山口智子が今の心情をすべて告白 | FRaU

2016年02月18日(木) 09時00分配信

仕事を始めた理由は、「田舎に帰りたくなかったから」

山口智子さんロングインタビュー

仕事を始めた理由は、「田舎に帰りたくなかったから」

FRaU3月号で山口智子さんがロングインタビューに答えた。短大卒業後にモデルとしてデビューし、’88年、NHK連続テレビ小説『純ちゃんの応援歌』のヒロインに。その後は、『ダブル・キッチン』(’93年)『29歳のクリスマス』(’94年)『ロングバケーション』(’96年)などの大ヒットドラマに、続けざまに出演した。

「仕事を始めた理由は、極々シンプル。『田舎に帰りたくなかったから』。ほんと、不純な動機です(笑)。実家は当時、旅館を経営していて、一人娘の私は家業を継いで旅館の女将(おかみ)になるという道が定められていた。でも本心は揺らいでいて、20代前半の頃は、どうにか家業を継がないで済む方法はないだろうかと必死でもがいていました。」

『こんな気持ちではじめていた人が、このまま続けていていいのか』と思いながらも、目の前の仕事を一生懸命続けていくうち30歳を過ぎ、「かっこいい女」を象徴する存在となっていた。

「私自身の人生は、これから先もずっとずっと続いていくのだから、自分が何に興味を持って、何を学びたいかを明確にして、自分自身で合点がいくことをしてみたいと思ったんですね。だから、『ロングバケーション』以降、俳優の仕事からしばらく離れていたのも、とくに大きな決断をしたというわけじゃないんです。結婚した直後だったこともあり、小さい頃に漠然と抱いていた『主婦になりたい』という夢をちゃんと実行してみようかなと。主婦って衣食住に関わって生活をクリエイトする仕事でしょ。面白そうだなと思って。それで家のことを楽しんでたら、あっという間に4~5年経っちゃった(笑)」

「唐沢(寿明)さんと結婚してからは、料理は毎日徹底的に作りました。『こんな私を選んでくださってありがとう。せめて食でご奉仕しないと』という思いもあって(笑)。彼も大勢人を呼んで毎日が誕生会みたいだった。で、エネルギーを注ぎすぎて燃え尽きちゃった(笑)。『一生分は作ったな』という達成感はありますよ。今は、必要に迫られない限り作らない。具沢山の汁物を巨大な鍋で作って、1週間もたせる感じ。あとは夫と外に食べに行っちゃう。作るより食べる方が断然好きだということに気づきました(笑)」
「丸顔コンプレックスだった私に、唐沢さんは『丸顔じゃなきゃダメ』って言ってくれた

山口智子さんロングインタビュー

「丸顔コンプレックスだった私に、唐沢さんは『丸顔じゃなきゃダメ』って言ってくれた

2000年頃からは旅の映像シリーズの制作、40代になってからは日本の職人のもの作りを追い、その情熱から伝統工芸のセレクトショップをオープンしていたこともある。

仕事を通しての出会いや、数年前から再開したフラメンコ、美味しいものを食べること以外に、山口さんの人生を彩っているのは、何と言ってもパートナーの唐沢寿明さんだろう。31歳で結婚した山口さんに、ズバリ、「結婚はオススメですか?」と聞くと、聞いているこちらが赤面するような答えが返ってきた。

「人生において大事なのは、自分のスタイルを見つけることだと思います。結婚も、 “人それぞれ” の形があると思う。人を真似する必要はない。私はもちろん、世界で一番幸せだと思って生きてます。すっごく幸せです(笑)!
何を結婚の定義にするかにもよると思います。私は特殊な育ち方をしているので、血の結びつきを全く信用していない。私はずっと、『親』というものになりたくないと思って育ちました。私は、『子供のいる人生』とは違う人生を歩みたいなと。だからこそ、血の繋がりはなくとも、伴侶という人生のパートナーを強く求めていました。唐沢さんは、夫であり、家族であり、友であり、恋人であり……。唐沢さんと一緒に生きることは、ほんとうに楽しいです」

