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のんびりネコに癒される、『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』 [with]
2017年08月31日(木) 20時00分配信
(C)2016 STREET CAT FILM DISTRIBUTION LIMITED ALL RIGHTS RESERVED.
空前のネコブームのせいでしょうか、今年は猫が登場する映画が目につきます。まあ面白いのもそうでないものもあるのですが、そんな中でお勧めしたいのが今月公開の『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』。ホームレスの青年ジェームズが、野良猫のボブと出会ったことをきっかけに立ち直ってゆくという実話をもとに描くお話です。
(C)2016 STREET CAT FILM DISTRIBUTION LIMITED ALL RIGHTS RESERVED.
一人と一匹の生活は、ジェームズがケガをした野良猫のボブを病院に連れて行ったことをきっかけに始まります。このボブ、すごーく穏やかな子なのですが、めちゃめち可愛い。「勘所を抑えて媚びる」というタイプとは違う、ものすごく表情が豊かです。「びっくり…」「こわいっ」「ど、どちたの…？」などなど吹き出し付けてLINEスタンプにしたいくらい。去勢手術をしてカラーをまかれた時に、なにこれ、尻尾見えないし、よくわかんないけどイヤ、どしたらいいの、取れないし、なんなの、と静かに混乱する場面とか、可愛すぎて思わず笑顔になります。
(C)2016 STREET CAT FILM DISTRIBUTION LIMITED ALL RIGHTS RESERVED.
ジェームズはこのボブを、出歩くときは肩に、仕事中（ストリートミュージシャン）はギターの上に乗せている、その様がまたまた愛らしい。サブタイトルにもありますが、ハイタッチもします。町で出会った人たちが、「写真をとってもいい？」「猫ちゃんに美味しいものを買ってあげて」と近づいてくる気持ちがすごくわかります。
(C)2016 STREET CAT FILM DISTRIBUTION LIMITED ALL RIGHTS RESERVED.
映画で私が感動したことがふたつあります。ひとつはジェームズが「これまで僕を避けて歩くようなタイプの人が、ボブがいるだけで“一緒に写真に写ってくれますか？”と声をかけてきてくれた」という場面。これまでの人生で誤解されっぱなしだったジェームズは、ボブを通して周囲に「優しい人なんだな」と理解してもらえるようになるんですね。
そしてもうひとつは、ボブの存在がジェームズを強くしていること。今まで薬物を抜く最終段階でくじけていたジェームズは、ボブの面倒をみないと！という思いに支えられて、そこを乗り越えてゆきます。やっぱり人間を支えるのは、自分を必要としてくれる存在がある、という思いなんですね。実際、ボブはジェームズがいなくても生きられるし、見終わると「ボブのほうこそジェームズの保護者だな」とも思うのですが、ま、それはどっちでもいいか。ベタベタせず、ふわっと寄り添う二人の関係は、なんだか理想の人間関係のようにも思えます。
『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』
8月26日（土）新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国公開！
文／渥美志保
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