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働く女子がやりがちな、間違いだらけの疲労回復法 [VOCE]

2018年10月05日(金) 11時50分配信

講談社VOCE

溜まった疲労を回復するために何をしていますか? 栄養ドリンクを飲む、週末に遠出をする……、定番と思い込んでいた疲労回復法で実は逆に疲れを助長していたんです。働く女子がやりがちな間違った疲労回復法について、疲労研究の第一人者、東京疲労・睡眠クリニック院長・梶本修身先生に伺いました。

疲れの正体は体ではなく脳だった!

そもそも、疲労を感じているのは、体ではなく、脳の自律神経なのです。激しい運動やストレスなどによって、自律神経がフル稼働をして大量の酸素を消費します。その際、体内で過剰に活性酸素が発生し、この活性酸素が自律神経をサビさせて、本来の働きができなくなることで疲労を感じるのです。つまり疲れないためには、できるだけ自律神経を乱れさせない生活を送る必要があります。しかし、自律神経は放っておいても働いてしまう神経。人は日中、何をしても疲れてしまうのです。疲労の回復は脳の自律神経を休ませることができる、寝ている間だけ。疲労回復のためには、一にも二にも、質のよい睡眠をとることが大切なのです。間違った疲労回復法を見直して、質の良い睡眠で疲れにくい体を目指しましょう。
やりがちな間違った疲労回復法

講談社VOCE

やりがちな間違った疲労回復法

〈1〉リフレッシュするために運動で大汗をかく

汗をかくのは、体内の体温を外に放出して体温を下げるため。運動で呼吸が速くなり、心拍が上がり、体温を調節しなければいけない自律神経はフル稼働。汗でリフレッシュしたと思うのはただの気のせい。自律神経はヘトヘトに疲れています。同様に温泉などの熱いお風呂に入ると疲れがとれる気がするのは、脳に快感物質が分泌されているだけ。疲労感が薄れることはありません。運動で疲れをためたくないなら、活性酸素が大量に発生するアクティブな運動を避け、普通に会話ができる程度のヨガやウォーキングにとどめましょう。

講談社VOCE

〈2〉疲れたら栄養ドリンクを飲む

最近は美容成分も含まれた栄養ドリンクがコンビニでも手軽に買えるようになりました。しかし、栄養ドリンクやエナジードリンクに「疲労回復」効果は残念ながら実証されていません。「元気になった」と感じるのは、カフェインで眠気をとり、微量に含まれているアルコールで気分が高揚している場合がほとんど。栄養ドリンクは一時的に疲れをごまかすもの。長期服用は健康を害することもあるので注意が必要です。栄養ドリンクを飲んで無理に動こうとするより、まずはゆっくり寝ることが疲労回復の第一歩。

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〈3〉週末は森林浴をしにドライブ

週末は高原や山に出かけて森林浴の中、マイナスイオンで癒されたい……と思う、お疲れ女子は多いはず。しかし、マイナスイオンに科学的根拠はありません。マイナスイオンという言葉自体、和製英語で世界中では使われていないのです。しかし、森の中でゆっくりするのは、自律神経の疲れをとるために効果的です。ただし問題は時間がないのに、無理に移動したり、立ち寄り温泉に寄ってよけいに疲れてしまうこと。疲れをとるなら、遠くの高原より、近場の川原や緑いっぱいの公園でゆっくりするほうが効果的です。

講談社VOCE

〈4〉仕事中にスマホで気分転換

パソコンで仕事をしていると目が疲れたと感じますが、実は疲れているのは目ではなく脳。動物が獲物を探す時のように脳が緊張して交感神経が優位になると、目は遠くをみるように設計されています。逆に赤ちゃんがお母さんの顔を見ながらおっぱいを飲む時は、副交感神経を優位にして近くを見るようにできているのです。しかし、パソコン作業は仕事中ですから交感神経を優位に保たなければいけないのに、目に対しては副交感神経を刺激して、近くを見るように求められています。この矛盾が脳を疲れさせている原因。その状態で、休憩中にさらにスマホを見れば、眼精疲労を加速させるだけ。パソコン作業が1時間続いたら、5分休むなど、こまめに休憩をとることが大切です。

いくつの間違った疲労回復法を行っていましたか? 過労死するのは人間だけ。仕事に対してまじめな人、責任感のある人、使命感の強い人ほど、脳からの疲労のサインを見逃しがちです。普段から質の良い睡眠を心がけて、脳の疲れをオフする習慣を身につけましょう。

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