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フランスのニースを拠点に活躍するシェフ・松嶋啓介氏による“男性の胃袋”を徹底的に研究する企画。「メンズ胃袋研究所」というインパクトのあるタイトルのとおり、今日は「男の胃袋」について男性目線で考えてもらいました。「男の胃袋」とはどんなものなのでしょうか？　これから婚活をするうえで知っておきたい彼の心を掴むヒントになること間違いなし！

みなさん、はじめまして。
フランス・ニースを拠点にフレンチのシェフをしています松嶋啓介です。
僕は20歳で日本を飛び出し、25歳のときにニースに今のお店「KEISUKE MATSUSHIMA」をオープンさせ、そのタイミングで今の妻と結婚。
その3年後にはミシュランから外国人シェフとして最年少で星をいただきました。
なぜ20代そこそこの無名のシェフが短時間で、しかもフランスという異国で評価を得ることができたかのか。それは数々の失敗を重ねながら挑戦をしてきたから、というだけではありません。
こういうことは本人には面と向かって伝えたことはありませんが、外で一心不乱に働く僕を支えてくれている“妻”の存在がとても大きかったと改めて思うのです。

結婚して、男が仕事を頑張れるがどうかは、結婚相手のサポートがとても大きいと思うんですよ。そして、そのサポートで一番ウエイトが大きいのは“食”だと確信しています。
『男の胃袋を掴めば大丈夫！』
この言葉、昔からよく聞きますよね（笑）。
男の僕からしてみると、この言葉はかなり結婚の本質を突いた言葉のように感じています。
なぜならシェフである僕自身も大変にお恥ずかしのですが、妻に“胃袋”を掴まれている男性のひとりだからです。
シェフであり、男という立場からみなさんへ“食”と“結婚”、そして“男の胃袋”についてお話しできればと思っています。

まず「男の胃袋」とは何かを考えてみましょう。
“胃袋”というからには、口から食べたものが運ばれていく場所です。
人は食べたものを栄養に変え、身体を動かすパワーにします。
では、どんな食べ物が男性の活力になるのでしょうか？

仕事で疲れて家に帰ってくるとホッとしたいじゃないですか。
じゃあ、ホッとするご飯って何だろうと考えると・・・懐かしい味。
そう、男はとっさに“おふくろの味”を思い浮かべます。
これは女性のみなさんも同じじゃないですか？
たまに実家に帰ったとき、おふくろが作ってくれたご飯を食べるとホッとしませんか？
ホッとするご飯を食べたらまた頑張れる。
男って単純な生き物だから、すごく豪華な食事よりも、毎日食べたいのは小さい頃から慣れ親しんできたホッとする懐かしいご飯なんですよ。
フランスのシェフの友たちに「誰の影響を受けてシェフになったか？」と聞いてみると、大半が“おふくろ”なんですよ。
プロの料理人も原点はおふくろの味。そのぐらい小さい頃に食べたものの影響を受けているという証でしょうね。

先日友人から「同棲している彼氏の帰りがいつも遅い。彼にどんな食事を作ってあげればよいですか？」と聞かれたんです。
僕はこの手の質問には必ず「彼はどこ出身？」と聞くようにしています。
すると、その彼氏の出身は福岡県とのこと。
なので、がめ煮っていう筑前煮のレシピを教えてあげました。なぜなら、福岡県の人にとっては、がめ煮が“ふるさとの味”だから。
さっそく友人はがめ煮を作ったら、彼はすごく喜んだそう。
次の僕からのアドバイスは、「黙って冷蔵庫に明太子を買って入れておきな。ご飯だけ炊いてほったらかして置いたら明太子はネズミにかじられたみたいになってるから」と。
すると3日後、友人からは「引っ掛かりました！」というメッセージが（笑）。
冷蔵庫の明太子は見事に消費されていて、彼氏の帰宅時間も早くなったそう。
なんというのか、仕事を頑張っている男って外で色々食べているから、家では体調を整える料理か小さい頃から慣れ親しんでいるホッとするご飯だけで十分！
そう考えると“男の胃袋”というものは、小さい頃に食べていたホッとする味なんだと思う。
彼はどこ出身で、小さい頃お母さんがどんなご飯を作っていてくれたのか。
そして、男の心を掴むことを“胃袋を掴む”なんて言葉で表すことが多いけど、それはまず相手のことを知るなんだと思う。
そう考えると婚活もマーケティングと一緒なんじゃないかな。
相手のことを知り、その人が望むことを先回りしてやってあげる。
数回デートしたら、彼の出身地や彼がどんなものを食べて育ったかぐらいはリサーチできますよね。自分の得意料理で“料理上手アピール”をするよりも、彼の求めている料理をさっと出せる女性の方が男性からの評価は高い！　これは男の僕だからこそ断言できます！
九州や東北出身の彼には郷土料理、都心出身の彼にはホッとするような大衆食堂にあるようなご飯でいいと思う。
男性へご飯を作る前には、まず彼の食べ慣れた味のリサーチを！