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CHICO SHIGETAさん「日、仏、タイでの暮らしで感じた子育ての違い」 [mi-mollet]

2018年08月29日(水) 14時10分配信

CHICO SHIGETA 

撮影/目黒智子

CHICO SHIGETA 

オーガニックコスメブランドSHIGETA主宰、ホリスティックビューティーコンサルタント。美しい肌と体を育むためには心身のバランスこそが不可欠と考え、長年フランスおよび日本にてビューティーメソッドを探求。現在は、パリのセレブリティやアーティストのためのパーソナルコーチとして活動するほか、大手化粧品会社や美容機器会社のコンサルティング及びブランドスポークスマンとしても活躍中。近著に『「リセットジュース」を始めよう~パリ美人のダイエット』(講談社刊)など、著書多数。

前回はオーガニックを包括的に紹介するWEBサイト『Spring Step』を立ち上げたきっかけをお話してくださったCHICOさん。今回は、そのきっかけのひとつとなった双子のお嬢さんたちとのタイでのスローライフや、暮らしのなかでのチョイスの大切さについてお伺いしました。

タイでの暮らしは娘たちにとっても理想的な環境

今年は日本でのプロジェクトも多く、双子の娘たちを連れてパリと東京を往復するときにどうするのか、という問題に直面したというCHICOさん。そこで「仕事も健康も、子供と思いっきり遊ぶ時間もあきらめたくない!」と日本に近いタイにも拠点を増やした。

「パリの古いアパルトマンでは双子のバギーを外に出すのもひと苦労。空気の汚染やテロなどの心配事もあり、この小さな子たちに今必要なのは、カルチャーよりも自然だろうという気持ちもありました。現在はゲストセラピストとして滞在したことがある、リゾートホテルのチバソムがあるホアヒンという町に暮らしているのですが、本当に気候が穏やか。朝は5時か6時頃に近所を歩いているニワトリの鳴き声で目が覚めて、涼しいうちにテラスで仕事。7時くらいに子供たちが目覚めたらシャワーと着替え、8時にはナニーさんがきてくれるので、夕方まで仕事をしています。週に2、3回はジムでタイボクシングやピラティスを。ナニーさんが子どもたちを連れてジムに来ることもありますし、散歩のときも目が届くところで遊んでくれるので安心感があるんです。タイはどこに行っても赤ちゃんフレンドリーでみんなが抱っこしてくれるから、双子のひとりは10日間くらいでまったく人見知りしなくなったほど(笑)。ふたりともすごく幸せそうで、母親の私から見てもうらやましくなるくらいです」

新鮮な野菜と田舎暮らしで驚くほど元気に

ホアヒンにはタイ王室のサマーパレスがあり、ロイヤルプロジェクトとしてのオーガニックファームもあるため、食生活はますますヘルシーに。

「畑からお皿までのタイムラグがほとんどない環境なんです。市場に並んでいたオーガニックの野菜を冷蔵庫に入れるとすぐにしなってくるので、いつまでもみずみずしさをキープできる野菜の仕掛けが気になりだして。タイの人たちはたくさん買い物をせず、その日に必要な新鮮なものを毎日買っています。朝いただくフルーツと、子どもたちも大好きな割ったばかりのココナッツウォーターを飲むのが最近の楽しみ。新鮮で美味しいシーフードもスーパーですぐに手に入るので、野菜を中心にあとはちょっとのお肉かシーフード。素材を生かしてあまり火を入れすぎず、シンプルなタイ料理を楽しんでいます。ホアヒンで暮らしはじめてから疲れがとれて、ものすごく元気になりました。自分で感じる自分の体が全然違う。田舎暮らしのウェルビーイングの素晴らしさを実感しています」

日仏の子育ての違いを肌身に感じて

20年近くを海外で暮らし、日本人女性の感覚を客観的に見てきたCHICOさんは「みんなもっと肩の力を抜いてもいいような気がします」と語る。

「子育てひとつとってもフランスはもっとゆるやかで、子供を主体にして考えることが多いんです。たとえば離乳食もステップを重視するのではなく、子供のリズムと成長過程を観察しながら決めていきます。うちは双子ですから食べられるものもリアクションもそれぞれ違いますが、成長ラインから大きく外れていなくて健康であればOKかな、って。周りの人たちもうるさく言わないですし、もしも自分と違ったやり方をしていたとしてもネガティブな感情を持つことはないですね。それぞれのチョイスをリスペクトしてくれます。もちろん王道から外れると出る杭は打たれるような日本の空気もわかっていますが、杭を打つのは大抵、私たちの上の世代ですよね。私自身も母親と子育てについて話していて、こんなことを思っていたの!? と感じることも。でも文化や世代、生き方のポリシーによって価値観は変わっていくものだし、すべての選択は私がいいと思ってしていることなので、あまり気にしないようにしています(笑)」
チョイスし続けることで心地よさの輪郭がクリアになる

撮影/目黒智子

チョイスし続けることで心地よさの輪郭がクリアになる

子育てに限らずライフスタイル全般において何よりも大切なのは、本当に自分がチョイスしたいことは何なのか、心と体の声に耳をすませること。その繰り返しによって心地よさの輪郭がクリアになり、ブレない軸がかたち作られていく。

「すでにできているミモレ読者の方も多いと思うのですが、日常生活のなかで何かを選んだり決めたりする前に一瞬立ち止まって自問自答をすることは、とてもいいトレーニングになります。何となく口寂しいときに、本当に食べたい? とか、流行りのアクセサリーを前にして、本当に欲しいもの? とか。すぐに答えが出ない場合は、そのときには必要がないものだということですし、もしも本当に必要ならば一週後くらいに熟成されて答えが出ることもあるから大丈夫。それにある程度の年齢になったら、自分のインスピレーションを信用してもいいと思うんです。インスピレーションと聞くと突然ひらめきが降りてくるというイメージかもしれませんが、ミモレ世代はこれまでに培ったたくさんの経験値を持っていますよね。瞬間的に大量の情報が処理されて、好き嫌い、合う合わない、がわかるのが、年齢を重ねた人にとってのインスピレーション。“みんながこうだから”という情報よりもずっと信用できるものだと思います。オーガニックの化粧品を選ぶときには、“何を避けたいのか”を見極めることが自分にとっての心地よさにつながりますが、成分について本格的に学ぶのは大変ですよね。『Spring Step』には化粧品を選ぶときの目印になるようにオイルや保湿剤といったカテゴリーに分けて、オーガニックとケミカルの違いを説明するページを作りました。発がん性のあるものは取りたくない、環境により優しいものを選びたい、などその人によって理由は様々だと思うので、ディクショナリーを暮らしの中で上手に活用していただけたら嬉しいです」

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