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山口智子×水原希子 心と心で繋がっている二人が語る「異分子の美学」  [FRaU]

2016年09月24日(土) 18時00分配信

お互いを深くわかりあえている二人

山口 私は、希子さんの真面目さが大好き。いつも誠意を尽くして、懸命に戦っている。親子ほど年は離れてますが、心から尊敬しています。戦うといっても、周りと戦闘態勢にあるのではなくて、自分自身と常に戦っている。更に進化するために、いつも自分に挑んでいる。

希子 あー、今まさにその戦いの渦中にいるので、そう言ってもらえると、救われます。私、小さい頃から、「自分ってヘンなのかな?」とか、「みんながこうだって言うことに賛成できない自分はおかしいのかな?」とか、人との違いに悩まされることが多かったんです。神戸にいた頃は、母親が韓国人、父親がアメリカ人なのに日本に住んでいることで、顔立ちから、着ているもの、聴いている音楽まで、何もかもが周りと違いすぎて浮いてた。その頃は、「みんなと一緒がいいな」とか「違ってて恥ずかしい」って思ったこともあったし……。

山口 そう思わなくなったのはどうして?

希子 母から、「あなたは他の誰とも違う世界でたったひとつの可愛さを持っている」って言われたこと。13歳で本格的にモデルとしての活動を始めてからも、母は、ずっと私を守ってくれました。それでも、ハーフモデルがひしめき合うViViでモデルとして活動するようになるまでは、自分がある種の異分子であることに、ずっと負い目みたいなものは感じていたかもしれないです。でも、山口さんは、私が直接出会うずっと前から、嘘のない、すごくオリジナリティに溢れた生き方をしていた。実際にお会いしてみると、自分の人生のことをすごく真面目にとらえていて、よりよい自分を常に模索している。山口さんに出会ってから、「今の自分のままでいいんだな」って思えたこと、何度もありました。

山口 異分子って、素敵なことだよね? 私は、色どり溢れるカラフルな世界が大好き。人はそれぞれ違うからこそ、互いに憧れたり、尊敬し合える。もし世界が、たった一つの色だったら……。ほんとうに淋しくてつまらない。人と同じ人生を生きる必要なんて全くないのだから、自分にしか醸し出せない色彩で、世界を楽しく面白く彩ることに、私も微力ながら参加したいと思っています。希子さんは、唯一無二の個性で、人として真っ当に生きてるから、いつも感心して見てますよ(笑)。

希子 真っ当に生きているかどうかはわからないけれど、真っ当でありたいとは思っています。私が、人前に出る人間として誠意をもって最後まで貫き通したいことは、“嘘をつかない“ってことなんです。SNSが普及した現代には、私が発信したことが間違った解釈をされたまま広まってしまうことがあって、本当に、嵐の中にぽつんと放り出されたみたいな状態になったりしたんですけど……。でも、今私が取るべき道は、自分が正しいと思うことは曲げないこと。長いものに巻かれるとか、易きに流れるんじゃなく、自分自身の決断を信じて戦うことなんじゃないかって……。今は理解してもらえなくても、嘘をつかずに生きていけば、その私の生き方を見て、5年後、10年後には、理解してくれる人もきっと出てくるんじゃないかと信じているんです。

※フラウ2016年10月号より一部抜粋

PROFILE

山口智子
1964年生まれ。’88年NHK朝の連続テレビ小説「純ちゃんの応援歌」のヒロイン役でデビュー。「ダブル・キッチン」(’93年)、「29歳のクリスマス」(’94年)、「王様のレストラン」(’95年)、「ロングバケーション」(’96年)など代表作多数。映像制作にも携わり、2010年以降、世界の音楽文化を収めた映像シリーズ「LISTEN.」(BS朝日)をプロデュース。9/ 24、25 13:00~新シリーズがOA予定。

水原希子
1990年アメリカ生まれ。兵庫県育ち。2003年モデルデビュー。’07年7月よりViVi専属モデルに。’09年「ノルウェイの森」で女優デビュー。’13年には「八重の桜」で大河ドラマにも出演した。’15年公開の映画「進撃の巨人」前後編ではアクションにも挑戦。この年、ドラマ「心がポキッとね」で山口智子と運命の出会いが。大根仁監督の映画「奥田民生になりたいボーイとすべての男を狂わせるガール」(’17年公開)では“すべての男を狂わせる“天海あかり役。’10年「KIKO」、’12年「水原希子×蜷川実花 girl」という2冊のフォトブックを刊行。

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