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美肌のカギ・皮膚常在菌を守るには○○しすぎないこと! [VOCE]

2018年08月03日(金) 12時10分配信

(社)日本爪肌美容検定協会 代表理事 肌育成スペシャリスト 川上 愛子が教えてくれます。

ネイリストとしての経験と豊富な知識を生かし、肌育成スペシャリストとして活躍中の川上愛子さんが提唱するのは、頭から爪の先まで全身キレイになるためのマニアック美容! 今回は、美肌のカギを握る「皮膚常在菌」を守るためのテクニックをご紹介します。
今回は、皮膚常在菌を守るために気をつけたい「洗いすぎ」についてお伝えします。肌の潤いを守るためには、皮膚常在菌を大切に育てなければいけません。人間は、体内も体外もたくさんの菌に守られて生きています。
◇現代人は洗いすぎってほんと?

洗いすぎると皮膚常在菌を洗い流してしまいます。

◇現代人は洗いすぎってほんと?

現代人は、ほとんどの人が「洗いすぎ」と言われています。古くなった角質や余分な角質はお風呂に浸かって15分程度で剥がれ落ちるのが一般的なのに対し、余分なものが剥がれ落ちた身体をさらに洗浄剤で洗ったりタオルでこすったりスクラブを頻繁にかけたりと、現代人のお肌事情はとても過酷な状況。

肌の水分を失わないために存在している皮脂膜も、皮脂膜を弱酸性に保っている皮膚常在菌も、洗うと流れてしまいます。「洗いすぎると乾燥肌になりやすい」ということを聞いたことがある方も多いと思うのですが、その理由は潤いを守ってくれるはずの皮脂膜や皮膚常在菌の活動を自ら洗い流して無くしてしまっていることも理由の1つです。

◇洗いすぎると皮膚常在菌にどんな影響があるの?

私たちの皮脂を分解し、肌の艶や弱酸性のバリアをつくっている皮膚常在菌は、洗ってしまうと肌の上からいなくなってしまいます。とはいっても、健康的な方なら通常は30分から120分くらいでまた毛穴などから菌が出てきて元通りに。再集結した皮膚常在菌が、また皮脂を分解し肌の表面を弱酸性に保ってくれます。

肌の表面が弱酸性で保たれていると、風邪などのウィルスや肌荒れの原因になる黄色ブドウ球菌なども増えることはできませんし、表皮ブドウ球菌などが肌の艶を生み出す脂肪酸などを分泌してくれます。

でも、皮膚常在菌が再集結する前にまた肌を洗ってしまったら? 皮脂を分解し弱酸性を保つはずの皮膚が弱酸性を保てなくなると、肌は悪玉菌が活躍しやすい状態に。「手を洗いすぎると風邪をひく」とは良く言われていますが、洗浄により善玉菌が減って悪玉菌が肌の表面を覆うことで肌荒れしやすくなったりニキビができやすくなったりと、様々な肌トラブルが起こりやすくなる場合があります。
◇洗いすぎの目安はある?

皮膚の構造

◇洗いすぎの目安はある?

では、洗いすぎとはどういう状態を指すでしょうか? 普段、私たちの皮膚は皮脂膜というベールに守られています。緑の矢印の部分です。(左の表参照)

毛穴の中から分泌される皮脂と汗が混じり合った皮脂膜は、角層の上にベールを張って私たちの肌から水分が蒸発するのを防いでくれています。普段、肌が「つっぱる」ような違和感を感じることがないのは皮脂膜があるおかげで、皮脂膜が無く肌表面の角層が直接空気に触れると肌は「つっぱり」を感じます。通常は、洗浄しても皮脂や汗はまた分泌されますが、お風呂上りや洗浄後につっぱりを感じるのは、肌の皮脂量や水分量に対して洗浄をしすぎていて脱脂の状態が強いことがわかります。肌を洗浄した後につっぱりを感じる場合は、洗浄しすぎというわけです。

◇洗浄剤を選ぶ際のポイント

洗浄剤には、シャンプーやハンドソープ、ボディソープなど様々ありますが、洗浄した際に洗い流されるものは汚れだけではありません。洗浄で無くなってしまうものは大きく分けて3つです。