モデルになりたての頃、モデルの華奢な体型からはほど遠い、たくましい骨格に悩まされ、女優になりたての頃は、自分の丸顔がどうしても好きになれなかった山口さん。

「丸顔コンプレックスだった私に、唐沢さんは『丸顔じゃなきゃダメ』って言ってくれた。捨てる神あれば拾う神ありですね(笑)。たとえ世の風潮の型にはまらなくても、人と違うものを誇っていいんだと思えるようになりました」

けれど、その境地にはなかなかたどり着けるものではないと軽やかに笑う。

「私も若い頃は、パートナーに対して、あまりにも趣味が違いすぎることにフラストレーションを感じることもありました。夫は私とは真逆の嗜好。彼の興味は、好きな仕事と車、あとブルース・リー、たった3種類だけ(笑)」

年に1度出かけるスペインバルを巡る旅へ出かけるのだが、旅先での行動は別々だという。

「私は町歩きに出かけるけど、彼はホテルの部屋でずーっとiPadをいじってる(笑)。でもここ数年、あれほどフラメンコに興味のなかった夫と、フラメンコ談義ができるようになった。人って変わるんだな、と(笑)。だから、人と時間をかけて付き合っていくって、ほんとうに面白い」

「私は多種多様なことに興味津々で、一緒に旅をしても興味の対象が全く違うから、食べるとき以外はいつも別行動。若い頃は、『なぜ同じものを見て感動できないんだろう』って思ってました。でも今では、私を好きなだけ放っておいてくれることに大感謝。私はのびのび自分の興味の的に邁進できるから。

考えてみたら、私に何かを強制をしたこともないし、あれダメこれダメと、命令されたことは一度もない。いつも私が一番心地いい状態になるように、放っておいてくれる。私が旅の仕事で長期間留守にしても、彼は自分できちんと健康管理しながら、サバイバルしていてくれる(笑)。

彼曰く、『自分がしてほしいことを相手に押し付けるのではなくて、相手が幸せでいてくれることが自分の幸せ』なんですって。私が楽しく幸せでいることを望んでくれる人に出会えて、私は本当に幸せ。彼には心から感謝してます」
人間、常にちゃんと勝負していれば、老化なんてしないと思う

山口智子さんロングインタビュー

人間、常にちゃんと勝負していれば、老化なんてしないと思う

山口さんは自分の夢を考えないようにして育った反動なのか、自分の好きだと思えることを、仕事として選び取っている人への憧れがあったという。

「唐沢さんはまさに、自分の夢に邁進する人。でも彼と出会った頃は、あまりに自分と違う感覚に戸惑ったこともあります。それは、常に周りの社会と戦闘態勢にあること。私は全てを平和的に受け入れて肯定していくタイプですが、彼はいつも世間や自分に対して、戦いを挑みながら進んでいく。あと他に? 彼の何に惹かれたか? ……なんだかんだ言って、私は踊れる人が大好きなので、若い頃ディスコで磨いたという、唐沢さんのソウルフルなダンス!(笑)」

唐沢さんが“常に戦いを挑んでいくタイプ” であることに影響されたのだろうか。協調派の山口さんも、“美しく老いる” ことを「人間として、一生賭けた勝負」と表現した。

「醜く老いたくない。やっぱり、知恵や話術を磨いて世の中の役に立って、大人として若い人から憧れられるバアさんになりたい(笑)。年のとり方って、人における最大の課題だと思います。老いに対しては、喜んで挑んでいきたいですね。

まだまだ見なきゃいけないこと、学ばなきゃいけないことが山積みで、人生楽しくてしょうがない。人間、常にちゃんと勝負していれば、老化なんてしないと思う。憧れられる大人になることは、大人の責任。カッコいい大人が増えないと、若者がついてこないでしょ?

でも、美しく老いるためには、見えない努力が必要。心身の健康を自分で律して、チャレンジ精神や向上心を持ち続けること。女性としての可愛さやお洒落も忘れず、美しいオーラを放てる人間を目指したいです」

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