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【終活Q&A】夫の提案で実母と同居を始めたものの、早くも険悪な雰囲気に。解決策は? [mi-mollet]

2017年05月16日(火) 12時00分配信

めんこいさんからの質問

夫の提案で母と同居を始めたものの
夫の愚痴がすごく、険悪な雰囲気に……

母に認知症のような症状が出てきたため、1ヶ月前から同居を始めました。診断の結果、認知症ではなく軽度の精神疾患の発症でした。とはいえ、以前と違い覇気がなく、ボーッとしていることが増えました。同居を提案してくれた夫には感謝と尊敬でいっぱいですが、やはり他人。母についてチョコチョコ言われます。私が先に気づいたことは母に言って、徐々に直してもらうように仕向けていますし、母は母でこちらの言うことを聞き、ボーッとしながらも一生懸命家事をやってくれています。それでも先日、もう限界といったように夫に愚痴を吐かれました。まだ慣れないところもあるから同居を解消する必要はないと言ってはくれますが、険悪な雰囲気に……。至らない母とはいえ、大切な母です。あまりに遠慮なく言われるのも気分が良くありません。このままでは皆が幸せではありません。私がもっと割りきって我慢すればいいのでしょうか。または、母を近くに別居させるのがいいのでしょうか。その場合、受け入れたばかりなのに何と言えばいいのか……。できれば母を傷付けず、母に夫を悪く思わせず伝えたいと思うのですが、いい案が浮かびません。(41歳)

特別ゲスト 金子稚子さんの回答

100%夫の側に立って!
というのが私の提案です。
なぜなら夫は最も身近な他人だから。

大切なお母さまとご主人との間に挟まれて、お苦しいですよね。お察しします。

まずはお母さまに起こっている症状がご病気によるものなのか、あるいは慣れていないからなのか、その区別できるまでは病気について勉強してください。そのうえで、チョコチョコあるというご主人の不満一つ一つに、丁寧に説明をされるのが良いかと思います。たとえば「天気が悪い日には脳の状態がこうなるのでこういう行動を起こしやすい」とか、「大きな声を出すと脳がこう反応するのでこういう行動になる」などと。ひょっとしたらご主人は、めんこいさんがお母さまばかりにかまっていることが一番不満なのかもしれません。ならば感情的に受け止めるのではなく、このように科学的客観的に対応を考え、それをご主人と共有すれば、不満もやわらぐかもしれません。「母のことを分かって」というのではなく、ご主人に協力をお願いする、という姿勢をしっかり打ち出すことが大切だと思いますよ。だから、ただちに別居という選択をされるのではなく、まずはそのように状況をきちんと把握することから始めてみてはいかがでしょう。

それでもご主人から不満が出てきたら……、このときはもう「100%夫側に立つ!」ということを提案させていただきたいと思います。なぜなら夫というのは、“もっとも身近な他人”だからです。私も夫が生きていたときは、誰よりも夫に気を遣っていました。母親というのは、険悪になったとしても、切っても切れない縁で結ばれています。病気の世話を第三者にお願いしたとしても、それは変わるものではありません。ですが夫は違います。切ったら切れる縁なのです。家族になって長くなりますと、夫が他人であるということをつい忘れがちになりますが、おそらく血縁で結ばれている子供よりも気を遣わなければならない存在だと私は思うのです。

ですから、たとえお母さまのほうが正しかったとしても、ご主人側に立つことです。肉親であるめんこいさんとお母さま対ご主人という2対1の構図になったら、ご主人は完全にアウェイなのです。ご主人もきっと、懐の深いところを見せたいと思って「同居していいよ」と言ったのでしょう。ところがいざ始まってみると、自分の立場が弱くなってしまい、動揺しているのかもしれません。めんこいさんが、今回の出来事でご主人と別れたいと思っているのでしたら、お母さまの肩を持たれても良いでしょう。もちろんそれでもフェアではありませんので、できれば1対1でご主人とはぶつかり合ってほしいと思いますが。

家族の最小単位は夫婦です。ですから私は、結婚したら妻という役割を全うすべきだと思っているのです。夫だって、妻の母だからお母さまを大事にしてくれているのです。そこでお母さまの味方をされてしまったら、「俺は何なんだ」と思うのが当然。逆の立場を想像すれば、自ずと分かることですよね。夫の側に立つというのは辛いときもあると思いますが、その軸をしっかり持って振る舞うことで、きっとご主人自身の気持ちも和らいでいくのではないかと思いますよ。

PROFILE

金子稚子(かねこわかこ)
1967年生まれ。終活ジャーナリスト。終活ナビゲーター。一般社団法人日本医療コーディネーター協会顧問。雑誌、書籍の編集者、広告制作ディレクターの経験を生かし、死の前後に関わるあらゆる情報提供やサポートをおこなう「ライフ・ターミナル・ネットワーク」という活動を創設、代表を務めている。また、医療関係や宗教関係、葬儀関係、生命保険などの各種団体・企業や一般向けにも研修や講演活動もおこなっている。2012年に他界した流通ジャーナリストの金子哲雄氏の妻であり、著書に『金子哲雄の妻の生き方~夫を看取った500日』(小学館文庫)、『死後のプロデュース』(PHP新書)、『アクティブ・エンディング 大人の「終活」新作法』(河出書房新社)など。編集・執筆協力に『大人のおしゃれ手帖特別編集 親の看取り』(宝島社)がある。

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