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蒼井優×石崎ひゅーい お互いの印象&撮影裏エピソードを語る! [FRaU]

2016年12月02日(金) 21時00分配信

Photo:Yuri Manabe

蒼井さん演じる安曇春子の相手役の幼馴染・曽我として映画デビューを果たした石崎ひゅーい。彼のガチガチの緊張をほぐしてくれたのは、現場での蒼井さんの豪快な飲みっぷりだったそうで…… 。

寝る時間を惜しんでも
飲んで話して作った映画


蒼井優(以下、蒼井) 映画って、初日の前日に決起集会をやるんですけど、現地入りしているキャストとスタッフ全員でとことん飲むんです。ひゅーいくんとは、そこでいきなり打ち解けたよね。

石崎ひゅーい(以下、石崎) そうですね。明日から始まるのにこんなにお酒飲んでいいのかなってくらいみんな飲んでて。でも、良い時間でした。僕はガチガチに緊張していましたから。相手が蒼井優だし、蒼井優ってものに対する壮大なイメージがあるじゃないですか。こえー! としか思ってなかったので。

蒼井 失礼な!

石崎 でも、僕が想像していたのとは全く正反対のキャラクターで、ガッチガチに固めていた蒼井優像が一発でぶちこわされた感じでしたね。アレ? って。気さくな新橋とかにいる小さなおじさんなのかなっていうような印象で。豪快な人だなと。もう大緊張してたので、いい意味で打ちのめされて、心を摑まれました。

蒼井 適当な(笑)。

石崎 いや本当です。

蒼井 スタッフとキャストの境界線みたいなのが一気になくなった夜でした。たぶんそのくらいのピッチで飲んでました。

石崎 撮影中にも、何度かみんなで部屋飲みをしたんです。それで、優ちゃんの部屋でやろうということになって、大女優の部屋に行くのは緊張するじゃないですか。で、行ったらイモ焼酎の一升瓶が10本くらい並んでいて。

蒼井 10本もないよ! 7本くらいだよ。

石崎 7本の焼酎に、イカとかおつまみみたいなのも並んでて。スナックのようで。集まる前から、既に焼酎を飲まれていました。

蒼井 撮影が終わった人からどんどん飲んでた。正直、私は飲んでも飲まなくてもどっちでもいい人間なんですけど、ここ数年で飲んだほうが早いなと思うようになりました。元々アンチノミニケーション派で、仕事場でコミュニケーションをとればいいじゃないかと思っていたんですけど、人見知りは永遠に人見知りなんですよね。昔の映画みたいにリハーサルをたっぷりして関係性を作って、現場でほだされていくみたいなことは今はないですから。そうなったらもう、気を遣わない同士の関係という雰囲気を自分たちで作っていったほうが早い。

石崎 優ちゃんが撮影中に、「別に誇れるような職業じゃないんだ」と言ってたんですよね。それが、けっこう僕のなかでズシンと来て。表現するときの捉え方みたいなものの、懐がすごく広いなと。だから僕みたいな初心者が来てもケアしてくれるし。そういう感覚は、すごいなと思います。

蒼井 両足突っ込んじゃうとできなくなることが多いんじゃないかなと思っちゃうんですよね。どこかでここだけじゃないと思っていたほうが飛べる。

 

ミュージシャン vs. 女優の
予測不能な化学反応


蒼井 私、俳優じゃない人が相手役というのが初めてだったんです。だから、学ぶことが多いだろうなとは思ってはいて。良くないんですけど、カメラの前で何か台詞を言ったり動くってことをずっとやり続けていると、どこか麻痺してきているところがあると思うんですよね。ひゅーいくんは麻痺してるところが何もない分、目の前で芝居したら色々見透かされちゃうんだろうなっていう恐怖心がいっぱいあったし、そういった意味では緊張感がありました。だから、本読みの日に「やってて楽しくないなと思ったら教えて」と伝えたんです。

石崎 言われました。思っても言えるわけないですけどね。

蒼井 まぁ、本当に言われたら顎をゴンと(笑)。

石崎 僕にとっては、初日が一番難関でしたね。

蒼井 全然芝居するシーンじゃなかったんだけど(笑)。

石崎 レジを打つシーンだったんですよ。ピっと打って、セリフを言う。そのタイミングが全くわからなくて、初めからいきなり迷惑をかけたんです。頭真っ白になっちゃって、すごく時間を取ってるし、優ちゃんは端のほうで待機しながら笑ってて、まずいまずいまずいみたいな感じで始まりました。

蒼井 予測不能というか、「あー!」とか「ダー!」とか言ってるから、こんなに真っ白になれる人っているんだと。みんなが孫を見るような目で見守ってました。

石崎 タイミングが悪いと、レジがチーンと鳴っちゃうんですよ、そういうのをずっと繰り返してたんですけど。

蒼井 本人も予測できてないけど(笑)。曽我という役のどうしようもなさにある二面性のアウトプットの仕方が面白かったんです。曽我はすごく地味な男という設定だから、初の映画出演でやりやすい楽な方も選べるのに、そこからボンと突き抜けたり、不器用すぎて全力で拒絶したりと難しい出し方をしていて。でも、ライブを観たときに、ステージでも演劇のような表現をしていたので、普段からこれをやってるんだったらああいう芝居はできちゃうよなと納得しました。わかりやすい演出があるわけじゃないんだけど、圧倒的な表現力があったというか。

石崎 (照れながら)褒められた。最初は、曽我ってこういう人物だと考えて、優ちゃんとの撮影前には曽我を用意していかなきゃという思いがあったんです。そうしたら、読み合わせで松居監督に「そうじゃないだろう」と怒られて。簡単に言うと、「そのままやってくれ」っていうことと、「ちゃんと呼吸をしてくれ」と言われたんだけど、それはどういうことなんだろう、俺は呼吸してるんだけどなと思ったりして。撮影に入るまでに、何となくその意味を自分の中に頑張って入れて、役を演じることではいいのかなという意識ではやったんですけど。後は迷惑をかけない! と!

蒼井 それで、初日から迷惑をかけたっていう(笑)。
※フラウ2016年12月号より一部抜粋

【PROFILE】


蒼井優 Yu Aoi
女優。1985年生まれ、福岡出身。'99年にミュージカル「アニー」で舞台デビュー後、『リリイ・シュシュのすべて』(01)で映画デビューを果たす。

石崎ひゅーい Huwie Ishizaki
1984年生まれ、茨城県出身。2012年、ミニアルバム『第三惑星交響曲』でメジャーデビュー。12月7日に最新アルバム『アタラズトモトオカラズ』が発売。

映画から派生してできたMV『花瓶の花』
友人の結婚式のときに書き下ろした、実体験を元にした石崎ひゅーいさんの楽曲「花瓶の花」。石崎さんが映画の現場で声をかけたことをきっかけに、松居さんが監督、蒼井さんが出演するミュージックビデオと短編映画が制作された。

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