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17歳で歌人デビュー!小説家でもある加藤千恵のルーツを探る [FRaU]
2017年09月06日(水) 20時00分配信
歌人・小説家の加藤千恵さん。インターネットで発表した短歌が話題となり、高校3年生で歌人としてデビュー。順風満帆なスタートではあったが、大学卒業後の進路に悩む日々も……。
加藤千恵さんのCHRONOLOGY
1983年 北海道旭川市生まれ
1999年 ホームページで短歌の発表を始める
2001年 短歌集『ハッピー アイスクリーム』(マーブルトロン)でデビュー
FMりべーる『かとちえ・舞のラジオラジオラジオ!』パーソナリティ
ファッション誌『Zipper』(祥伝社)で初の連載コラム
2002年 上京、立教大学文学部日本文学科入学
2009年 初の短編小説集『ハニー ビター ハニー』(集英社)
2010年 初の長編小説『誕生日のできごと』(ポプラ社)
2014年 『こぼれ落ちて季節は』(講談社)
2015年 ニッポン放送『朝井リョウ 加藤千恵のオールナイトニッポンZERO』
2017年 『点をつなぐ』(ハルキ文庫)
1999年 ホームページで短歌の発表を始める
2001年 短歌集『ハッピー アイスクリーム』(マーブルトロン)でデビュー
FMりべーる『かとちえ・舞のラジオラジオラジオ!』パーソナリティ
ファッション誌『Zipper』(祥伝社)で初の連載コラム
2002年 上京、立教大学文学部日本文学科入学
2009年 初の短編小説集『ハニー ビター ハニー』(集英社)
2010年 初の長編小説『誕生日のできごと』(ポプラ社)
2014年 『こぼれ落ちて季節は』(講談社)
2015年 ニッポン放送『朝井リョウ 加藤千恵のオールナイトニッポンZERO』
2017年 『点をつなぐ』(ハルキ文庫)
短歌を詠む17歳の歩んだシンデレラストーリー
高校3年生で歌人としてデビュー。そもそも短歌と出会ったきっかけは?
「中学生のときに、枡野浩一さんの短歌集『てのりくじら』と『ドレミふぁんくしょんドロップ』が書店で平積みにされていて、中を開いたら、そこに載っている短歌に衝撃を受けました。学校で習った短歌と全然違う!って」
もともと本を読むのは好きで、中学時代には少女小説をよく読んでいた。
「講談社X文庫シリーズ『ティーンズハート』の小林深雪さんが好きで、折原みとさんも読んでました。漫画は『天使なんかじゃない』『姫ちゃんのリボン』を連載していた『りぼん』。その頃から自分で物語を書いたりして。学園物のラブストーリーとか。中学校では『有閑倶楽部』と『天使なんかじゃない』に憧れて生徒会に入りました」
高校入学後、インターネットによって、大きな転機が訪れる。
「高校1年生のとき、家にネットを引いてもらって。当時、枡野浩一さんが掲示板をやられていて、あの短歌集の人だ、と思って私もそこに出入りするようになりました。その中に『よい子の歌謡曲』というミニコミ誌をやっていた方たちがいて、岡崎京子がおもしろいよとか、小沢健二が好きならフリッパーズ・ギターも聞いてみて、という感じで、年上の人たちからいろんなカルチャー情報を教えてもらったんです。あの頃、夜中だけネットが使い放題になるので、夜は起きてネットをやって、授業中はよく寝てました(笑)」
その掲示板に自作の短歌を投稿したり、自分でもホームページを作り、詩や短歌を発表するようになる。
「ホームページの名前は、江國香織さんの短編からとった『SWEET LOVERS』でした。『落下する夕方』も大好きで、中学時代に全編書き写しました」
やがて、ネット上に発表した作品がNHKの目に留まり、教育テレビで放送された『電脳短歌の世界へようこそ』という番組に出演。同じ頃、加藤千恵の才能に惚れた枡野浩一が出版社に売り込み、書籍化の話が舞い込む。
「自分で原稿を持ち込んだりしたわけではなかったので、本を出しましょうと言われても最初は信じられなくて、詐欺じゃないかと思ってました(笑)」
そうしてデビュー作となる歌集『ハッピー アイスクリーム』が出版される。
〈合格を祈願している場合じゃないだってあたしは恋をしたのだ〉
〈傷ついたほうが偉いと思ってる人はあっちへ行って下さい〉
17歳の瑞々しさが溢れる短歌集は、地元・旭川でも話題となり、コミュニティーFMで、同級生とラジオ番組のパーソナリティを務めることに。このときの経験をもとに書いたのが、番組タイトルとほぼ同名の青春小説『ラジオラジオラジオ!』(河出書房新社)だ。
「このタイトルはフリッパーズ・ギターの曲『カメラ!カメラ!カメラ!』からですね。音楽もずっと好きで、中学生の頃は川本真琴さんとか、Charaさんはファンクラブにも入ってました」
まるでシンデレラストーリーのような高校生活を終え、上京。立教大学の文学部に入学する。まわりから注目されたりはしなかったのだろうか?
