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波瑠×西島秀俊「一人旅のいいところは、暇な時間がいっぱいあること(西島)」 [FRaU]

2018年11月07日(水) 10時40分配信

Photo:Tomohiro Enzaki

波瑠さんと西島秀俊さんが共演した映画『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』は、熊本に実際にある遊園地「グリーンランド」が舞台。九州最大の遊園地は、81ものアトラクションを有する。

2016年 4月の震災から約1年半後となる昨秋、キャストとスタッフは、このグリーンランドに1ヵ月滞在し、オールロケが敢行された。遊園地のスタッフやエキストラとして協力してくれた地元の人たちの触れ合いもあり、まさにそれは二人にとって “旅” のような体験だった……。
映画を通して、熊本の人たちに 恩返しができたらって(波瑠)

Photo:Tomohiro Enzaki

映画を通して、熊本の人たちに 恩返しができたらって(波瑠)

――1ヵ月にわたって遊園地の住人になれたことで、何か特別な体験はできましたか?

波瑠:遊園地って、非日常を味わうための場所のはずが、撮影で1ヵ月も滞在したことで、遊園地という場所が “日常” になっていく感じが、面白かったです。

キャストも、グリーンランドの敷地内にあるホテルで、撮影が終わって、現実に戻って眠って、朝起きて、窓を開けるとそこには非日常のはずのグリーンランドが広がっている(笑)。遊園地で働いている人は、いつも日常と非日常の境目がないのかな、なんて想像しちゃいました。

西島:グリーンランドは広いので、移動が大変なんです。でも、遊園地が全面協力してくれていたので、移動のときは、遊園地の職員の人が二人乗りのリフトやバス、丘の上にあるコースターとかに、すぐ「乗っていきな」って、気さくに乗せてくださって。遊びと仕事が一体化した現場でした(笑)。本当に、アットホームですごくいい遊園地なんです。

地元の人たちもすごくフレンドリーで、終わった後で食事に行くと、「西島さん、この間、観覧車で待ってたエキストラ、あれオレだよ!」とか、声をかけていただいて。家族ぐるみでエキストラに参加していただいたりもしました。あの、みんなで心を一つに出来る感じ、最高でしたね。

――熊本観光もしましたか?

西島:熊本城はみんなそれぞれ、時間を見つけて行ってましたね。今回は、監督も橋本愛ちゃんも熊本出身で。あらためて話したことはないですけど、震災から1年半ぐらいしか経ってなかったですし、この映画に関わっていた人全員、“熊本の映画を作って熊本を応援しよう” という意識がどこかにあったと思います。

波瑠:たしかに、そういう意識はみんな持っていたと思います。温かく迎えていただいて、いろんな面でサポートもしていただいた。私たちなりの恩返しができたらなとは思っていました。

――「オズランド」は “誰もが笑顔になれる場所” ですが、お二人にとってそういう場所があるとすれば?

西島:映画館かなぁ。最近あんまり行けてないですけどね……。仕事があまりなくて暇だった時代は、映画館に通いつめては、なんか “ホッ” としてました(笑)。

波瑠:私は “家” です。実家じゃなくて、一人暮らしのほうの“家”。仕事をしているときに、「もうすぐ家に帰れる」とか「帰りたいな」って思うときに頭の中に浮かぶ場所って、私にとってはすごく大事なんです。

朝ドラで大阪に行った時、東京の家を引き払って、大阪に引越しをしたんですね。撮影しながら、休憩中とかに、「家に帰りたいなぁ」ってふと思った時、帰る場所が大阪の仮住まいしかなかったときに、すごく寂しくなった。

一人暮らしの家って、自分の好きな物で揃えられているし、帰ったらすごく安心する。心の拠り所です。

Photo:Tomohiro Enzaki

――ところでお二人とも、旅はお好きですか?

波瑠:私はあまり旅には行ってないんですが、作品に入るのって、旅に似てるなって思います。

西島:たしかにそうだね。

波瑠:最近連ドラが続いていたので、クランクインすると、旅に出た感じがあります。出会う人も行き先も変わって、知らない場所を旅しているような。クランクアップして、精神的に同じ場所に戻ってきているかどうかはわからないけれど。

――なるほど。そうやって、仕事で精神の旅をしている分、帰る家が大事なのかもしれないですね。

波瑠:ああ、そうかもしれないです。

――西島さんは、旅は?

