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【ワセリンとは?】乾燥に悩む肌の味方! 白色ワセリンの上手な使い方って? [VOCE]
2018年09月16日(日) 20時10分配信
そもそも、ワセリンって何?
ワセリンの原料は原油。原油を高純度に生成してつくられた、皮膚を保護する保湿剤をワセリンと呼んでいます。これ、どんな状態の肌に使うといいんでしょうか?
「乾燥肌にはもちろん、皮膚炎やアレルギーによって、バリア機能が損なわれた肌に使われることが多いですね。肌表面のバリア機能が低下していると、肌本来が持っている、うるおいをキープする力が低下してしまいます。ワセリンは、肌表面のNMF(天然保湿因子)の働きをサポートしてくれるんです」(今泉先生)
化粧水や美容液との大きな違いは、角質層まで浸透することなく、肌の表面にとどまること。ワセリンとクリームはどう違うのかといえば、ワセリンは保湿剤などが添加されていない“油”そのもの。だから肌に栄養を与えたり、肌を潤わせたりという効果は期待できないんですね。当然、肌にメリットのある成分がいろいろ入った、美容オイルとも違います。ワセリンは、肌の保護膜の代わり。ホコリなどの刺激から守る役割をしてくれます。
それにしても原料が原油ってなんだか意外。原油もそもそもは動植物が何億年もかけて地球内部に堆積したもの。そう思えば自然由来といえなくもない……?
「いろんな製品がありますから、肌に悪影響がない! とは言えません。原材料や添加物による影響が心配な方は、皮膚科で“プロペト”や“サンホワイト”などを処方してもらうといいでしょう。これらのワセリンは、防腐剤などの添加を除いた(または抑えた)タイプ。肌への優しさにこだわったものなので、その点は安心して使えるはず」(今泉先生)
ワセリンには種類がある!
黄色ワセリンをさらに精製して、不純物を取り除いたものが白色ワセリン。こちらは「医薬品」、もしくは「化粧油」として販売されています。敏感肌・乾燥肌のお守り的存在。でも使うときはここに注意!
「ワセリンだけですべてのお手入れが完結するという考えは危険。肌には保水のプロセスがとても大切なんです。ワセリンで肌表面の保護はできますが、保水の役割は果たせませんよね。ですから、まずは肌に合う化粧水でたっぷり水分を補給し、そのうえで、ワセリンによって水分を閉じ込めることが大事なんです」(今泉先生)
なるほど! ワセリンだけ塗るというお手入れを長い期間続けていると、肌がしぼんだり、乾燥がさらに進むという悩みが多く聞かれますが、これが原因だったのですね。
「そうです。ワセリンだけでお手入れを完結してしまうのは、水も与えず肌にビニールハウスをつくるようなものですよ。ワセリンには保水効果がないので、化粧水でたっぷり水分補給したうえで使っていただきたいです。オイルにしてもワセリンにしても、肌にいきなり油分だけを与えてしまうと、肌がビックリしかえって刺激を感じやすくなる場合があるんです。ぷるぷるしっとりの美肌を目指すなら、保水というプロセスは決して省いてはいけないのです」(今泉先生)
ステロイドと紫外線の関係は?
「皮膚科で処方される、ステロイド含有軟膏のベースに使用されるワセリンは“プロペト”や“サンホワイト”。先にお話ししたように、防腐剤などの添加を除いた(または抑えた)タイプのワセリンです。肌への優しさにこだわったものなので、紫外線による悪影響や、油焼けのリスクがとくに高いということはあまり考えられません」(今泉先生)
ならば、それほど紫外線を気にすることはない?
「お手入れの最後に日焼け止めを使用すべきというのは、ワセリンでのお手入れに限らず、スキンケアの基本です。日焼け止めは1年中のマストアイテム。必ず塗るようにしましょう」(今泉先生)
顔以外で、ワセリンが活躍する場所は?
「ワセリンに関しては、個人的には長く塗りこむのがよい方法とは思えません。もちろん、きちんと全体になじませることは大事。でも塗りこむほど入っていくというわけではないので……。しっかり全体になじませたあと、手袋をするというやり方がおすすめですね」(今泉先生)
ワセリンはリップクリームの原料として配合されていることも多い成分。荒れて皮がむけてしまうほど乾燥した唇に塗るのもオススメです。でもクリームと違って浸透するわけではないので、どの場合も「肌に載せる」ようにして使いましょう。べたつきが気にならないなら、厚めに塗ってラップすると、しっとり落ち着きそうです。
靴ずれ防止、摩擦防止。こんな使い方もある!
顔だけでなく、さまざまな使い方があるワセリン。ひとつあると便利ですが、ワセリン単品でのお手入れを長期間使うのはお勧めできない、というのが皮膚科医の見解。レスキューアイテムとして、上手に取り入れたいところです。
教えてくれたのは…… 今泉明子先生