1:ホコリや汚れ
2:皮脂膜(皮脂と汗)
3:NMF(天然保湿因子)

洗浄剤は「肌に必要なもの」「いらないもの」を見分ける力があるわけではないので、肌のベールになる皮脂膜や肌内部で水分を保ってくれるNMF(天然保湿因子)など、潤いを守るために必要なものも洗い流してしまいます。だからこそ、肌を洗浄したあとにつっぱりを感じているなら洗浄料はなるべく早く変更するほうがいいでしょう。

一番いいのは使ってみることですが、気になる洗浄料を全て購入するわけにもいきませんよね。そんなときは、弱酸性ソープなど肌への刺激が少ないものを選んでみましょう。でも「肌に刺激が少ない」ということは洗浄力は弱めです。しっかり洗いたいときには不向きなので、その日の汚れとの相談も必要になります。「乾燥を感じるから優しく洗いたい」日は、汚れないように気をつけることも大切なポイント。メイクもナチュラルに薄くしておいてくださいね。お肌の洗いすぎを回避してくれる(潤いを残してくれる)「洗顔」と「メイク落とし」アイテムは下記を参考にしてみてください。
【洗顔】

jurlique フォーミングクレンザー リプレニッシング

【洗顔】

ベビーシャンプーなどにも使われるデシルグルコシドで作られた洗顔料。私たちの皮脂にも含まれるオレイン酸豊富なマカダミアナッツ油も配合され、グリセリンも加えて洗いすぎずに優しく洗える洗顔料。かなりしっとり洗えるので「洗い過ぎたくないけれど洗顔料は使いたい」日にぴったり。一方、「さっぱり洗いたい」日には不向きかも。

注意点としては、オレイン酸は毛穴を目立たせる場合もあるため、毛穴やニキビに悩んでいる方は肌の状態を見ながら使ってみて。また、加水分解コムギタンパク配合なので、小麦アレルギーの方は使用不可。少量のアルコールは成分抽出の際使用したかな? と思いますがアルコールアレルギーの方も使用は控えたほうが良さそう。
【メイク落とし】

肌ラボ 極潤 オイルクレンジング

【メイク落とし】

ベタつきなくすっきりメイク落とすといえばこれ。非イオン型界面活性剤使用で優しくしっとりとした洗いあがり。オイルクレンジングは乾燥するというイメージがあるかもしれませんが、このクレンジング剤を使うとイメージが変わるかも。クレンジング剤は、肌に触れる時間が少なければ少ないほど肌負担は減りますが、このクレンジング剤は落ちにくいメイクもすっきりなのに洗いあがりが優しいのもポイント。水を貯えてくれるヒアルロン酸もたくさん配合されています。

洗い流してしまうので肌に残存するわけではありませんが、洗浄刺激をなるべく少なく考えられたクレンジング剤でこの価格は優秀! たっぷり使ってメイクを素早くすっきり落としてくれる一品です。

◇皮膚常在菌は生きている

皮膚常在菌は、毎日せっせと皮脂を分解し、肌を弱酸性に保ってくれているわけですが、寝不足で皮脂量が増えたり、生理前で皮脂が減ったり増えたりと肌状態は毎日違うので、肌のコンディションも毎日違うことがほとんどです。「洗いすぎ」とひとことで言っても、皮脂が多い日はつっぱりを感じないでしょうし、皮脂が少ない日はカラカラ感を強く感じる場合もあります。

美肌の状態をできるだけ維持するためには、まずは皮膚常在菌の声を聞くこと。「今日は脂多いね」という日はしっかり洗って「今日はカラカラだね」という日は優しく洗う。皮膚常在菌が活動しやすいように、洗浄料は2つ用意しておきたいし、ときには「洗浄料を使わない」という選択だって必要だったりします。そうすることで今日も、皮膚常在菌は働きやすくせっせと肌の艶を生み出してくれます。ぜひ、日々の「洗う」行為に意識を向けてみてくださいね。

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