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湿気が増えると爪にカビ!? 緑に染まるグリーンネイルにご用心【ジェルネイル派さん】 [VOCE]

2018年08月22日(水) 11時50分配信

教えてくれるのは肌育成スペシャリストとして活躍中の川上愛子さん

ネイリストとしての経験と豊富な知識を生かし、肌育成スペシャリストとして活躍中の川上愛子さんが提唱するのは、頭から爪の先まで全身キレイになるためのマニアック美容! 今回は、爪のカビの驚くべき正体と、予防法について解説します!
「梅雨になると爪にカビが生えるからジェルネイルはお休みにしたほうがいいよ」なんてトンデモな噂を耳にしたことはないですか?

・ジェルネイルを付けると爪にカビが生える
・掃除が行き届いていないネイルサロンに行くと爪にカビが生える


なんてまことしやかに語られる爪のカビ問題。今回は、皮膚の常在菌も関係する爪のカビ問題についてお伝えします。
◇爪のカビってどんな症状?

講談社VOCE

◇爪のカビってどんな症状?

「爪にカビが生える」なんて聞くと衝撃的ですよね。人の身体にカビなんて生えるの?? そう、もちろんそんな簡単にカビは生えません。ジェルネイルを付けるからカビが生えるわけでもないですし、不潔にしているからカビが生えるわけでもないのです。爪に生える「カビ」と呼ばれる緑色の色調変化は、緑膿菌という菌に関係しています。誤解が多い「爪のカビ」について知ってジェルネイルを心から楽しむ夏にしましょう。

◇皮膚常在菌と細菌の関係

皮膚常在菌についてはなんどかお伝えしていますが、肌の表面には「皮膚常在菌」という菌がいて、汗や皮脂を食べて肌に必要な潤いを分泌してくれています。たとえば皮膚の表面は善玉菌に守られ弱酸性バランスを保っていることで、アクネ菌なども悪さをしませんし、細菌やウィルスなどを体内に寄せ付けないような働きもしています。

菌たちは常に縄張り争いをしていて、善玉菌優勢のときは悪い菌も肩身が狭く活動することができません。土の中や水の中、人ごみの中などからたくさんの菌が私たちに付着しますが、善玉菌の縄張りがしっかりあり、菌が活動しているときは悪い菌は何もできないのです。ではなぜ、爪のカビの原因と言われるような緑膿菌などが活動してしまう場合があるのでしょうか?

◇菌の陣地を守るのは自分自身

肌表面の弱酸性バランスは些細なことが原因で崩れます。病中病後や睡眠不足、ストレス過多、女性ホルモンの乱れ、生活リズムの崩れ……原因はたくさんありますが、身体のバランスを崩してしまうようなことが起きるとき、善玉菌は活動がしにくくなり、縄張りが少なくなってしまいます。普段は、善玉菌の片隅で小さくなっていた悪い菌も活動のチャンス! ウィルスにも感染しやすくなりますし、悪玉菌がここぞとばかりに悪さを始めます。

爪のカビの原因と言われる緑膿菌は、土の中にも水の中にもいて、自然界にたくさん生息している菌です。肌の弱酸性バランスが保たれている間は、皮膚に付着しても悪さをできないのですが、何らかの原因で弱酸性バランスが崩れたとき、緑膿菌も活動を始めることができるのです。つまり、ジェルネイルを付けるからとか、蒸れたから「爪のカビ」と呼ばれる症状があらわれるのではなく、肌の弱酸性バランスが崩れて緑膿菌の活動を抑制することができなくることで「爪のカビ」と呼ばれる症状が現れます。

◇どうして緑になるの?

グリーンネイルは、その名の通り爪が緑色になることからそう呼ばれています。といっても、すぐに爪が真みどり色になるわけではありません。グリーンネイルは、始めはクリーム色、黄緑から緑になるという過程を経て「グリーンネイル」と呼ばれる緑色に変化していきます。この「緑」は、実は緑膿菌の排出物。緑膿菌が活動し、排出物を出すことで爪の色が緑色に変化していくわけです。

◇予防法は?

緑膿菌は自然界にたくさんいる菌で、付着を防ぐことってなかなかできません。手袋をしたり、手洗いをすることで緑膿菌の付着は防げるのですが、手洗いをすることは肌の善玉菌を洗い流してしまうことにも繋がるので、緑膿菌だけを洗い流すことができません。予防法としては、バランスよく食べ、ときどき運動し、よく眠ることなど、体内バランスを崩さないことが一番。肌にいる善玉菌の陣地を守るお手伝いをし、緑膿菌が触れても活動できないようにすることが一番の予防法だったりします。

◇爪が緑になったらどうすればいい?

爪に色がついたとき、それが細菌なのか着色なのか診断できるのは皮膚科医のみとなります。ネイリストは医師ではないので「多分グリーンネイルだからこうしましょう」なんて診断してはいけない法律になっています。ネイリストや経験者に指示を仰ぐのではなく、必ず皮膚科専門医の元で判断してもらいましょう。排出物があるだけで、菌そのものはいないかもしれませんし、今まさに活動中かもしれません。二次的に感染することが多い緑膿菌。根本原因を見つけるためにも必ず皮膚科を受診してくださいね。

◇安全にジェルネイルを楽しむなら

とはいえ、ジェルネイルは水分が溜まりやすく菌が繁殖しやすい状態であることに違いはありません。土や水、自然のものを扱う場合はゴム手袋をしたり洗浄をしたり、菌を皮膚の上に残さないようにすることも大切なポイントの一つ。体調を整えることも大切ですが、むやみに菌に触れるようなことをしないことも必要です。

そしてやっぱり、消毒をしすぎないこと。つい過敏になって消毒をしたくなるかもしれませんが、過度な手肌の消毒を繰り返すことで肌の善玉菌も活動がしにくくなります。そうすると、細菌やウィルスが体内へ侵入することを防げなくなってしまう場合もあります。
ジェルネイルを付ける際は、手荒れや肌荒れだけでなく、身体のバランスや疲労感、睡眠時間のバランスなども考慮して付けるようにしましょう。寝不足が続く期間は無理にジェルネイルを付けたりせず、身体のバランスと相談しながら付けるタイミングを見つけてみてくださいね。

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