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血圧を薬で安易に下げることが危険な理由は? [mi-mollet]

2018年08月01日(水) 10時00分配信

講談社mi-mollet

年齢とともにジワジワ高くなっていく血圧。「そろそろ薬で下げなくてはいけないかも……」と思っている方、ちょっと待ってください! 実は薬で安易に血圧を下げるのは、とっても危険なこと。『1日1分で血圧は下がる! 薬も減塩もいらない!』の著者・加藤雅俊先生に、詳しく伺いました。
現在の高血圧設定値は厳しすぎる!

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現在の高血圧設定値は厳しすぎる!

なぜ薬に頼ることが危険であるかを説明する前に、現在の血圧事情についてお話したいと思います。
日本高血圧学会が定める「高血圧治療ガイドライン」によると、現在は「最高血圧が140mmHgまたは最低血圧が90mmHg以上」で高血圧とみなされます。つまりこの数値を超えると、「下げないと危ないですよ」と薬を処方されるということです。

でも実は、高血圧の設定値が今の数値になったのは2000年から。昔の高血圧設定値は、これほど低くはなかったのです。
1960年代後半に日本の医学部で使われていた『内科診断学』という教科書では、高血圧の診断には、最高血圧が「年齢+90」以下、という算式が用いられていました。
つまり、今60歳の人なら「60+90」という計算になり、最高血圧が150以下なら正常とみなされていたということ。70歳なら160以下、80歳なら170までは正常とされていたのです。
ところが1999年にWHO(世界保健機構)とISH(国際高血圧学会)が「140/90mmHg以上は高血圧」とすると、日本高血圧学会もこれにならい、2000年より高血圧の設定値を大きく引き下げました。その結果、日本の高血圧患者は激増した、というわけです。
ですから今、最高血圧が「年齢+90」以内に治まっている人は、とくに心配しなくても大丈夫でしょう。ましてや薬を飲む必要はありません。

薬で血圧を下げることは、体からのサインを切ること

では最高血圧が「年齢+90」を超えている場合は薬で下げたほうが良いかというと、決してそういうわけではありません。
ここで、そもそも「なぜ血圧が高くなっているのか?」ということを考えていただきたいと思います。
その原因の多くは、加齢や運動不足により血管が硬くなっていることにあります。このような場合は、本の中でご紹介している降圧体操で血管を柔らかくしてあげれば、大抵血圧はすぐに下がります。
ですが一部の人は心臓や脳など体のどこかに不調があり、それが高血圧というサインとなって表れています。それを薬で無理矢理下げてしまったとしたらどうなるでしょう? 当然、血圧の数値は下がりますが、根本原因の病気は進行していきます。
このとき医者は、「高血圧だったから病気になったのです」と言いますが、それはまったくの逆。病気だったから血圧が高かったのです。体は血圧を上げることで一生懸命「ここに病気がありますよ!」と知らせていたのに、薬でその警報を切ってしまったため病気を進行させてしまった。そう考えると、薬で安易に血圧を下げることがいかに危険か、お分かりいただけたと思います。

薬を飲み続けていると認知症になる可能性も!

他にも血圧を下げる薬を飲むことには、多くの危険があります。なぜなら血圧を下げる薬というのは、血流を悪くする薬でもあるからです。
血流が弱まれば、たしかに血管壁にかかる圧力は減りますから、血圧は下がります。しかし同時に、血液によって全身に運ばれる酸素や栄養も減ってしまいますから、さまざまな不調が起こってきます。
まず、末端まで充分な栄養が行き渡らなくなりますから、手先や足先がものすごく冷えるようになります。
脳へ運ばれる栄養も減ってしまいますから、頭がボーッとするようになりますし、その状態が続けば認知症を発症する可能性も高まります。
また目にも栄養が行かなくなりますから、血圧の薬を飲んでいる人は白内障や緑内障といった目の病気を発症することも多いのです。恐ろしいことですよね。
ただし私は、すべての降圧剤を断薬しましょう、と言うつもりはまったくありません。
加齢による高血圧はジワジワと上がってきますが、病気が潜んでいる場合は、短期間で急激に上がることが多いものです。そういった場合は、薬で血圧を下げながら、原因となっている病気が何かを探り、その治療に当たるようにしてほしいと思います。

加藤 雅俊(カトウ マサトシ)

薬剤師、体内環境師、薬学予防医療家、ミッツ・エンタープライズ(株)代表取締役社長、JHT日本ホリスティックセラピー協会会長、JHT日本ホリスティックセラピストアカデミー校長。大学卒業後、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社に入社。研究所(現在:中外製薬研究所)にて、血液関連の開発研究に携わる。プロダクトマネージャー就任後、全国の病院を見て回るなかで、医療現場の問題点に気づく。「薬に頼らずに若々しく健康でいられる方法」を食事+運動+心のケアから総合的に研究し、1995年に予防医療を目指し起業。「心と体の両方」をみるサロンやセラピスト養成のためのアカデミーを展開。現在、自ら指導する健康セミナーやストレッチ教室、講演会などを精力的に行いながら、テレビ・雑誌等にも出演。モデルや女優の体内環境のケア、プロ野球チームやプロアスリートのコンディショニングケアも担当する。

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