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地曳いく子×槇村さとる「50代からの似合う服の見つけ方」 [おとなスタイル]

2016年12月11日(日) 09時00分配信

右:地曳いく子さん 左:槇村さとるさん

「お気に入りの服が似合わなくなった、でもどう変えればいいのかわからない……」

そんな悩みに陥りがちな50代のクライシスに、朝日新聞でもファッションコラムを連載中のスタイリスト、地曳いく子さんが提言

「年齢も、体型も、服の数も、考え方で克服できます」

今回、おとな世代の中で話題の地曳いく子さんと漫画家・槇村さとるさんが緊急対談!
ふたりの「新お洒落哲学」で50代のクライシスを乗り越えましょう!

諦めを解決!これからのお洒落はわがまま上等!

お洒落でカッコいいおとな世代の代表、槇村さとるさんと地曳いく子さん。楽しい話はエンドレス……すべてをご紹介できず残念ですが、ふたりの実体験に基づいた「新お洒落哲学」をダイジェストで。読むだけできっと勇気100倍です!

 

「年齢を認めたうえで、“上等なおとな”を目指せばいいんです」(地曳)

地曳 「オバさんに見られたくない! どうしたらいいですか?」と講演会でよく聞かれます。でも、いつまでも若作りして、若く見えることに執着するのは、変だと思いません?

槇村 年齢にあらがって、ちょっと無理でも若め、可愛めのものを選んじゃった後のストレスといったら(笑)。

地曳 「大丈夫です、お似合いです」って言われて、うっかり買ってしまったアイテムのことですね!

槇村 私たちもどうしようって悩んで、最初の頃は「私たち、もう初老だし」ってよく言ってた。そのうち、「初老で何が悪い!」と居直っちゃった(笑)。今の自分にNOをつきつけるのって一番キツイこと。だから、時を巻き戻すんじゃなく……。

地曳 そうですね。年齢を認めたうえで「上等なおとな」「カッコいいおとな」を目指そうよって、槇村さんと意気投合したわけです。

槇村 そういう考え方って、今までは、なかったんじゃないかな。

地曳 例えば、50歳の女性が現在のジェーン・バーキンではなく、30歳の彼女を完コピしようとすると違和感が生まれるし、素敵には見えない。

槇村 どこの時代に生きているの、あなた? みたいな感じになるよね。

地曳 映画『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』でも、過去はやり直せないけれど、未来は変えられると。何を着るとかどうメイクするかじゃなく、どうなりたいかを考えないと自分自身もアウトフィットもアップデートしないんです。

いいなと思ったら、即、行動。すぐにチェックします(槇村)

以前、地曳さんの靴がすごく素敵だったので、ブランドを聞いたその足でお店に行ったという槇村さん。同じブランド、同じ黒の靴でも、地曳さんはポインテッドトウのブーティ、槇村さんは太ヒールのレースアップシューズ。それぞれのチョイスが自分に似合うものを知っている、センスの確かさをうかがわせます。
地曳 お洒落が苦手な方でも、ちょっと昔を思い出してください。仕事の服や子供の学校行事で着る服など、目的がはっきりしていると服は選びやすかったはず。今おしゃれが苦手な人は、選択肢を広げすぎなのかも。目的を絞れば、もっと楽ですよ。

槇村 そうすれば「いらない服」「気持ちを上げてくれる服」がはっきりわかる!服が浮くこともないし、無駄な服だって買わなくなる!

地曳 手持ちの服がどれも似合わないと感じるなら、今の自分の気持ちや生活が昔とがらりと変わって、服が合わなくなったのかもしれません。

槇村 服は主役じゃなくて、私が主人公だからね。今の私に合わせて、気持ちを上げてくれない服は「ブス服」なんです。ホント、わがままなオバさんたちだね??(笑)。

地曳 でも、わがままが許される年頃がおとな世代。だって、残りの人生は少ないんですから!(笑)

槇村 そうなると「いつかやせたら……」「もし若返ったら……」の“タラレバ服”は真っ先に必要なくなる。飾りっぱなしになる服より、週に何回も着られる服を買ったほうがいい。

地曳 若い時なら、「おとなになったら着たい服」ってありました。でも、おとな世代は今似合う服を買うべき。将来どうなるか、わかりませんから。

槇村 私ね、遠くから眺めて憧れてばかりいるのはもうやめようって、今年コレを買いました!

