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小林聡美さん×俳人・宇多喜代子先生 おとなの俳句対談 [おとなスタイル]

2016年06月09日(木) 09時00分配信

田代島、そして竹富島。“猫”を詠む吟行(ぎんこう)へ

小林聡美さん×俳人・宇多喜代子先生

田代島、そして竹富島。“猫”を詠む吟行(ぎんこう)へ

日本の美しさを豊かに表す俳人・宇多喜代子先生が、多彩なゲストとともに、季節の句を詠み合います。今回お迎えするのは、女優の小林聡美さんです。

宇多先生(以下敬称略) 小林さんとは、私の出演していた俳句番組にゲストとして来ていただいたのが、ご縁の最初でしたね。

小林 はい、私は俳句を始めて今ちょうど4年目なのですが、テレビで「NHK俳句」を毎週欠かさず拝見しているんです。宇多先生の俳句に対する厳しさと大らかさ、そして明るさがとても素敵だなと思っていたら、ちょうどゲストにというお話をいただきまして。

宇多 あの頃、まだ俳句を始めたばかりだったんですよね。その番組の後、見てくださった方の反応がとてもよかったものだから、今度は吟行、つまり俳句を詠みながら旅するのはどうか、という話になって。

小林 それがきっかけで一昨年、イラストレーターで猫好きな南伸坊さんと女優の平岩紙さんもお誘いして、猫がたくさんいることで有名な宮城県の田代島と沖縄の竹富島に、先生とご一緒させていただきました。

宇多 猫を詠むというテーマで、2本の番組になりましたね。

小林 仕事ということを忘れるくらい、楽しかったです!

宇多 私も楽しかったですよ。竹富の海も本当にきれいで。みなさん、よい句を詠まれましたね。

題は季語だけでなく、身近なものや名前でも

小林 ただ吟行だと題や季語が決まっていないことも多いうえに、刺激をうける情報がありすぎて、迷ってしまうことがあります。

宇多 それが吟行の大変なところですね。何かに自分で目をつけないといけませんから。情報がありすぎるときは、意識的に一点に絞るというのも大事ですよ。うろうろと歩きまわって、いい句ができるとも限りません。でも、何か必ずあるものです。小林さんは、俳句のどんなところがお好きなの?

小林 とにかく句会がとても楽しいんです。それぞれの人の暮らしの目線が句によく表れるので、とても興味深くて。

宇多 確かに、一人よりも仲間と一緒に取り組むほうが上達しますよ。他から教えられることが多いということでしょう。句会の題は、季語ですか?

小林 はい、いつもそうです。

宇多 もちろん季語でも楽しいけれど、たとえば鉛筆とか消しゴムなど、身近なもので題をお出しになってもいいかもしれませんね。あと名前の一字をとるという方法もあります。たとえば、小林さんなら「林」という字を題にして、みんなで句を作るんです。

小林 面白いですね! 今度の句会で、ぜひ試してみます。

<小林聡美さん プロフィール>
1965年、東京都生まれ。映画やドラマ、CMへの出演のほか、『散歩』(幻冬舎文庫)、『読まされ図書館』(宝島社)などエッセイの著作も多数。映画は4月公開『あやしい彼女』、5月公開『海よりもまだ深く』に出演。

<宇多喜代子先生 プロフィール>
うだ きよこ 俳人。現代俳句協会特別顧問を務める。著書は『名句十二か月(』角川選書)『、里山歳時記 田んぼのまわりで』(日本放送出版協会)など多数。作家の故・中上健次氏との親交でも知られる。農事や歳時記に造詣が深い。

おとなスタイルVol.3 2016 春号

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