が「ない」に変わることで得た自由

退社当初、稲垣さんが戸惑ったのは、会社の保険や年金、そして信用までも失い、むき出しの個人として社会と対峙しなければならなくなったことだった。が、一方で、守られた会社員という立場を失ったことでかけがえのない「自由」を得たことにも気づく。それは、電化製品を捨てていくことにもどこか似ていた。「ある」が「ない」に変わることで得られる「自由」である。

「『ない』というと、生活レベルが落ちるとか、惨めだとか言われがちですけれど、それは違っていて。ないと、そこにまた新たな世界が広がるんです。忘れていた“工夫する力”が自分にあることもわかるし。ないことが怖くなくなってくると、どんどん自由になりますよね。

たとえば、電子レンジのスイッチを入れれば、すぐにできてしまう料理。確かにラクだけれど、電気任せにすることで、そのぶん考えなくなってしまった。電子レンジがなければどうしたらいいか? 頭と手を使って、時間をかけて、工夫しながら考えていくことって、まるで自分の脳を洗濯するような感じがします。

錆びついたものを自分の手で元に戻していくような、楽しさがある。『面倒くさい』ことが面白いんです」

洗濯物も少しだけ

洗濯機はないので日々、風呂場で手洗い。洗濯物はここに干せるだけ、という気持ちよさ。

部屋の隅に味わい深い火鉢も発見。

暖房がわりに湯たんぽ&毛布が稲垣さん流。

無駄なものはひとつもありません

ベランダのグリーンは食用。

本棚には、ムーミン物語が!

入社以来、引っ越しのたびに持って行った、愛着ある本棚。
■Profile

いながきえみこ
1965年愛知県生まれ。一橋大学社会学部を卒業後、1987年、朝日新聞社に入社。大阪本社社会部、週刊朝日編集部、編集委員などを経て、2016年1月、退社。
「報道ステーション」「情熱大陸」などに出演して、その節電生活が話題に。著書に『魂の退社』(東洋経済新報社)『アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したからこそ書けたこと。』( 朝日新聞出版)。現在「AERA」でも連載執筆中。

『おとなスタイル』Vol.5 2016秋号より
(撮影/相馬ミナ)

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