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『リップヴァンウィンクルの花嫁』に見る貧困女子に、痛感する「一生ものの仕事」と「貯蓄」の必要性! [with]

2016年04月09日(土) 17時30分配信

『 リップヴァンウィンクルの花嫁』 2016年3月26日より公開 ©RVWフィルムパートナーズ

ある人気女性作家に「女子が幸せになるためにはどうすれば?」と質問した時、返ってきた答えは「お金だよね」。彼女が言うのは「贅沢」というレベルではなく「生活」というレベルでの「お金」です。そして「だから独身でも結婚しても、仕事は絶対に止めちゃダメなのよ」と続けたのでした。「貧困女子」という言葉が存在感を増す今の社会で、これは掛け値なしの真実だと思います。

そういう中で10代20代女子の結婚願望、専業主婦願望が強いことには、すごくヤバイ感じを覚えます。ネットで「貧困女子」を検索すると「独身女性の3人に1人が貧困」という言葉ばかりが目につきますが、これは「貧困女子」=「独身」みたいな嘘のイメージを刷り込もうとするオッサンたち――「女は家で家事と育児だろ!」と信じてる恐竜時代の生き残りみたいなオッサンたちの陰謀です。

真実はもちろん違います。分り切ったことですが、「貧困女子」=「まともなお金を払ってもらえる仕事についていない人」。つまり労働を金銭に換算してもらえない専業主婦は、全員が「潜在的貧困女子」です。何かの拍子で結婚が破綻すれば、夫の気持ちひとつで貧困へとまっさかさま。慰謝料とか養育費とかちゃんと払える男なんて、いまや絶滅しています。

岩井俊二監督の新作『リップヴァンウィンクルの花嫁』は、まさにそういう話です。何も考えず結婚して仕事を辞め、なんとなくこのままふわふわと生きてけるつもりだった20代女子が、それゆえに社会に投げ出され他人に利用され、そのことにすら気づかないまま流されてゆく物語です。

映画で“親切顔”の綾野剛がヒロインに言うのが、ずーんと響くこのセリフ。
「誰かにもたれかかりたいとか、心が満たされないとか、気を付けた方がいいですよ」
こんな時代、誰かを頼ることだけでは乗り越えられません。必要なのは「一生ものの仕事」と「貯蓄」。ここに愛があれば最高ですが、なかったとしても死にはしないし、気持ち次第でそれなりに楽しくやっていけるものです。女子たち。恐れず、強くなって。(文:渥美 志保)

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