- TOP
- > NEWS&TOPICS一覧
- > 蒼井優×山内マリコ「30代を生きる女性の、自由さ不自由さ」 [FRaU]
蒼井優×山内マリコ「30代を生きる女性の、自由さ不自由さ」 [FRaU]
2016年11月27日(日) 19時00分配信
エッセイスト・山内マリコさんの書く小説の世界に共感するという蒼井優さん。共に働く30代の女性として活躍中の相思相愛の二人による、「30代は、20代よりももっと自由でもっと楽しい」対談、始まります。
蒼井優(以下、蒼井) 読んだ人はみんなそう感じると思うんだけれど、山内さんの本を読むと、この作者とは友達になれると思えてしまう。「わかる!」みたいな。読みながら、「飲みに行く?」って言いたくなる。そういう気持ち良さがとってもありますよね。
山内マリコ(以下、山内) わ〜、嬉しいです!
蒼井 もしかして20代前半だったら愚痴っぽく思えてしまう可能性もあることでも、今や自虐も含めた話のネタとしても完成度が高いものができ上がっているという感じに近いというか。「私たち、もう笑い飛ばせる年齢になったよね」っていう。
山内 (笑)。私、『リリイ・シュシュのすべて』の頃から蒼井さんのファンだったんです。高橋ヨーコさんの撮影した写真集も持ってるし、夫も同じのを持ってたので、家に2冊あるっていうくらい夫婦でファンで。だから、映画化の主演が蒼井優さんだと聞いたときは、本当に小躍りしました。この仕事でたまに芸能人の方とお会いすることがあって、だいぶ免疫がついてきたのでそこまでテンパらなくなりましたけど、今もちょっとドキドキしてます。
蒼井優(以下、蒼井) 読んだ人はみんなそう感じると思うんだけれど、山内さんの本を読むと、この作者とは友達になれると思えてしまう。「わかる!」みたいな。読みながら、「飲みに行く?」って言いたくなる。そういう気持ち良さがとってもありますよね。
山内マリコ(以下、山内) わ〜、嬉しいです!
蒼井 もしかして20代前半だったら愚痴っぽく思えてしまう可能性もあることでも、今や自虐も含めた話のネタとしても完成度が高いものができ上がっているという感じに近いというか。「私たち、もう笑い飛ばせる年齢になったよね」っていう。
山内 (笑)。私、『リリイ・シュシュのすべて』の頃から蒼井さんのファンだったんです。高橋ヨーコさんの撮影した写真集も持ってるし、夫も同じのを持ってたので、家に2冊あるっていうくらい夫婦でファンで。だから、映画化の主演が蒼井優さんだと聞いたときは、本当に小躍りしました。この仕事でたまに芸能人の方とお会いすることがあって、だいぶ免疫がついてきたのでそこまでテンパらなくなりましたけど、今もちょっとドキドキしてます。
30代女性として生きる 自由さ不自由さって?
山内 20代のときは本当に何もなかったんです。仕事もないし、お金もない状態。だから、31、2歳のときにデビューできて、何をしたっていい自営業で、仕事もありがたいことに困るくらいあって、ある程度自分で稼げるようになるようになったという意味では、すごく自由な気がします。同時に、30代になると20代後半の焦りとは違う、結婚や出産に対する、内的・外的プレッシャーみたいなものは日々感じていて。どっちをとっても悩みはあるけれど、どの道を選ぶかということは考えますね。
とはいえ、山口智子さんのように割り切ったスタンスにもなれないから、精神的には不自由と言えるかも。女性たちの人生にいろんな選択肢が並べられている中で、選択肢の数だけ悩みが増えているのが今ですよね。その上で、もう少ししたら選べなくなるものが出てきますよっていう期限が迫ってきているのを、ひしひし感じているというか。
蒼井 私は行き当たりばったりで生きちゃうから。なるようになるかなって思ってる。
山内 いいと思う! 蒼井さんは、そういうプレッシャーから解放されている感じしますね。
蒼井 あんまり真剣に考えたことがないんです。たぶん、色々言われてるとは思うんですけど。たとえば、「結婚どうするの?」「子どもどうするの?」と聞かれても、「おはよう」と言われているみたいにしか聞こえない。
山内 それが一番(笑)。
蒼井 「おはよう」って、本当にお早い(お着き)ですねと思って言っているわけじゃないじゃないですか。それと変わらなくて、私の子どもがどうとか結婚どうとかその人にとって一生興味のあることじゃないと、何となく聞いてるんだろうとわかっているから。あんまり重く受け止めても、向こうも困るだろうし。
山内 格好いい。そうありたい!