「大学には読者モデルをやっている子とかもたくさんいたので、全然目立ったりはしていないですね。在学中に第2歌集が出たり、雑誌や文芸誌にエッセイを寄稿したりはしてましたけど、作家になろうと強くは思えなくて。同世代の綿矢りささんと金原ひとみさんが19歳と20歳で芥川賞を受賞したのを見て、作家を職業にするのはこういう人なんだって、ちょっと遠くに感じたりもしてました」
大学時代は、東京の文化を謳歌し、充実したキャンパスライフだった。
「音楽やお笑いのライブ、演劇が日常にあるのは驚きました。爆笑問題のラジオをずっと聞いていたので、渋谷のライブハウス・ラママに行った時は、聖地だ!って。あと大学時代の思い出は、普通に友だちとか恋愛とか」
加藤千恵には、恋愛を描いた作品が多い。そして、そのいずれも、見せかけではない、温度と湿度が存分に込められた、本物の感情を纏っている。また、2015年には朝井リョウと「オールナイトニッポン」のパーソナリティを務めるなど、その才能と興味は幅広い。
「就職活動もしましたけど、母の後押しもあって、最終的にはこの道を選びました。この年齢になって改めて思うのは、社会人になると、日々の仕事や生活だけでも大変なのに、その中で貴重な時間とお金を私の書いたものに使って、しかも喜んでいただけるというのは、本当に感謝しかありません」
「中学生のときに、枡野浩一さんの短歌集『てのりくじら』と『ドレミふぁんくしょんドロップ』が書店で平積みにされていて、中を開いたら、そこに載っている短歌に衝撃を受けました。学校で習った短歌と全然違う!って」
もともと本を読むのは好きで、中学時代には少女小説をよく読んでいた。
「講談社X文庫シリーズ『ティーンズハート』の小林深雪さんが好きで、折原みとさんも読んでました。漫画は『天使なんかじゃない』『姫ちゃんのリボン』を連載していた『りぼん』。その頃から自分で物語を書いたりして。学園物のラブストーリーとか。中学校では『有閑倶楽部』と『天使なんかじゃない』に憧れて生徒会に入りました」
高校入学後、インターネットによって、大きな転機が訪れる。
「高校1年生のとき、家にネットを引いてもらって。当時、枡野浩一さんが掲示板をやられていて、あの短歌集の人だ、と思って私もそこに出入りするようになりました。その中に『よい子の歌謡曲』というミニコミ誌をやっていた方たちがいて、岡崎京子がおもしろいよとか、小沢健二が好きならフリッパーズ・ギターも聞いてみて、という感じで、年上の人たちからいろんなカルチャー情報を教えてもらったんです。あの頃、夜中だけネットが使い放題になるので、夜は起きてネットをやって、授業中はよく寝てました(笑)」
その掲示板に自作の短歌を投稿したり、自分でもホームページを作り、詩や短歌を発表するようになる。
「ホームページの名前は、江國香織さんの短編からとった『SWEET LOVERS』でした。『落下する夕方』も大好きで、中学時代に全編書き写しました」
やがて、ネット上に発表した作品がNHKの目に留まり、教育テレビで放送された『電脳短歌の世界へようこそ』という番組に出演。同じ頃、加藤千恵の才能に惚れた枡野浩一が出版社に売り込み、書籍化の話が舞い込む。
「自分で原稿を持ち込んだりしたわけではなかったので、本を出しましょうと言われても最初は信じられなくて、詐欺じゃないかと思ってました(笑)」
そうしてデビュー作となる歌集『ハッピー アイスクリーム』が出版される。
〈合格を祈願している場合じゃないだってあたしは恋をしたのだ〉
〈傷ついたほうが偉いと思ってる人はあっちへ行って下さい〉
17歳の瑞々しさが溢れる短歌集は、地元・旭川でも話題となり、コミュニティーFMで、同級生とラジオ番組のパーソナリティを務めることに。このときの経験をもとに書いたのが、番組タイトルとほぼ同名の青春小説『ラジオラジオラジオ!』(河出書房新社)だ。
「このタイトルはフリッパーズ・ギターの曲『カメラ!カメラ!カメラ!』からですね。音楽もずっと好きで、中学生の頃は川本真琴さんとか、Charaさんはファンクラブにも入ってました」
まるでシンデレラストーリーのような高校生活を終え、上京。立教大学の文学部に入学する。まわりから注目されたりはしなかったのだろうか?
「大学には読者モデルをやっている子とかもたくさんいたので、全然目立ったりはしていないですね。在学中に第2歌集が出たり、雑誌や文芸誌にエッセイを寄稿したりはしてましたけど、作家になろうと強くは思えなくて。同世代の綿矢りささんと金原ひとみさんが19歳と20歳で芥川賞を受賞したのを見て、作家を職業にするのはこういう人なんだって、ちょっと遠くに感じたりもしてました」
大学時代は、東京の文化を謳歌し、充実したキャンパスライフだった。
「音楽やお笑いのライブ、演劇が日常にあるのは驚きました。爆笑問題のラジオをずっと聞いていたので、渋谷のライブハウス・ラママに行った時は、聖地だ!って。あと大学時代の思い出は、普通に友だちとか恋愛とか」
加藤千恵には、恋愛を描いた作品が多い。そして、そのいずれも、見せかけではない、温度と湿度が存分に込められた、本物の感情を纏っている。また、2015年には朝井リョウと「オールナイトニッポン」のパーソナリティを務めるなど、その才能と興味は幅広い。
「就職活動もしましたけど、母の後押しもあって、最終的にはこの道を選びました。この年齢になって改めて思うのは、社会人になると、日々の仕事や生活だけでも大変なのに、その中で貴重な時間とお金を私の書いたものに使って、しかも喜んでいただけるというのは、本当に感謝しかありません」