• > 風吹ジュンさん登山や水彩画、おとなになって始めたこと [おとなスタイル]

風吹ジュンさん登山や水彩画、おとなになって始めたこと [おとなスタイル]

2016年05月13日(金) 09時00分配信

“初めて”を体験すると本当の自分に気づく

風吹さんが「子育て卒業」を宣言したのは、50歳のとき。そこから堰(せき)を切ったように、好奇心の赴(おもむ)くまま、さまざまな“初めて”に挑戦してきた。
まずは旅。あるときはスマホひとつ頼りに沖縄は久高(くだか)島へ一人旅。また、あるときは車を走らせて、これまたナビを頼りにスペイン縦断を敢行。仕事の合間に少しの暇を見つけては、神在月(かみありづき)の出雲に神迎祭(かみむかえさい)を見に行ったりもした。
台湾人の友人の影響で、中国茶に目覚めると、今度は上質な茶葉を求めて、中国各地を訪ね歩いた。おそらく日本人が誰も踏み込んだことがないであろう奥地の農家まで、険しい山を登って赴き、幻のような茶葉に出合うこともあった。
「初めてのことに挑戦する醍醐味は、やはり刺激だと思うんです。日常で覚醒することって、年齢を重ねれば重ねるほど、少なくなってくるでしょう? でも、初めてのことにトライすると、緊張感を得られて、目も、耳も、嗅覚も、味覚も触覚も、五感すべてが覚醒するんですよ。そうすると、あらためて自分って何者なんだろうとか、何を大事にしているんだろうって気づくことができる。そのいいチャンスだと思うんです」

これまでの作品は、すべてきちんとファイルしてとってある。出口さんと出会って、水彩画は「水で描く」のだとあらためて教えられた。

好奇心の源は、最近触れた何かであることもあれば、ずっと胸に秘めていた宿題の場合もある。水彩画は後者だ。実はその昔、高校を受験するときに美術科を志望したものの、二次試験の当日、母の再婚を知って、そのことへの反発心から受験を取りやめたのだ。しかし、見果てぬ夢は、人との出会いで実現した。
「この歳で“初めて”に挑むときに大切なのが、やっぱり人との出会いだと思います。それによって動くことも多いですよね。今回の水彩画もそうでした。そして始めてみると本当に楽しい。今はまだ“基本のき”だけれども、水あとが残ったり、筆あとが残ったりが、一枚の紙の中に次々起こるのを見ているだけでも楽しいんです。心穏やかになって。出口さんの『何をやってもいいんだよ、失敗はない』という言葉にも力づけられます。本当にそうですよね」
実はこの夏、もうひとつ“初めて”を体験した。故郷富山の名峰、立山(3015m)への登山だ。過去に登った山と言えば、高尾山と千畳敷カールくらい。
「これも人との出会いで実現したことなんですけど、同級生にたまたま登山家がいたんです。地元を知り尽くしたガイド役もいたので、彼らの指導を仰ぎながら登りました。いやあ、雲の上から眺めた景色は、やっぱり全然見たことのないものでしたね。これは味わってみるものだなあと。仲間の中には蝶に詳しい人がいたりして、いろいろ教えてもくれるから、またそれが楽しいんですよね。誰かに何かを教わることで、人って、自分の中の奥行きが深まるんだなぁと、あらためてしみじみ感じました。躊躇(ちゅうちょ)したり、面倒くさがったりしているのはもったいない。まずは行動してみることですよね。私も挑戦してみたいことが、まだまだいっぱい。とりあえず、次はお習字と冬山かな(笑)」

おとなスタイルVol.2 2015冬号より

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