地曳 ティファニーのボーン カフですね。私は16年前の結婚祝いにいただいて大切にしすぎたので、今はどんどん着けて外出しています。

ずっと憧れていたジュエリー。今年、思い切って買いました!(槇村) 大切にしまっていたけれど、どんどん着けて出かけています(地曳)

おそろいの“ティファニーのボーン カフ”ですが、槇村さんは最近購入、地曳さんは最近復活。ふたりとも、かなりのヘビーローテーションで溺愛中のよう。
槇村 「いつかは」とか「もしも」は、私たちにはないかな。病気して手術して、死がこんなに身近にあるんだって感じてから、居直れた!

地曳 私も最近また足をケガして、今年買ったサンダルもとうとうはけずに夏が終了。そんなこともあるので〈今したいこと〉〈本当に着たいもの〉を冷静に考えるべきなんです。

槇村 3歳の時、バレエを習いたかったけどできなくて……。漫画で描いて昇華したつもりだったけれど、それでいいのかと。やっぱり踊らずして、このまま死ねないと思って、今年から社交ダンスを始めたのよ。

転機はある日突然、足元から!

地曳さんは足をケガしてスニーカーしかはけなくなったことが、最初の著書を書くきっかけになったそう。槇村さんはついに今年から憧れのダンスをスタート。このダンスシューズをはいて、3歳の頃からの夢に挑戦中です。
地曳 槇村さんの場合はダンス。私の場合は、ライブ。私も骨にひびが入っても、ライブ遠征に出かけちゃうし、この衝動は抑えられないですね。

槇村 そうなの。足腰が弱くなる前に、身体に覚え込ませなきゃと思って、ダンスの先生を慌てさせるほどのハイペースでレッスンしているところ。実際にやってみると先は果てしないけれど、筋肉量は確実に変わってきたし、足の裏も強くなってきた。やれば身になる! 変われる! 楽しい! を実感してる。

地曳 華麗な衣装はもちろん、レッスンの行き帰りはどんな服を着ようとか、この生きてる感じって、お洒落にはもっとも大切な動機なんですね。

右・コンサバをベースにロックテイストでハズします 左・大判ストールは必ず崩し、あえて適当に巻きます

右:「ユニクロ×カリーヌ・ロワトフェルド」のブルゾンにレーススカートを。旅先で購入したクロコダイルのヴィンテージのバッグ(¥5000!)は、持ち手にスカーフのハギレを巻いてカスタマイズ。

左:きっちり折り畳みは厳禁! 2種類の素材をニードルパンチという技法で接結させた大判ストール。細かめのヒョウ柄ならコワくなりません。ストールのブランドは「アルテア」。

右・和テイストのスヌードで顔まわりに艶感をプラス 左・流行の「白×黒」も自分が得意なアイテムでまず実践!

右:宮城県の手仕事ブランド「Watalis」と地曳さんのコラボによる、きものスヌード。2色の絹地を使い、上品な艶が華やかで軽くてあたたか。二重にも巻ける、大きめの輪になっています。

左:ライダースと同じくらい地曳さんが大好きなのがカーディガン。「ZARA」で購入したこちらは袖の長さやボリューム感、着丈が絶妙。レースのスカートは写真上と同じ「sakayori.」です。

左・ダンスがきっかけでスカートにもほぼ初挑戦! 右・柄スカーフをラフに巻いて首元をあたたかく演出

左:ライダースは「ビューティフルピープル」の子供用140cmサイズ。じつはこのライダースのメンズ用ブラックを偶然、地曳さんも持っているそう。レッスンにも使えるからと久しぶりに購入したスカートも同ブランドのもの。

右:ライダースは袖を通し、スカーフで遊び心をプラス。じつはこの時のインナーはSとMの2枚を持参。その日のカラダの具合や着こなしで、ベストなサイズを選んでいるそう。
■Profile
地曳いく子さん
じびきいくこ
1959年、東京都生まれ。数々の女性誌で活躍し、キャリア30年を超えるベテラン・スタイリスト。“ おとなのおしゃれクライシス”をテーマにした著書が好評。現在はスタイリングのみならず、テレビ、ラジオでもコメンテーターとして活躍中。
(写真)シャツは大好きなバンドのツアーグッズで2枚購入。スカートは「sakayori.」。

槇村さとるさん
まきむらさとる
1956年、東京都生まれ。ダンスをテーマにした『愛のアランフェス』『白のファルーカ』など数々のヒット作を連発。テレビドラマ化された作品も多い。また、ファッションや女性の生き方に関するエッセイも多数、刊行している。
(写真)衿にワイヤーが入ったシャツは「ドゥーズィエム クラス」。「エンフォルド」のパンツのボリュームに負けない靴をチョイス。

 
(撮影/清水朝子)

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