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「ドント・ブリーズ」って「息しちゃダメ」という意味で、今回ご紹介する映画のタイトルなんですが、その前につくのは「生き残りたければ」あたりで、てか、息しなかったら逆に死んでまうわ！　とか思ったりもして、てことは、死ぬしかないの？　みたいな感じの作品。どうやらお金をため込んでいるらしいと噂の盲目の老人の家に、「楽勝でしょ」と泥棒に入った若者たちが、目は見えないけど実は凄腕だった老人に返り討ちにされる、というお話です。

クリスマスの家にたった一人残されて、「子供だろ」とナメてかかる泥棒を撃退してしまう『ホーム・アローン』という作品がありますが、『ドント・ブリーズ』はそれのジジイバージョンといえるかもしれませんが、泥棒側の視点から描かれていることと、ホラー・バージョンであるということも大きな違い。もちろん非常に怖いです。

映画の見どころはもちろん、泥棒たちがこの恐怖の（そして狂気の）ジジイから逃げきれるのかという部分です。この一味の中にはお約束のごとくカワイ子ちゃんが一人いて、ホラーのお約束よろしく最後は彼女一人となり、クライマックスは爺さんvs女子の死闘となります。

ホラーでこういう時に生き延びる人のパターンは、「完全に無欲」か「最強の執念」と相場がきまっているのですが、この二人の戦いは「執念」と「執念」の壮絶なぶつかり合いでふたりとも絶対にあきらめず、「勝った…と思ったら違った！」みたいなことが何度もあり、最後の最後までまったく、ホントにまったく安心できません。どちらにしろ「もうめんどくさいからいいや」と思ってしまった方が負けなのですが、このラストをどう見るか。すくなくとも絶対に諦めない人間は、最悪、勝たなかったとしても、負けはしないということかもしれません。

『ドント・ブリーズ』公開中！

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文／渥美志保