女性誌ネットは、講談社の女性誌を集めたポータルサイトです。

私たちのブランド「45R」はスタート当初はアメリカンカジュアルでしたが、16年ほど前からメイド・イン・ジャパンに着目し、その上質さを世界にアピールしていく方向に転換しました。そのためにも日本の文化を勉強し直そうと、40代で茶道を本格的に始めたんです。茶道は日本文化の結集。とても勉強になっただけでなく、大切な席で失礼のない立ち居振る舞いができるようにもなりました。
最近、うれしいことに「お肌つやつやですね」って言われることが増えたんですけど、実はここ一年、“何もしない”美容法を実践し始めていて（笑）。朝晩は基礎化粧品だけで簡単にお手入れし、日中はファンデーションを塗らず、パウダーを軽くのせて眉毛を描く程度。ものすごく楽で、自由になりました。そういう心の状態も、お肌にいいのかもしれませんね。
私が憧れるのは、“そのまま”を生きている、素敵なおとなの女性たち。この前たまたまゴルフ場でデザイナーの島田順子さんをお見かけしたのですが、真っ黒に日焼けされていたけれど、白髪をピッとまとめ上げ、ポロシャツにジョッパーズ姿！　「うわあ、カッコいいなあ」と素直に感激しました。若さにこだわるのではなく、“その歳なり”の美しさってあると思います。別にシミやシワがあったって構わない。私自身も、年齢なりに自分のシワも美しいと思えるような女性になれるよう、日々努力しているところです。

＜井上保美さん(61)　プロフィール＞
デザイナー。’78年、ブランド「45rpm」をスタートし、以来デザイナーとして活躍。現在はブランド「45R」で、国産の藍やインディゴなど良質な素材にこだわった、気持ちよく長持ちする服作りに携わり続ける。今秋、暮らしやスタイルについて記した自著『フォーティファイブアールピーエム 井上保美の本』を発売予定。
おとなスタイルVol.1 2015秋号より