蒼井 以前、映画の賞の授賞式で、主演として85年生まれの女優さんが二人立っていて、私が助演として段下にいて、「ああ、既婚、離婚、未婚」と思って。私だけ戸籍がキレイとか、いいように捉えました(笑)。今楽しければいいかなと思っています。
山内 そういう話を聞くと本当に気持ちがいいね。私は結婚したし、楽しいけど、そのなかで生まれる日常的な不自由さとか制約はやっぱり多いから。
蒼井 私自身は、みんなでものを作るという仕事に就いているのがいいのかもしれないと思います。結婚がまたそれとは別なのはわかるけど。映画の現場はみんなが支え合って、仲間が増えていく仕事だから。『アズミ〜』のチームは仲良くなりすぎて、みんなでシェアハウスに住めるんじゃないかという話になったくらい。
山内 そんなに仲良くなったら、終わるとき悲しくならないですか? クランクアップした次の日から全く会わなくなるって。
蒼井 だからまだみんなでダラダラと会っている(笑)。
※フラウ2016年12月号より一部抜粋
とはいえ、山口智子さんのように割り切ったスタンスにもなれないから、精神的には不自由と言えるかも。女性たちの人生にいろんな選択肢が並べられている中で、選択肢の数だけ悩みが増えているのが今ですよね。その上で、もう少ししたら選べなくなるものが出てきますよっていう期限が迫ってきているのを、ひしひし感じているというか。
蒼井 私は行き当たりばったりで生きちゃうから。なるようになるかなって思ってる。
山内 いいと思う! 蒼井さんは、そういうプレッシャーから解放されている感じしますね。
蒼井 あんまり真剣に考えたことがないんです。たぶん、色々言われてるとは思うんですけど。たとえば、「結婚どうするの?」「子どもどうするの?」と聞かれても、「おはよう」と言われているみたいにしか聞こえない。
山内 それが一番(笑)。
蒼井 「おはよう」って、本当にお早い(お着き)ですねと思って言っているわけじゃないじゃないですか。それと変わらなくて、私の子どもがどうとか結婚どうとかその人にとって一生興味のあることじゃないと、何となく聞いてるんだろうとわかっているから。あんまり重く受け止めても、向こうも困るだろうし。
山内 格好いい。そうありたい!
蒼井 以前、映画の賞の授賞式で、主演として85年生まれの女優さんが二人立っていて、私が助演として段下にいて、「ああ、既婚、離婚、未婚」と思って。私だけ戸籍がキレイとか、いいように捉えました(笑)。今楽しければいいかなと思っています。
山内 そういう話を聞くと本当に気持ちがいいね。私は結婚したし、楽しいけど、そのなかで生まれる日常的な不自由さとか制約はやっぱり多いから。
蒼井 私自身は、みんなでものを作るという仕事に就いているのがいいのかもしれないと思います。結婚がまたそれとは別なのはわかるけど。映画の現場はみんなが支え合って、仲間が増えていく仕事だから。『アズミ〜』のチームは仲良くなりすぎて、みんなでシェアハウスに住めるんじゃないかという話になったくらい。
山内 そんなに仲良くなったら、終わるとき悲しくならないですか? クランクアップした次の日から全く会わなくなるって。
蒼井 だからまだみんなでダラダラと会っている(笑)。
※フラウ2016年12月号より一部抜粋
PROFILE
蒼井優 Yu Aoi
女優。1985年生まれ、福岡出身。'99年にミュージカル「アニー」で舞台デビュー後、『リリイ・シュシュのすべて』('01)で映画デビューを果たす。
山内マリコ Mariko Yamauchi
1980年生まれ、富山県出身。2012年、『ここは退屈迎えに来て』で作家デビュー。最新作『あのこは貴族』(集英社)が11月25日に発売予定。
女優。1985年生まれ、福岡出身。'99年にミュージカル「アニー」で舞台デビュー後、『リリイ・シュシュのすべて』('01)で映画デビューを果たす。
山内マリコ Mariko Yamauchi
1980年生まれ、富山県出身。2012年、『ここは退屈迎えに来て』で作家デビュー。最新作『あのこは貴族』(集英社)が11月25日に発売予定。