西島:20代の頃はよく一人旅に出ていました。

――沢木耕太郎さんの『深夜特急』が熱烈に支持された世代ですよね。波瑠さんはご存じないと思いますけど、昭和の終わりから平成の初期に、若者の心を掴んだノンフィクションがあったんです。

西島:僕も読みました。でも、そこまで影響は受けてないです。高校が、結構自由な校風で、卒業した先輩たちがバックパッカーになって、「バンコク経由でチケット買っていった」なんて話はよく聞いてましたが。実際に旅に出たのは、この仕事を始めてからです。仕事がなくて暇になったときに、2週間ぐらいかけて。自分でチケットを買って。行ったことがあるのは、ネパールとインド、ベトナム……。

Photo:Tomohiro Enzaki

――そんな貧乏旅行も経験したことのある西島さん、若い頃の旅はしたほうがいいと思いますか?

西島:いいと思います。でも、波瑠さんが一人旅をするのは難しいだろうな。今は、どこにでも日本人がいるし、顔バレしちゃうだろうから。僕は、無名だったので……(笑)。一人旅を勧めたいのは、実は一人旅ってすごく暇なんですよね、やることない(笑)。でもそれがよくて、「将来どうしようかな〜」とか普段あまり考えないことをじっくり考える時間が持てたりします。ほら、家だと何かしらやることがあるから。

波瑠:へぇ〜。

西島:汚ったないホテルで、「暇だわ」「やることないわ」ってなったときに、「帰ったらこれをやろう」って思わぬアイデアが浮かぶこともあるし、「あのときのあの言葉、嬉しかったな」とかそういうことを色々思い出したり。それこそ、“日常” の有り難みを感じることができます。

――波瑠さんは、行ってみたいところはありますか?

波瑠:パラオ。パラオの海って、世界的に見てもすごくキレイだって聞いているので。海が好きなんですよ。せっかく旅行に行くなら、キレイな海で泳ぎたいです。

PROFILE

波瑠 Haru
1991年生まれ。東京都出身。2006年ドラマデビュー。翌年から『Seventeen』専属モデルを務めた。2015年NHK連続テレビ小説「あさが来た」でヒロインを務め、全国区の人気を獲得。主な出演作品に映画『みなさん、さようなら』『潔く柔く きよくやわく』(ともに2013年)、ドラマ「あなたのことはそれほど」(2017年)「未解決の女 警視庁文書捜査官」「サバイバル・ウェディング」(ともに2018年)など。出演映画『コーヒーが冷めないうちに』が公開中。

西島秀俊 Hidetoshi Nishijima
1971年生まれ。東京都出身。1994年『居酒屋ゆうれい』で映画初出演。ドラマの代表作に「ダブルフェイス」(2012年)、「八重の桜」(2013年)「流星ワゴン」(2015年)「とと姉ちゃん」(2016年)「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」(2017年)など。映画では、『ニンゲン合格』(1999年)『Dolls(ドールズ)』(2002年)『サヨナライツカ』(2010年)『CUT』(2011年)『劇場版 MOZU』(2015年)などがある。現在、出演映画『散り椿』が公開中。2018年 11月16日『人魚の眠る家』が公開予定。2019年の公開待機作に『空母いぶき』。
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Photo:Tomohiro Enzaki

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22歳の波平久瑠美(波瑠)は、彼氏のトシくん(中村倫也)と同じ超一流ホテルチェーンに就職を決める。が、入社後、系列会社が経営する地方の遊園地への配属が言い渡されてしまう。いやいや出勤した遊園地で、久瑠美は “魔法使い” ことカリスマ上司小塚(西島秀俊)や、遊園地を愛する同僚たちと出会い……。最初はまるで主体性のなかった久瑠美が、仕事を通して自分を見つめ、次第に生き生きと輝き始める。遊園地の舞台裏を舞台にした、ハッピーなお仕事エンターテインメント。

監督:波多野貴文(映画『SP THE MOTION PICTURE野望篇/革命篇』、ドラマ「BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係」)
原作:小森陽一(「海猿」シリーズ、「S-最後の警官-」)
出演:波瑠、西島秀俊、岡山天音、深水元基、中村倫也、濱田マリ、橋本愛、柄本明
配給:HIGH BROW CINEMA、ファントム・フィルム
C小森陽一/集英社 C2018映画「オズランド」製作委員会


2018年 10月26日(金)、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー。

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